海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第14話から、クリーニングの受け取りを忘れたピーターとエリザベスの朝のやり取りと、その後ピーターがニールにこぼす愚痴を取り上げます。相手に言い返すときも自分を嘆くときも、二人は「〜する夫」「〜する男」と役回りを名指しする形を繰り返し使っています。
名詞の後ろに説明を付けて人物像を描く英語を、場面の順に見ていきます。
「I don’t want to be the husband that ~」で、なりたくない役回りを語る
出勤前、ピーターは前の晩にクリーニングを受け取るはずだったと思い出して謝ります。エリザベスがすでに受け取ってくれていたと分かると、ピーターは別の点に引っかかります。
Peter: Wait. Wait a minute. You never called to remind me. Did you assume I’d forget?
(待て。ちょっと待ってくれ。念押しの電話をくれなかったよな。俺が忘れると決めてかかってたのか?)
Elizabeth: I know you had a lot on your mind.
(いろいろ考えることがあったでしょう。)
Peter: Yeah, but I don’t want to be the husband that forgets to pick up the dry cleaning.
(ああ、でも俺は、クリーニングを取りに行くのを忘れる夫にはなりたくないんだ。)White Collar Season2 Episode14 (Payback)
the husband that forgets ~ は、名詞の後ろに関係代名詞 that で始まる節を付けて、「〜を忘れる夫」という人物像を作る形です。a husband ではなく the を使うことで、「よく話に出てくる、ああいう夫」という決まった型を指す響きが生まれます。I don’t want to be ~ と組み合わせると、その型に当てはめられたくない気持ちが伝わります。
少しやり取りが続いた後、エリザベスは事実を指摘します。
Elizabeth: Okay, you’re the one who forgot the dry cleaning.
(いい? クリーニングを忘れたのは、あなたのほうよ。)White Collar Season2 Episode14 (Payback)
the one who ~ は「〜した人」を指す言い方で、you’re the one who ~ とすれば「〜したのはあなただ」と当事者を名指しできます。「私ではなく、あなた」という対比が one の一語に込められているのが見どころです。ピーターが持ち出した「忘れる夫」という話を、忘れたという事実の側から切り返しています。
短いやり取りを挟んで、エリザベスはピーターと同じ形で言い返します。
Elizabeth: Okay, look, I don’t want to be the wife that has to call and nag you to do things.
(いい、聞いて。私だって、あれこれ電話してあなたに小言を言わなきゃいけない妻にはなりたくないの。)White Collar Season2 Episode14 (Payback)
husband を wife に入れ替え、後ろの節を差し替えただけの文です。nag は「しつこく小言を言う」という動詞で、has to が入ることで「好きでそうしたいわけではない」という含みも加わります。同じ型で返すことで、二人とも避けたい役回りを抱えていると分かります。
「I’ve become the guy who ~」で、自分の姿を嘆く
エリザベスは続けて、念押しするのは手間がかかるうえ、覚えていてくれるかも分からないと言います。それを受けたピーターの返しが次の一言です。
Peter: I’m sorry. I didn’t realize I was such a foregone conclusion.
(悪かったな。俺がそこまで分かりきった存在だとは知らなかったよ。)
Elizabeth: Neither did I. Can we stop this?
(私も知らなかったわ。もうやめにしない?)White Collar Season2 Episode14 (Payback)
a foregone conclusion は「初めから分かりきった結論」という意味の名詞句です。「忘れると最初から決まっている人間」扱いされたと、ピーターは皮肉っています。エリザベスの Neither did I. は、否定文 I didn’t realize ~ に「私も〜なかった」と同意する返しです。
その日のうちに、皮肉の多さをニールに指摘されたピーターは、クリーニングの件を打ち明けます。「よくあることだ」とニールが返すと、ピーターはこう続けます。
Peter: Apparently, all the time. I’ve become the guy who forgets to do it so often that she had to pick it up without even asking me if I got it.
(どうやら毎度のことらしい。俺はしょっちゅう忘れるもんだから、受け取ったかどうか聞かれもせずに、彼女が取りに行く羽目になった。そんな男になっちまったんだ。)White Collar Season2 Episode14 (Payback)
become the guy who ~ は「〜する男になってしまった」と、自分がいつの間にか望まない型に収まったことを嘆く形です。朝の the husband that ~ と同じ骨組みで、guy を使うぶん口調がくだけています。so often that ~ は「あまりに頻繁なので〜」という結果を表す構文です。
怒っていたのかと聞くニールに、ピーターは怒ってはいなかったと答え、それがかえってまずいのだと認めます。そして、自分をこう言い表します。
Peter: I’m a constant disappointment.
(俺は、いつもがっかりさせてばかりだ。)White Collar Season2 Episode14 (Payback)
a disappointment は「期待外れの人」を指す数えられる名詞で、constant(絶えず続く、いつもの)が付くと「いつも期待を裏切ってしまう存在」となります。
まとめ|名詞で描く「なりたくない自分」
the husband that ~ や I’ve become the guy who ~ など、人物像を名詞で描く形をたどりました。名詞に説明を足すだけで、言い返しにも嘆きにも使えることが分かります。
次回も『ホワイトカラー』の会話を見ていきましょう。
この回の英語表現は、フレーズ記事でも扱っています。


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