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『フレンズ』シーズン1第17話では、ジョーイが交際中のアースラの誕生日を祝おうとしますが、その同じ夜は、アースラの双子の姉妹であるフィービーの誕生日でもありました。
予定が重なっていることに本人がまったく気づいていないとき、周りの友達はどんな言葉で声をかけるのか。仲間の遠回しな指摘と釘の刺し方、そしてあとから返ってくる一言を順に見ていきます。
「What about ~?」で相手の見落としを差し出す
カフェのセントラルパークで、ジョーイはロスとチャンドラーに、今夜アースラを連れて行く店について尋ねます。その流れで出た一言から、やりとりが始まります。
Joey: It’s her birthday.
(彼女の誕生日なんだ。)
Ross: Whoa. What about Phoebe’s birthday?
(おいおい。フィービーの誕生日はどうするんだ?)
Joey: When’s that?
(それっていつ?)
Ross: Tonight.
(今夜だよ。)
Joey: Ah, man. What are the odds of that happening?
(うわ、マジかよ。そんな偶然ってある?)
Ross: You take your time.
(ゆっくり考えていいぞ。)
Chandler: There it is.
(ほら、気づいた。)
Friends Season1 Episode17(The One with Two Parts, Part 2)
What about ~? は「〜はどうなるの?」と、相手の話から抜け落ちている別の件を差し出す聞き方です。ロスは「予定がかぶっている」と言い切らず、フィービーの誕生日を話題に出すだけで、ジョーイ自身に気づかせようとしています。
ジョーイの What are the odds of that happening? は「そんなことが起きる確率はどれくらい?」が直訳で、「すごい偶然だ」と驚くときの決まった言い方です。ただし双子の姉妹なので、誕生日が同じなのは偶然ではありません。
そこでロスの You take your time. です。本来は「ゆっくりでいいよ」と相手を待つ言葉ですが、ここでは気づくのが遅いジョーイに向けた皮肉まじりの一言として働いています。ジョーイが少し考えてようやく理由に思い当たると、チャンドラーが There it is.(ほら、それだ)と言い、気づいた瞬間をとらえます。相手の答えが出たときに「そう、それ」と示す短い一言として使えます。
「hopefully she’ll understand」と言う友達に釘を刺す
気づいたあと、チャンドラーはどうするつもりかを聞きます。ジョーイの答えと、それに対するチャンドラーの返しがこちらです。
Chandler: So what are you going to do?
(で、どうするんだ?)
Joey: What can I do? Look, I don’t want to screw it up with Ursula.
(どうしようもないだろ? なあ、アースラとの仲を台無しにしたくないんだよ。)
Chandler: And your friend Phoebe?
(じゃあ、友達のフィービーは?)
Joey: If she’s my friend, hopefully she’ll understand. Wouldn’t you guys?
(友達なら、わかってくれるといいけど。お前らだってそうだろ?)
Chandler: Man, if you tried something like that on my birthday you’d be staring at the business end of a hissy fit.
(おいおい、俺の誕生日にそんなことしたら、俺のかんしゃくを真正面から食らうことになるぞ。)
Friends Season1 Episode17(The One with Two Parts, Part 2)
I don’t want to screw it up with ~ は「〜との関係を台無しにしたくない」という意味です。screw up はくだけた語なので、改まった場では mess up などに言い換えるほうが無難です。
hopefully she’ll understand は「わかってくれるといいけど」と、相手の理解を当てにする言い方です。続く Wouldn’t you guys? は否定疑問で、「お前らだってそうだろ?」と同意を求めています。その直前のチャンドラーの短い問い返しも、ロスの What about ~? と同じく、相手が後回しにしている人を名前で差し出す働きをしています。
チャンドラーの返しは仮定法の if you tried ~, you’d be ~ で、「もし自分の誕生日にそんなことをしたら」と自分の場合に置き換えて釘を刺しています。the business end of ~ は道具などの「使う側の先端」を指す口語で、そこから「まともに食らう側」という響きになります。hissy fit は「かんしゃく、ヒステリー」を表すくだけた語です。直接責めずに、自分ならこうなると冗談めかして伝える形になっています。
「Don’t you hate it when ~?」と一般論で返す
フィービーの誕生日パーティーには、ジョーイの姿はありませんでした。その後、モニカとレイチェルの部屋にやってきたジョーイは、アースラが約束の場に来なかったとフィービーたちに話します。そこでフィービーが口にするのがこの一言です。
Phoebe: Oh, no. Don’t you hate it when people aren’t there for you?
(あら、大変。肝心なときにいてくれない人って、いやよね?)
Ross: Did you try calling her?
(電話はしてみたのか?)
Joey: I’ve been trying for two days. When I called the restaurant they said she was too busy to talk.
(2日間ずっとかけてるよ。店に電話したら、忙しくて話せないって言われた。)
Joey: I can’t believe she’s blowing me off.
(避けられてるなんて信じられないよ。)
Friends Season1 Episode17(The One with Two Parts, Part 2)
Don’t you hate it when ~? は「〜のときって、いやじゃない?」と、一般論の形で相手に共感を求める否定疑問です。be there for ~ は「〜のそばにいて支える、必要なときに居てくれる」という意味です。
フィービーの言葉は、表向きはアースラに会えなかったジョーイへの同情の形をとっています。一方で、自分の誕生日に来なかったジョーイに向けた言葉とも受け取れる一言です。一般論の形にすると、相手を名指しせずに言いたいことを含ませることができます。日常会話でも、Don’t you hate it when people are late?(人が遅れてくるのって、いやじゃない?)のように言えば、遅れてきた相手を直接責めずに、気になっていることを伝えられます。
ジョーイの blow someone off は「相手を避ける、すっぽかす」という意味の口語です。I can’t believe ~ と組み合わせて、相手の態度が信じられないという気持ちを表しています。
まとめ|予定のかぶりに気づかせる英語
What about ~? で見落としを差し出し、You take your time. や There it is. で気づいた瞬間をとらえ、Don’t you hate it when ~? で遠回しに伝え、if you tried ~, you’d be ~ で釘を刺す流れを見てきました。直接責めずに伝える言い方の幅が広がります。
仲間同士の遠回しなやりとりに耳を傾けながら、『フレンズ』を観る楽しみがまた一つ増えていきます。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、父親になる不安を語る英語なども取り上げています。


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