海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン1第12話では、生まれてくる赤ちゃんについてのある知らせを、ロスだけが「知りたくない」と言い張ります。一方で仲間のあいだでは、言いにくい話を友達に伝えるべきかという別の悩みも持ち上がります。
「知りたい?」と聞かれたときの断り方、知らずにはいられない気持ち、そして伝えた後の確かめ方まで、知る・知らないをめぐる英語を順に見ていきます。
「No, I don’t wanna know.」で知りたくないと伝える
キャロルとスーザンの部屋を訪ねたロスは、赤ちゃんの性別がもう分かっていると聞かされます。キャロルが尋ねます。
Carol: Do you wanna know?
(知りたい?)
Ross: No, no, no.
(いや、いや、いや。)
Ross: No, I don’t wanna know. Absolutely not.
(いや、知りたくない。絶対に嫌だ。)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
Do you wanna know? は Do you want to know? のくだけた発音を表した形で、相手に情報を明かす前に「聞きたい?」と意思を確かめる問いです。結果を伏せたまま相手に選ばせる、ていねいな切り出し方として使えます。
ロスの答えは、No を何度も重ねたうえで I don’t wanna know. とはっきり言い、さらに Absolutely not. で念を押す形です。Absolutely not. は「絶対にない」「とんでもない」という強い否定で、相手が言いかけるのを止めたいときにも使われます。
この後、スーザンも加わって話がその方向へ進むと、ロスは I don’t want to know. Don’t want to know. と繰り返して部屋を出ます。そして外からインターホン越しに、Never mind. I don’t wanna know. と言い直します。Never mind. は「やっぱりいい」「気にしないで」と、言いかけたことや頼みかけたことを取り下げる一言です。インターホンを鳴らしたものの、やはり知りたくないと取り消す流れが、この二語から読み取れます。
「I couldn’t not know.」で知らずにいられない気持ちを伝える
仲間が集まるカフェでは、レイチェルがロスにこう言います。
Rachel: I can’t believe you don’t wanna know. I mean, I couldn’t not know.
(知りたくないなんて信じられない。だって、私なら知らずにいるなんて無理よ。)
Rachel: I mean, if-if the doctor knows and Carol knows and Susan knows..
(だって、お医者さんも知ってて、キャロルも知ってて、スーザンも知ってるのに……。)
Monica: And Monica knows.
(それに、モニカも知ってる。)
Ross: How could you know? I don’t even know.
(なんでお前が知ってるんだよ? 俺だって知らないのに。)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
レイチェルの I couldn’t not know. は、not know(知らない)を couldn’t(できない)で打ち消す二重否定です。直訳すると「知らないでいることができない」で、「知らずにいるなんて耐えられない」という気持ちを表します。I can’t believe ~(〜なんて信じられない)で相手の選択に驚いた後に、自分ならどうかを対比させて述べる流れです。
続くモニカの一言は、自分のことを三人称で言い足す冗談めかした白状です。ロスの How could you know? I don’t even know. は「なんで知ってるんだ?」と、当事者の自分より先に周りが知っていることへの抗議です。even が「本人の俺でさえ」という強調を加えています。
モニカは、ラザニアのお礼の電話でキャロルに聞いたと説明し、その答えをジョーイに耳打ちします。ロスの Now, he knows and I don’t know. は、知らない人がまた一人減ったことを嘆く一言です。
「Should I not have told you?」で伝えてよかったかを確かめる
この回では、フィービーがレイチェルの交際相手パオロについて、言いにくい話を伝えるかどうかでも悩みます。仲間に You have to tell her. と言われたフィービーは、She is gonna hate me. と不安を口にしていました。実際に打ち明けた後、フィービーはこう尋ねます。
Phoebe: Should I not have told you?
(言わないほうがよかった?)
Rachel: No. No, trust me. It’s-it’s-it’s much better that I know.
(ううん。ううん、本当よ。知っておいたほうがずっといいの。)
Rachel: Uh, I just liked it better before it was better.
(ただ、よくなる前のほうが好きだっただけ。)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
Should I not have told you? は should have + 過去分詞(〜すべきだった)を否定の疑問文にした形で、「言うべきじゃなかった?」と自分の行動を振り返って確かめる問いです。
レイチェルの It’s much better that I know. は「知っておいたほうがずっといい」と、伝えてくれたことを受け止める返事です。続く I just liked it better before it was better. は、better を2回使い、知った今のほうが「よい」はずだと認めながら、知る前のほうが好きだったと返す言い回しです。
一方のロスは、最後にレイチェルの your little boy という一言から、知りたくなかった答えを知ってしまいます。
Rachel: No, no, in fact, you’re not having a boy.
(ううん、違う違う、それどころか、男の子じゃないわ。)
Ross: Oh, I’m having, I’m having a boy.
(ああ、俺、俺に男の子が生まれるんだ。)
Ross: Huh? Am I having a boy?
(え? 俺に男の子が生まれるのか?)
Friends Season1 Episode12(The One with the Dozen Lasagnas)
in fact は「それどころか」「実のところ」と、前の発言を強める副詞句です。打ち消そうとして言葉を重ねるほど、かえって答えを認める形になっている場面です。
まとめ|知る・知らないを選ぶ英語
Do you wanna know? で意思を確かめ、I don’t wanna know. で断り、I couldn’t not know. で知らずにいられない気持ちを示し、Should I not have told you? で伝えた後を確かめる流れを見てきました。情報をめぐる気づかいが、短い英語から分かります。
知りたくなかったロスと仲間たちの掛け合いを思い出しながら、この回を観直すのも楽しみ方のひとつです。
このエピソードのほかの場面の英語は、同じ回のコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


コメント