「Surprise me.」に見る、選択を相手に任せる一言と、それを字義どおりに受け取る返し|『ホワイトカラー』S02E14で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「Surprise me.」に見る、選択を相手に任せる一言と、それを字義どおりに受け取る返し|『ホワイトカラー』S02E14で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第14話から、ニールとモジーの「ハンマー」を巡る短いやり取りを取り上げます。ピーターが連れ去られた後の場面で、ニールが何気なく選択を任せた一言が、思いがけない形で返ってくる場面です。短い往復の中に、日常会話でもそのまま使える言い回しがそろっています。

頼みごとの付け足し方から、相手の言葉を根拠にした言い返しまで、会話の順に追いかけます。

目次

「Oh, and ~」の付け足しと、選択を任せる「Surprise me.」

モジーから電話を受けたニールは、ある場所で落ち合う約束をします。モジーは正体の分からない相手から連絡があり、会う時間と場所をニールに伝えるよう言われたと報告していました。約束の場所を告げた後、ニールは用件をもう一つ付け足します。

Neal: Oh, and bring a hammer.
(ああ、それとハンマーを持ってきて。)
Mozzie: Uh, ball-peen or claw?
(ええと、丸頭かね、それとも釘抜きかね?)

White Collar Season2 Episode14 (Payback)

Oh, and ~ は、話がまとまりかけたところで「あ、それと〜」と用件を足すときの定番の切り出しです。Oh が「今思い出した」という軽さを添えるため、急な頼みごとでも唐突に聞こえにくくなります。

モジーの返事は、ball-peen と claw というハンマーの種類を並べ、or でつないだだけの二択の問いです。Do you want ~? のような前置きを省き、名詞だけを投げることで、「どっちにする?」と短く確かめられます。何に使うのかを問わず、種類だけを確認するところにモジーらしさがにじみます。

同じ問いがもう一度繰り返された後、ニールの答えは一言でした。

Neal: Surprise me.
(任せるよ。)

White Collar Season2 Episode14 (Payback)

Surprise me. は直訳すると「私を驚かせて」ですが、実際には「そちらに任せる」「何でもいいから選んで」という意味で使われます。飲食店で料理や飲み物を選んでもらうときなどにも耳にする言い方で、相手のセンスに委ねる軽い響きがあります。形は命令文ですが、相手に何かを強いるのではなく、判断をゆだねる申し出として働きます。I’ll leave it to you. や It’s up to you. と比べると、選ばれた結果を楽しみに待つような響きが加わる点が違いです。

「I said ~」と「You said ~」で、相手の言葉を根拠に言い返す

待ち合わせの場所で落ち合うと、モジーはハンマーを袋いっぱいに持ってきていました。

Neal: What’s with the sack of hammers? I said bring one.
(その袋いっぱいのハンマーは何? 1本って言ったよね。)
Mozzie: You said to surprise you.
(君は、驚かせてくれと言った。)
Neal: Moz!
(モジー!)
Mozzie: You’re worried about Peter. I happen to have an arsenal of hammers.
(君はピーターのことが心配なんだ。私はたまたま、ハンマーを山ほど持っていてね。)

White Collar Season2 Episode14 (Payback)

What’s with ~? は「〜はいったいどうしたの?」と、目の前の予想外のものに突っ込む口語表現です。続く I said bring one. は、自分が前に言った指示を持ち出して「話が違う」と伝える形です。said の後ろに命令文 bring one をそのまま置くのは会話でよく見られる形で、書き言葉なら I said to bring one. とするのが一般的です。

モジーの You said to surprise you. は、say to do(〜するように言う)の形で、ニールの言葉をそのまま根拠に返しています。Surprise me. の me が、引用する側からは you に変わっている点にも注目です。人の発言を伝えるときに、代名詞を話し手の立場に合わせて言い換えるのは、間接話法の基本的なルールです。「任せる」という意味で言った一言を、モジーは「驚かせてほしい」という文字どおりの注文として受け取ったことになります。

名前を呼んでたしなめるニールに、モジーは You’re worried about Peter. と相手の苛立ちの理由を言い当てます。そのうえで happen to have ~(たまたま〜を持っている)と開き直ります。arsenal は本来「武器庫」を指す語で、ここではハンマーの数の多さを大げさに言い表しています。

まとめ|任せる一言と、言葉を根拠にした返し

Oh, and ~ で用件を付け足し、Surprise me. で選択を任せ、I said ~ と You said to ~ で互いの言葉を持ち出して言い返す流れを見てきました。何気ない一言が、そのまま次の会話の根拠になることが分かります。

次回も『ホワイトカラー』の軽口から、会話の運び方を見ていきましょう。

同じ話のほかのコラムでは、別の場面の英語も取り上げています。

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