海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
会話の途中で新しい情報が一つ加わっただけで、頭の中の整理が追いつかなくなってしまった、そんな経験はありませんか。
今回学ぶ「throw in」は、すでにあるものに何かを付け足す・放り込むという意味の句動詞です。『フレンズ』シーズン1第12話、元妻キャロルの家を訪れたロスが、次々に増えていく情報に一人で混乱してしまうシーンから、一緒に見ていきましょう。
「throw in」の意味とニュアンス
throw in
意味:(既にあるものに)さらに付け足す、おまけとして加える
throw は「投げる」、in は「中へ」。この二つが組み合わさって、「既にある何かの中に、ぽいと放り込む」というイメージが生まれます。もともとある要素の上に、追加・おまけとして何かを足すときに使う表現です。
日常会話では二つの方向で使われます。一つは買い物や交渉の場面で、「(値段はそのままで)これもおまけにつけますよ」という意味。もう一つは、情報や要素を「さらに加算する・考慮に入れる」という意味です。どちらも「本来の枠にプラスして放り込む」という共通の感覚でつながっています。
【ここがポイント!】
- throw(投げる)+ in(中へ)で「既にあるものにぽいと放り込む」のが核のイメージ
- 買い物では「おまけにつける」、会話では「要素を加える」と幅広く使える一言
- 「本来の枠にプラスして足す」という気軽さがにじむのがコツ
『フレンズ』S01E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
超音波写真を眺めるロスが、写っている見知らぬ女性を冗談まじりに尋ねると、キャロルは友達のターニャだと答えます。元妻キャロルとそのパートナーのスーザン、そこにもう一人が「加わる」ことを想像したロスが、勝手に混乱して悶絶します。
Ross: Yeah, I’m having enough trouble with the image of you and Susan together. When you throw in Tanya, I’m.. Aah.
(ただでさえ、君とスーザンが一緒にいる画を想像するので手一杯なんだ。そこにターニャまで加わったら……ああ、もうダメだ)Carol: The sex of the baby, Ross.
(赤ちゃんの性別のことよ、ロス)Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
シーン解説と心理考察
ロスが元妻の新しい生活をまだ完全には受け止めきれていない様子が、この短いやりとりから伝わってきます。キャロルは淡々と「赤ちゃんの性別」の話をしようとしているのに、ロスの頭の中では別の想像が勝手に膨らんでいきます。
throw in の「ぽいと放り込む」という感覚が、ロスの脳内キャパオーバーとぴったり噛み合っているのが見どころです。既に処理しきれない画がある状態に、もう一つ要素が「投入」されると、彼の理屈っぽい頭が一気にショートしてしまう。理屈で物事を整理したがるロスだからこそ、想定外の追加情報に弱いという性格が、この一言によく表れていると言えます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
throw in は、すでに物でいっぱいの箱に、もう一つポイっと物を投げ入れる映像で覚えるのがおすすめです。箱の中身は既にぎゅうぎゅう。そこへ手が伸びて、さらに一個を放り込む——その瞬間のイメージです。
ロスの頭の中は、キャロルとスーザンの画で既にいっぱいでした。そこにターニャが throw in された瞬間、箱から中身があふれてオーバーヒートします。この「あふれる寸前の箱に、もう一個放り込む」画を思い浮かべれば、「おまけにつける」も「要素を加える」も、一つのイメージから引き出せるようになります。
例文で覚える「throw in」
throw in は買い物から日常会話まで幅広く登場します。「おまけ」と「加算」の両方の使い方を、三つの場面で見ていきましょう。
If you buy the camera today, we’ll throw in a free memory card.
(本日カメラをご購入いただければ、メモリーカードを無料でお付けします)
店員がセールストークで特典を提示する場面です。「値段そのままでおまけをつける」という、throw in の最も代表的な使い方です。
When you throw in the cost of shipping, it’s not really a bargain.
(送料まで加えると、そんなにお得でもないよ)
ネット通販の値段を計算し直す場面です。ここでは「要素を加算して考える」という意味で使われています。
A: The tour is a hundred dollars.
B: And they throw in breakfast too, so it’s a good deal.
(A:ツアーは100ドルなんだ)
(B:しかも朝食までついてくるから、お得だよ)
友人同士で旅行プランを検討する会話です。料金に含まれる「おまけ」を説明する、カジュアルで自然な言い方です。
あわせて覚えたい関連表現
add
(加える)
最も中立的で広く使える「追加」の動詞です。throw in はこの add に「ぽいと、おまけ的に、気軽に」というニュアンスが乗った表現だと考えると違いが見えてきます。
include
(含める)
「最初から含まれている」ことを表します。throw in が「本来は別だが、追加でつける」というおまけ感を持つのに対し、include は元から一体という点が異なります。
tack on
(あとから付け足す)
料金や条件などを「後付けで付加する」ややビジネス寄りの表現です。throw in が好意的なおまけに寄るのに対し、tack on は事務的に上乗せする響きがあります。
Note|買い物英語の「おまけ」——throw in が交渉で活きる場面
throw in は、実は海外での買い物でとても役に立つ表現です。ロスのシーンでは「要素を加える」意味でしたが、対面での売買では別の顔を見せます。
欧米のマーケットや個人商店では、値段の交渉が日常的に行われます。そこで店主が「これもつけとくよ」と言うときの決まり文句が、まさに I’ll throw in ~ です。たとえば古着屋でジャケットを買おうとしたとき、店主が “I’ll throw in this scarf for free.” と言えば、「このスカーフもタダでつけとくね」という意味になります。値引きの代わりに商品を足す、という交渉スタイルで頻繁に登場します。買い手側から “Can you throw in the batteries?”(電池もつけてくれる?)と聞くこともでき、交渉のやりとりを自然にする一言です。
このように throw in は、ロスのシーンのような「頭の中で要素を足す」使い方から、実際の店先での「おまけをつける」交渉まで、生活のさまざまな場面で顔を出します。一つのイメージが複数の場面に広がっていく、実用度の高い表現です。
旅行先の買い物で、ふと耳にする日が来るかもしれません。
まとめ|ロスの悶絶から学ぶ「足し算」の一言
throw in は、既にあるものの上に何かを「ぽいと放り込む」ように加える表現です。おまけをつける場面でも、要素を考慮に入れる場面でも、この「プラスして足す」感覚は共通しています。
この一言を知っていると、海外での買い物で店員の申し出を聞き取れたり、値段の話をするときに「送料も入れると」と自然に言えたりと、会話の幅が広がります。ロスのように頭がオーバーヒートする前に、まずは「足し算の throw in」として表現の引き出しに加えてみてください。


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