海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン1第10話では、大晦日の夜を前にチャンドラーが「今年はデートの相手を呼ばず、仲間6人だけで過ごそう」と持ちかけます。ところが、この約束は、言い出した本人を含む仲間の手で次々に破られていきます。
約束を破った側はどう言い訳し、どう謝るのか。問い詰める側や皮肉を言う側の英語とあわせて、仲間どうしのいくつかの場面から、順を追って見ていきます。
「make a pact」と「break the pact」で約束を結び、破る
仲間が集まるカフェで大晦日の話になると、チャンドラーはこう提案します。
Chandler: I say this year, no dates. We make a pact— just the six of us. Dinner.
(今年はデートなしにしようぜ。約束するんだ、俺たち6人だけで。ディナーだ。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)
make a pact は「(みんなで)約束を交わす」「協定を結ぶ」という意味です。pact は promise よりも、複数の人が同じ取り決めに加わるときに使われることが多い語です。冒頭の I say ~ は「〜しようじゃないか」と、自分の案を持ち出すときの前置きとして使えます。
その後、モニカとレイチェルの部屋でクリスマスの飾りつけをしていると、フィービーが交際相手のデヴィッドへの思いを話し始めます。それを聞いたチャンドラーが口をはさみます。
Chandler: You’re going to ask him to New Year’s.
(お前、大晦日に彼を誘うつもりだろ。)
Chandler: You’re going to break the pact.
(約束を破る気だな。)
Chandler: She’s going to break the pact.
(こいつ、約束を破るつもりだぞ。)
Phoebe: No. No. No. No. No.
(違う。違う。違う。違う。違う。)
Phoebe: Yeah, could I just..?
(うん、ちょっとだけ……いい?)
Chandler: Yeah, ‘cause I already asked Janice.
(ああ、だって俺はもうジャニスを誘ったからな。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)
break the pact は「約束を破る」で、make a pact と対になる表現です。be going to ~ は「〜するつもりだ」と、相手の考えを見抜いて言い当てる使い方になっています。フィービーは否定を重ねたあと、Could I just..? と言いかけて認めます。最後まで言わずに許しを求める、遠慮がちな頼み方です。そしてチャンドラー自身も、すでにジャニスを誘っていたことを明かします。
「I snapped」と「I’m not saying ~. I’m saying ~.」で言い訳する
言い出した本人が約束を破っていたと知って、ロスが詰め寄ります。
Ross: Come on. This was a pact. This was your pact.
(おい、約束だったろ。お前が言い出した約束だぞ。)
Chandler: I snapped, okay? I couldn’t handle the pressure.
(キレちまったんだよ、いいだろ? プレッシャーに耐えられなかったんだ。)
Monica: But that was, like, the worst breakup in history.
(でも、あれって史上最悪の別れ方だったじゃない。)
Chandler: I’m not saying it was a good idea. I’m saying I snapped.
(いい考えだったとは言ってない。キレちまったって言ってるんだ。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)
ロスの This was your pact. は、「言い出したのはお前だろ」と責任を相手に向ける一言です。
チャンドラーの snap は、我慢の糸がぷつんと切れる様子を表す口語です。怒りを爆発させる場面だけでなく、この場面のように「耐えきれずに思わずやってしまった」と言い訳するときにも使われます。I couldn’t handle the pressure. と理由を添え、自分でも抑えられなかったと伝えています。
モニカが持ち出すのは、チャンドラーとジャニスの以前の別れのことです。それに対してチャンドラーは I’m not saying ~. I’m saying ~. の形で返します。「〜だとは言っていない。〜だと言っているんだ」と、相手が問題にしている点を認めずにかわし、自分の言い分だけに話を絞る型です。言い争いの中で論点を整理したいときにも応用できます。
「What does ~ mean to you?」で問い詰め、「Looks like ~ worked out」で皮肉る
カフェでは、ロスがモニカにも問いかけます。モニカも元交際相手のファン・ボビーを誘っていました。
Ross: Tell me something. What does the phrase “no-date pact” mean to you?
(ちょっと聞かせてくれ。「デートなしの約束」って言葉、お前にとってどういう意味なんだ?)
Monica: I’m sorry, okay? It’s just that Chandler has somebody
(ごめんってば、いいでしょ? ただ、チャンドラーには相手がいるし)
Monica: and Phoebe has somebody. I thought I’d ask Fun Bobby.
(フィービーにも相手がいるから。私もファン・ボビーを誘おうかなって。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)
What does ~ mean to you? は本来「〜はあなたにとってどんな意味を持つ?」という問いです。ここでは、約束の言葉の意味をわざわざ尋ねることで「その意味が分かっていないのか」と皮肉まじりに責める使い方になっています。
モニカの I’m sorry, okay? It’s just that ~ は、先に謝ってから「ただ、〜だから」と事情を述べる型です。okay? を添えることで、「もう謝ったでしょ」という少し開き直った響きも加わります。この後、ジョーイとレイチェルも予定が入ったと続き、レイチェルは Sorry. の一言に理由を添えて済ませます。
大晦日のパーティーで真夜中が近づいたころ、ジョーイがこう言います。
Joey: Looks like that no-date-pact thing worked out.
(どうやら、あの「デートなしの約束」ってやつはうまくいったみたいだな。)
Friends Season1 Episode10(The One with the Monkey)
work out は「うまくいく」という意味です。この夜、仲間それぞれの予定は思いどおりには運んでいません。その状況で「うまくいった」と言うことで、結果を逆の言葉で言い表す皮肉になっています。Looks like ~ は「どうやら〜みたいだ」と、見たままの様子を述べる言い方です。同じ形で Looks like it’s going to rain.(どうやら雨になりそうだ)のように、見た目から判断するときにも使えます。
まとめ|約束を破ったときの言い訳と謝り方
make a pact と break the pact、言い訳の I snapped、謝罪の I’m sorry, okay? It’s just that ~、皮肉の Looks like ~ worked out を見てきました。責める側と言い訳する側の言い方を対で覚えると、使いどころが見えてきます。
約束をめぐる掛け合いを思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
この回の別の場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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