アメリカの大晦日、真夜中のキスとカウントダウンの文化と英語|『フレンズ』S01E10で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: アメリカの大晦日、真夜中のキスとカウントダウンの文化と英語|『フレンズ』S01E10で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン1第10話は、6人が大晦日の夜をどう過ごすかで揺れる回です。仲間の会話で何度も話題になるのは、年が変わる瞬間に誰と一緒にいるか、そして誰とキスをするかという問題です。

日本の年越しとは少し違う、アメリカの大晦日の過ごし方とそれにまつわる英語を、パーティーやカウントダウンの様子も交えて、劇中の場面を順にたどりながら見ていきます。

目次

「New Year’s」が憂うつ?大晦日にかかるプレッシャー

仲間が集まるカフェで、レイチェルが大晦日の予定を尋ねると、ほかの5人からは気乗りしない声が上がります。レイチェルが理由を聞くと、チャンドラーが答えます。

Rachel: What is wrong with New Year’s?
(ねえ、大晦日の何がいけないのよ?)
Chandler: Nothing for you. You have Paolo. You don’t have the pressures—
(お前には何の問題もないだろ。パオロがいるんだから。プレッシャーなんてないよな――)
Chandler: The desperate scramble to find anything with lips so you have somebody to kiss when the ball drops!
(ボールが下りるときにキスする相手がいるように、唇があれば何でもいいって必死で探し回るっていうさ!)
Rachel: Paolo is going to be in Rome this New Year’s so I’ll be just as pathetic as the rest of you.
(パオロは今年の大晦日はローマなの。だから私もみんなと同じくらいみじめよ。)
Phoebe: Yeah. You wish.
(はいはい、そうだといいわね。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)

会話の中の New Year’s は、New Year’s Eve(大晦日)を縮めた言い方として使われています。New Year’s Day(元日)を指すこともあるため、どちらの意味かは文脈で判断します。ここでは「大晦日の夜の過ごし方」が話題です。

チャンドラーが挙げる the pressures は、年越しの瞬間に一緒に過ごす相手がいなければならない、という重圧のことです。大げさな言い方ではありますが、真夜中に「キスする相手」がいるかどうかを気にする様子が、この台詞にはっきり出ています。

フィービーの You wish. は「そうだったらいいのにね」という意味で、相手の言い分を軽く受け流すときの返しです。交際相手のいるレイチェルが「私もみじめ」と言っても、フィービーはこの一言で取り合いません。

「when the ball drops」で年越しの瞬間を言い表す

その後、仲間が次々に相手を見つけてくると、ロスはこう嘆きます。レイチェルはこう返します。

Ross: Okay, so I’m going to be the only one standing there alone when the ball drops?
(じゃあ、ボールが下りるときに一人で突っ立ってるのは俺だけってことか?)
Rachel: We’ll have a big party and no one will know who’s with who.
(大きなパーティーにすればいいのよ。そうすれば誰が誰と一緒かなんて、誰にも分からないから。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)

チャンドラーとロスがそろって口にする when the ball drops は、年が変わる瞬間を指す言い方として使われています。ニューヨークのタイムズスクエアで年明けに合わせて大きなボールが下りる催しは、アメリカの年越しの光景として紹介されることの多いものです。

レイチェルの a big party のように、大晦日の夜は友人や家族が集まってパーティーを開き、カウントダウンをしながら年明けを待つ過ごし方がよく紹介されます。過ごし方は家庭や地域によってさまざまで、家で静かに迎える人もいると言われます。

年明けの直前に残りの秒数を声に出して数えることは、英語でも countdown(カウントダウン)と呼ばれます。劇中でも、パーティーを去るマックスが Happy New Year! と言い残します。日本語の「あけましておめでとう」に当たるあいさつで、年が明けた直後に交わされることが多い一言です。

実際に劇中でも、モニカとレイチェルの部屋でパーティーが開かれます。真夜中が近づくと、チャンドラーがこう言います。

Chandler: And the moment of joy is upon us.
(さあ、喜びの瞬間がやって来たぞ。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)

be upon us は「(時が)すぐそこまで来ている」という、少し改まった言い方です。この夜、仲間の予定は思いどおりには運んでいません。そこであえて大げさな言葉を選ぶことで、皮肉を込めた言い方になっています。

「Somebody kiss me」と年明けのキスの習慣

年が明けると、パーティーの客たちは年明けを祝い合いますが、仲間の6人はその輪に加わっていません。チャンドラーが切り出します。

Chandler: I’ll just throw this out: I’m no math whiz
(ちょっと言わせてもらうとさ、俺は数学は得意じゃないけど)
Chandler: but I do believe there are three girls
(確か、女の子が3人と)
Chandler: and three guys right here.
(男が3人、ここにいるよな。)
Phoebe: Oh, I don’t feel like kissing anyone tonight.
(うーん、今夜は誰ともキスする気分じゃないの。)
Rachel: I can’t kiss anyone.
(私、誰ともキスできないの。)
Monica: So I’m kissing everyone?
(じゃあ、私がみんなとキスするってこと?)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)

アメリカでは、年が明けた瞬間に、そばにいる相手とキスを交わす習慣があると紹介されることが多くあります。もっとも、ハグや乾杯、Happy New Year! のあいさつで祝うことも多く、どう祝うかは人によって異なります。

モニカの So I’m ~? は、相手の話から導いた結論を確かめる言い方で、「じゃあ〜ってこと?」に当たります。

フィービーの I don’t feel like ~ing は「〜する気分じゃない」という意味で、誘いをやんわり断るときにも使える形です。

Joey: You can’t kiss Ross. That’s your brother.
(ロスとはキスできないだろ。きょうだいなんだから。)
Ross: Perfect. Now everybody’s getting kissed but me.
(最高だね。これでみんなキスしてもらえるのに、俺だけ除け者か。)
Chandler: Somebody kiss me.
(誰かキスしてくれ。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)

ロスの Perfect. は、思いどおりにならない状況にあえて「完璧だ」と言う皮肉の使い方です。everybody ~ but me は「自分以外はみんな〜」という形で、自分だけ取り残された気持ちを伝えます。チャンドラーの Somebody kiss me. は、主語の somebody を置いた命令文で「誰でもいいから〜して」と呼びかける言い方です。

まとめ|大晦日の夜を表す英語

New Year’s が大晦日の夜を指すこと、年越しの瞬間を表す when the ball drops、年越しの a big party、そして年明けのキスの習慣をめぐる言い方を見てきました。場面と習慣を結びつけると、言葉の背景が見えてきます。

年越しの夜を思い思いに過ごす6人を眺めながら、アメリカの大晦日の雰囲気を感じてみるのもひとつの楽しみ方です。

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