「I would rather pound my thumb with a hammer」に見る、気の進まなさを大げさな比較と皮肉で伝える英語|『ホワイトカラー』S03E08で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「I would rather pound my thumb with a hammer」に見る、気の進まなさを大げさな比較と皮肉で伝える英語|『ホワイトカラー』S03E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第8話から、気の進まない仕事をめぐる二つの場面を取り上げます。やりたくない気持ちをそのまま言わず、大げさな比較や皮肉に包んで伝える言い回しが、ジョーンズとニールの会話にそれぞれ出てきます。

皮肉で締めてから引き受ける返事と、would rather を使った誇張の比較を、登場する場面の順に一つずつ見ていきます。

目次

「Should be fun.」――状況を並べてから皮肉で締める

捜査の途中、ジミーを捜す手がかりとして、ジョーンズがイザベルとともにある会社のレセプションに出る段取りが持ち上がります。ジョーンズはイザベルとの過去を手短に説明したあと、この任務を次のようにまとめます。

Jones: Teaming up with my ex-fiancée to confront a dangerous man to find her missing husband — Should be fun.
(元婚約者と組んで、危険な男と対決して、彼女の行方不明の夫を捜す――楽しくなりそうだ。)
Jones: Peter, I’m in.
(ピーター、やります。)

White Collar Season3 Episode8 (As You Were)

前半は Teaming up with ~ という動名詞で始まり、to confront ~、to find ~ と目的を表す to 不定詞が連なって、任務の中身を一息に並べています。締めの Should be fun. は It should be fun. の主語を省いた形で、should は「〜のはずだ」という見込みを表します。

並べた状況の重さと fun という軽い語との落差が、この一言を皮肉として響かせています。英語では、明らかに楽しくない予定について Should be fun. や This’ll be fun. と言うことで、気の進まなさを冗談めかして伝えることがよくあります。

そのうえでジョーンズは I’m in. と、はっきり参加を表明します。皮肉で本音をこぼしつつ、仕事は引き受けるという切り替えが、この二文に収まっていると言えます。

「I would rather ~ than ~」――大げさな比較で「やりたくない」を伝える

終盤、ジョーンズに状況を尋ねられたピーターは、追っている相手が今夜動くかもしれないことと、ニールがまた張り込みかと文句を言っていることを伝えます。ニールはこう言い返します。

Neal: Oh, no, no. I’m not complaining. I’m stating a fact. I would rather pound my thumb with a hammer than do another stakeout.
(いやいや、文句じゃないよ。事実を言ってるだけさ。また張り込みをするくらいなら、金づちで親指を打つほうがましだね。)

White Collar Season3 Episode8 (As You Were)

would rather A than B は「B するくらいなら A するほうがいい」という形で、A と B には動詞の原形が入ります。ここでは A に「金づちで親指を打つ」という明らかに嫌なことを置き、それ以上に張り込みが嫌だと誇張しています。直前の I’m not complaining. I’m stating a fact. は、complain を打ち消して自分の発言を「事実の報告」と呼び直す返しです。

ジョーンズが張り込みを代わると申し出て、構わないのかと確かめられると、Not at all. と気兼ねを打ち消し、As a matter of fact(実を言うと)と切り出し、kind of miss it(ちょっと恋しいくらいだ)と本音を添えます。

ニールがポーカーの夜を逃してもいいのかと尋ねると、会話は次のように続きます。

Neal: You sure you want to miss poker night?
(ポーカーの夜を逃してもいいの?)
Jones: Yeah, I don’t mind. I kind of enjoy these all-nighters, whereas some choose to complain about it.
(ああ、構わないよ。この手の徹夜はけっこう好きなんだ。文句を言うほうを選ぶ人もいるけどね。)
Neal: You know how I get in the van. I get anxious. I sweat.
(バンの中で僕がどうなるか知ってるだろ。そわそわして、汗をかくんだ。)

White Collar Season3 Episode8 (As You Were)

whereas は「一方で」と対比を示す接続詞で、some は「〜する人もいる」と相手を名指しせずに指す語です。You know how I get の get は「〜の状態になる」を表し、自分の弱みを知っているだろうと相手に同意を求める弁解になっています。

まとめ|誇張と皮肉で伝える「気が進まない」

Should be fun. の皮肉、I’m in. の切り替え、would rather A than B の誇張、whereas some の当てこすりを見てきました。嫌だと直接言わずに、比較や皮肉で気持ちを伝える工夫が見えてきます。

『ホワイトカラー』のチームの軽口を観ながら、言い回しの温度にも注目してみましょう。

この回の別の場面の英語表現は、ほかのコラムやエピソードまとめでも紹介しています。

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