海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第14話には、お金の貸し借りの話がいくつも出てきます。ジョーイはチャンドラーにお金を返し、仕事を失ったモニカは、兄のロスや両親とお金の話をすることになります。
「貸す」「借りる」「返す」は、英語では主語と向きで語が変わるため、迷いやすいところです。誰が誰にお金を渡すのかに注目しながら、3組のやりとりから言い方を整理していきます。
「pay you back」と「I can lend you money」返す・貸すの言い方
チャンドラーとジョーイの部屋で、ジョーイはチャンドラーに封筒を渡します。中身を尋ねるチャンドラーに、ジョーイはこう答えます。
Chandler: What is this for?
(これ、何の金だよ?)
Joey: Well, I’m making money now and this is paying you back
(いや、俺も今は稼いでるからさ、これは返す分だよ)
Joey: For head shots, electric bills and so many slices of pizza, I can’t even count. I love you, man.
(宣材写真に、電気代に、数えきれないくらいのピザの分な。愛してるぜ、相棒。)
Friends Season2 Episode14(The One with the Prom Video)
pay ~ back は「(人)にお金を返す」という句動詞で、返す相手を pay と back の間に置きます。make money は「お金を稼ぐ」という意味です。What is this for? は「これは何のため?」と、渡された物の目的を尋ねるときに使えます。
一方、モニカは仕事の面接から戻り、モニカとレイチェルの部屋でロスたちと話しています。
Phoebe: So, do you have any other possibilities?
(それで、ほかに当てはあるの?)
Monica: Yeah, well, there is the possibility that I won’t make rent.
(ええ、まあ、家賃が払えなくなるっていう当てならあるわ。)
Ross: If you want, I can lend you money.
(よかったら、お金を貸せるけど。)
Monica: No, no, ‘cause if I couldn’t pay you back right away
(ううん、だってすぐに返せなかったら)
Monica: I’d feel guilty and tense every time I saw you.
(会うたびに後ろめたくて気まずくなっちゃう。)
Ross: Why not borrow it from Mom and Dad?
(母さんと父さんから借りればいいじゃないか。)
Ross: You feel guilty and tense around them already. You might as well make some money
(二人の前ではもともと後ろめたくて気まずいんだから。どうせならお金ももうけとけよ)
Chandler: You know, the man’s got a point.
(なあ、こいつの言うことには一理あるぞ。)
Friends Season2 Episode14(The One with the Prom Video)
lend は「貸す」、borrow は「借りる」で、lend は「lend + 人 + お金」、borrow は「borrow + お金 + from 人」の形をとります。make rent は「家賃を払えるだけのお金を用意する」という口語です。モニカは possibilities(当て)を受けて、there is the possibility that ~ と同じ語で切り返しています。
断る理由の if I couldn’t ~, I’d ~ は仮定の形で、「もし〜できなかったら〜してしまう」と気持ちを先回りして伝えています。ロスの You might as well ~ は「どうせなら〜したほうがいい」という意味で、ここでは冗談まじりに使われています。
「dip into her savings」家族に事情を打ち明けたあとで
両親がテレビを見ているモニカの部屋で、モニカはまだ両親に頼んでいないとロスに話します。ロスに促されて、モニカは仕事を失ったことを打ち明けます。母のジュディが「どうするの?」と尋ねると、父のジャック・ゲラーがなだめ、こう続けます。
Mr. Geller: So she dips into her savings. That’s what it’s there for. She’s going to be fine.
(それなら貯金に手をつければいい。そのためにあるんだから。この子は大丈夫だよ。)
Mr. Geller: And if you need a little extra you know where to find it.
(それに、もう少し必要なら、どこにあるか分かってるだろう。)
Monica: Anything larger back there?
(そこにもっと大きいのはないの?)
Friends Season2 Episode14(The One with the Prom Video)
dip into ~ は「(蓄え)に手をつける」という意味で、dip into one’s savings は「貯金を取り崩す」と言うときの形です。That’s what it’s there for. は「そのためにあるんだ」と、使ってかまわないと後押しする一言です。ここでの it は、直前の savings を指しています。
a little extra は「もう少し余分に」で、you know where to find it は「どこにあるか分かってるよね」と、頼ってきていいことを遠回しに伝える言い方です。ジャック・ゲラーはこう言いながら、モニカの耳の後ろから硬貨を取り出します。モニカの Anything larger back there? は、その硬貨を受けて「そこにもっと大きいのはない?」と返した冗談です。
ここで両親がお金を貸したという場面はなく、話は後の場面のロスへと移ります。
「You can pay me back whenever you like」返済を急がせない
後の場面で、ロスはキッチンで小切手を書き、モニカに渡します。
Ross: Okay, here you go. You can pay me back whenever you like.
(よし、はいこれ。返すのはいつでもいいから。)
Monica: You have dinosaur checks?
(恐竜の小切手なの?)
Ross: Yeah, you get your money and you learn a little something. What’s wrong with that?
(ああ、お金は手に入るし、ちょっとした勉強にもなる。何が悪いんだよ?)
Friends Season2 Episode14(The One with the Prom Video)
You can pay me back whenever you like. は「返すのはいつでもいい」と、返済を急がせない言い方です。whenever you like は「好きなときに」という意味で、whenever you want と言い換えることもできます。前半でモニカが気にしていた「すぐに返せなかったら」に、答える形になっています。Here you go. は物を手渡すときの「はい、どうぞ」です。What’s wrong with that? は「それの何が悪い?」と、からかわれそうな点を先に言い返すときの言い回しです。
モニカはこのあと、ロスをからかってから、きちんとお礼を言います。
Monica: Hey, you’re a cheapasaurus.
(ちょっと、あんたってケチザウルスね。)
Monica: I’m kidding. I’m kidding. Thank you. I’m very grateful.
(冗談、冗談。ありがとう。すごく感謝してる。)
Friends Season2 Episode14(The One with the Prom Video)
cheapasaurus は cheap(ケチな)と恐竜の名前の語尾を組み合わせた、この場での造語です。すぐに I’m kidding. と打ち消し、I’m very grateful. と感謝を伝えています。grateful は thank you よりも、恩を受けたことへの気持ちをはっきり表す形容詞です。
まとめ|貸し借りの向きを語で使い分ける
pay ~ back、lend、borrow の向きの違いに、make rent、dip into one’s savings、You can pay me back whenever you like を加えて見てきました。誰が誰に渡すのかを意識すると、語の選び方が整理しやすくなります。
モニカをめぐる家族と友達のやりとりを思い返しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の会話を別の切り口から取り上げています。


コメント