海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン1第12話では、フィービーとレイチェルが、同じ一人の人物をめぐる思いがけない出来事で、それぞれ元気をなくします。仲間たちはそのたびに声をかけ、二人もさまざまな言い方で答えます。
様子のおかしい相手に「どうしたの?」と聞くのか、「大丈夫?」と聞くのか。声をかける側と答える側の両方の英語を、言い方の違いに注目しながら3つの場面から見ていきます。
「What’s the matter?」と「What is it?」で理由を尋ねる
仲間が集まるカフェにフィービーがやって来ます。ジョーイとチャンドラーがあいさつをすると、フィービーは聞かれてもいないのにこう答えます。
Phoebe: Fine.
(元気よ。)
Monica: Phoebe, what’s the matter?
(フィービー、どうしたの?)
Phoebe: Nothing, I’m sorry.
(何でもない、ごめん。)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
あいさつに対して、調子を尋ねられる前に Fine. と返すちぐはぐさが、かえって様子のおかしさを伝えます。それを受けたモニカの What’s the matter? は「何があったの?」「どうしたの?」と、元気がない理由そのものを尋ねる言い方です。matter はここでは「困ったこと」「問題」を指します。
フィービーの Nothing, I’m sorry. は、理由を言わずにかわす返事です。Nothing. だけだと突き放した響きになることもありますが、I’m sorry を添えることで「心配させてごめん」という気持ちが加わります。
少し後、モニカは名前を呼んで改めて What is it? と聞きます。What is it? は「何なの?」「どうしたの?」で、相手が何かを言いたそうにしているときや、一度はぐらかされた後に重ねて促すときにも使われます。この問いかけを受けて、フィービーはパオロに関わる出来事を打ち明け始めます。
どちらの問いも、相手が「大丈夫かどうか」ではなく「何があったのか」に焦点を当てているのが共通点です。
「Are you okay?」と「Better?」で様子を気づかう
フィービーがレイチェルにパオロの件を打ち明けた後、部屋に二人きりの場面で、フィービーが声をかけます。
Phoebe: Are you okay?
(大丈夫?)
Rachel: I need some milk.
(ミルクが欲しい。)
Phoebe: Okay. I’ve got milk.
(わかった。ミルクならあるわ。)
Phoebe: Here you go. Oh.
(はい、どうぞ。あら。)
Phoebe: Better?
(少しは落ち着いた?)
Rachel: No.
(ううん。)
Rachel: Oh, I feel so stupid!
(ああ、私って本当にばかみたい!)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
Are you okay? は、理由よりも先に相手の今の状態を気づかう問いです。What’s the matter? が「何があったの?」と出来事に向かうのに対し、Are you okay? は「あなたは平気?」と相手そのものに向かいます。打ち明け話を聞いた直後の相手には、理由を聞くより先にこちらが自然に出てくる場面だと読み取れます。
レイチェルの I need some milk. は、気分を答える代わりに「今してほしいこと」で返す形です。状態を説明する余裕がないときの答え方として見ることができます。
フィービーの Better? は Are you feeling better? を一語に縮めた問いで、何かをしてあげた後に「少しはましになった?」と確かめるときに使われます。レイチェルは No. と短く答え、続けて I feel so stupid! と自分を責める気持ちを口にします。feel stupid は「自分がばかみたいに思える」という意味で、恥ずかしさや後悔を表します。
「I’ve been better.」と「Medium.」で正直に答える
やがてレイチェルはパオロと別れます。バルコニーに出ているレイチェルのところへ、ロスがやって来ます。
Ross: You alright?
(大丈夫か?)
Rachel: Oh, I’ve been better.
(うーん、いいとは言えないわね。)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
You alright? は Are you alright? の are を省いたくだけた形です。答えの I’ve been better. は直訳すると「もっと良かったときもある」で、「今はあまり良くない」を遠回しに伝える言い方です。No とはっきり言わずに落ち込みを認められるため、気づかってくれた相手に重くなりすぎずに返せます。
部屋に戻ったレイチェルに、今度はモニカが Hey, honey, are you alright? と声をかけます。その後のレイチェルの答えがこちらです。
Rachel: Medium.
(まあまあ。)
Rachel: Any cookies left?
(クッキー、まだ残ってる?)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
Medium. は本来「中くらい」という意味で、調子を答える言葉としてはひねった一語です。良くも悪くもない、という状態を短く伝える答え方です。落ち込みを認めつつ一語で軽く返している点が、バルコニーでの I’ve been better. との違いです。続く Any cookies left? は、フィービーが話を切り出す前に勧めたクッキーのことを指していると読めます。
まとめ|声のかけ方と返事の幅
What’s the matter? と What is it? は理由を尋ね、Are you okay? と You alright? は相手の状態を気づかう問いでした。答える側にも、Nothing, I’m sorry. や I’ve been better.、Medium. のように、正直さの度合いが異なる返事があることが分かります。
声をかける側と答える側の両方に目を向けると、仲間どうしのやりとりの温度が見えてきます。
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