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『フレンズ』シーズン3第11話では、モニカとレイチェルの部屋に、天井から物音が響いてきます。音の主は上の階の住人で、モニカは何度か文句を言いに行ったものの、うまくいかなかったと打ち明けます。
集合住宅の物音は、言い出し方に迷う話題のひとつです。音の状況を説明する言い方、静かにしてほしいと頼む言い方、そして苦情の相手への印象を語る言い方を、場面の順に見ていきます。
「unbelievably loud upstairs neighbor」物音の状況を説明する
部屋では、ジョーイがカード手品を見せている最中です。そこへ天井をたたくような音が聞こえ、ロス、レイチェル、モニカが順に口を開きます。
Ross: Uh, somebody’s at the door on the ceiling.
(あれ、天井のドアに誰か来てるぞ。)
Rachel: No, that’s our unbelievably loud upstairs neighbor.
(違うの、信じられないくらいうるさい上の階の人よ。)
Monica: He took up the carpets and now you can hear everything.
(カーペットをはがしちゃったから、今は何でも聞こえるの。)
Friends Season3 Episode11(The One Where Chandler Can’t Remember Which Sister)
ロスの一言は、天井の音をドアのノックに見立てた冗談です。レイチェルは No で冗談を打ち消し、音の正体を説明します。upstairs neighbor は「上の階の住人」で、upstairs が neighbor の前に置かれて「上の階の」という説明の役を担います。前に unbelievably loud を重ねると、「信じられないくらいうるさい」と程度の強さが加わります。
モニカの took up the carpets の take up は、ここでは床に敷いたものを「はがす」「取り除く」という意味です。take up には「始める」「場所を取る」など別の意味もあるため、目的語を見て判断します。続く now you can hear everything の you は特定の誰かではなく、「この部屋にいれば誰でも」という一般の人を指します。原因と結果を and でつなぐことで、何が起きて、どう困っているのかが順に伝わります。
「ask him to just step lightly, please」と頼み方を選ぶ
話を聞いたフィービーが、上の階へ行くことを提案します。
Phoebe: Why don’t you go up there and ask him to just step lightly, please?
(上に行って、そっと歩いてくださいって頼んだら?)
Monica: I have, like, five times but the guy is so charming that I go up there to yell and then I end up apologizing to him.
(5回くらい行ったわよ。でもその人がすごく感じがいいから、怒鳴りに行ったのに、結局こっちが謝っちゃうの。)
Phoebe: Oh, that is silly. I’ll tell him to keep it down.
(もう、ばかみたい。私が静かにしてって言ってくる。)
Monica: Be my guest.
(どうぞ、ご自由に。)
Friends Season3 Episode11(The One Where Chandler Can’t Remember Which Sister)
ask him to ~ は「〜してくれるよう頼む」という言い方で、step lightly は「そっと歩く」です。just と please が加わることで、相手に求める内容が控えめに聞こえます。
これに対し、フィービー自身は I’ll tell him to keep it down. と言います。tell 人 to ~ は「〜するように言う」で、ask 人 to ~ と比べると、頼むというより伝えておく言い方とされます。keep it down は「(音や声を)抑える」という意味で、静かにしてほしいときに使われることの多い言い方です。
モニカの end up apologizing の end up -ing は「結局〜することになる」で、予定と違う結果になった流れを表します。so charming that ~ と組み合わさり、相手の感じのよさのせいで、怒鳴りに行ったはずが謝る側に回る、という順序が一文に収まります。最後の Be my guest. は、直訳すると「私のお客になって」で、「どうぞご自由に」と相手に任せる返事として使われます。このあとフィービーは部屋を出ます。
「He’s very charming」苦情の相手が知り合いになったら
同じ部屋で、チャンドラーが来たあとも、フィービーは上の階から戻りません。さらに場面がジョーイの誕生日パーティーに移ると、モニカがフィービーに問いかけます。
Monica: You’re going on a date with the noisy guy upstairs?
(上の階のうるさい人とデートするの?)
Phoebe: Well, he’s very charming.
(だって、すごく感じがいいんだもん。)
Monica: He’s too charming but if you two start going out it’ll make it harder for me to hate him.
(感じがよすぎるのよ。でも二人が付き合い始めたら、あの人を嫌いになりにくくなっちゃう。)
Phoebe: Well, you’re just going to have to try.
(じゃあ、がんばるしかないね。)
Friends Season3 Episode11(The One Where Chandler Can’t Remember Which Sister)
the noisy guy upstairs は、upstairs を後ろに置いて「上の階のうるさい人」と呼ぶ形です。前の場面の upstairs neighbor と並べると、upstairs が名詞の前にも後ろにも置けることが分かります。
charming は「人を惹きつける」「感じがいい」という意味で、フィービーはモニカの問いにこの語で答えます。モニカは too charming と返し、too を付けて「感じがよすぎる」と同じ語を苦情の側から言い換えます。make it harder for me to hate him は、make it + 形容詞 + for 人 to ~ で「人が〜するのを、より難しくする」という組み立てです。
フィービーの you’re just going to have to try は、be going to have to ~ で「〜するしかなくなる」という意味になります。何をがんばるのかは言っていませんが、直前のモニカの hate him を受けた返しになっています。
まとめ|物音の説明から頼み方まで
upstairs neighbor で音の主を示し、took up the carpets で原因を伝え、ask him to step lightly や tell him to keep it down で頼む流れを見てきました。ask と tell の違いを押さえると、頼みごとの強さを言葉で調整しやすくなります。
上の階の住人をめぐる会話からは、苦情を伝える英語の幅が見えてきます。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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