海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第9話では、感謝祭の日に6人が公園でフットボールの試合をします。モニカとロスがキャプテンになると、何回目の攻撃なのか、今のタッチダウンは有効なのかをめぐって、きょうだいの言い合いが何度も起こります。
遊びの試合でも、判定をめぐる言い合いは短い一言の応酬になることがあります。主張する側と言い返す側の英語を、3つの場面から順に見ていきます。
「It’s third down」と言われたとき、数の食い違いを言い返す
前半、モニカのチームの攻撃中に、モニカが仲間に声をかけます。
Monica: Come on, guys, let’s go. Second down.
(ほら、みんな、行くよ。セカンドダウン。)
Ross: Uh, hello, it’s third down.
(おいおい、サードダウンだろ。)
Monica: No, it’s not. It’s second.
(違う。セカンドよ。)
Friends Season3 Episode9(The One with the Football)
アメリカンフットボールでは、攻撃側の何回目のプレーかを first down、second down、third down と数えるとされます。ここでは、その回数をモニカは2回目、ロスは3回目と言っています。ロスの Uh, hello は、あいさつではなく「おいおい、何を言ってるんだ」と相手の言い分に待ったをかける使い方です。
モニカの No, it’s not. It’s second. は、相手の文をそのまま否定してから自分の数を言い直す形です。it’s not で短く打ち消し、続けて正しいと思う答えを置くと、言い返しがはっきりします。どちらの数が正しいのかは、作中では示されません。言い合いはこのあとも続きます。
Monica: It’s second down.
(セカンドダウンだってば。)
Ross: Okay, it’s second down. Take all the second downs you need.
(わかった、セカンドダウンね。セカンドダウンなんて、好きなだけ取ればいいさ。)
Monica: I heard that.
(聞こえてるから。)
Ross: I said it loud.
(大きい声で言ったからな。)
Friends Season3 Episode9(The One with the Football)
ロスは Okay, it’s second down. と一度は相手の言い分に合わせます。そのうえで Take all the ~ you need.(〜なんて好きなだけ取ればいい)と付け加え、譲ったように見せながら不満をのぞかせています。モニカの I heard that. は「今の、聞こえたよ」と、小声の皮肉や陰口に言い返すときの一言です。それに対するロスの I said it loud. は「大きい声で言ったんだから」という返しで、聞かせるつもりだったと開き直る形になっています。
「It doesn’t count」と「Does so count」有効か無効かで言い合う
前半の終わり、タイマーが鳴るのと同時にモニカがボールを投げ、受け取ったフィービーがタッチダウンを決めます。すぐにロスとモニカの言い合いが始まります。
Ross: Uh, hello. The buzzer buzzed. It doesn’t count.
(おいおい。ブザーが鳴っただろ。今のは無効だ。)
Monica: After the snap.
(スナップの後だった。)
Ross: Before the snap.
(スナップの前だ。)
Friends Season3 Episode9(The One with the Football)
It doesn’t count. は「それは数に入らない」「無効だ」という意味です。count には「数える」のほかに「数に入る」「有効である」という意味があり、試合の得点やゲームの順番などについて使われます。snap はプレーの始まりにボールを後ろへ渡す動きのことで、モニカとロスは、ブザーがそのスナップの前に鳴ったか後に鳴ったかで争っています。After the snap. / Before the snap. のように、主語も動詞も省いた短い言い返しの応酬になっている点に注目です。
Rachel: Does it really matter?
(それってほんとに大事なこと?)
Phoebe: But, okay. I made a touchdown. My first touchdown.
(でもさ、私、タッチダウンしたんだよ。私の最初のタッチダウン。)
Ross: Pheebs, that’s great. It doesn’t count.
(フィービー、すごいじゃないか。無効だけどな。)
Monica: Does so count.
(有効だってば。)
Friends Season3 Episode9(The One with the Football)
レイチェルの Does it really matter? は「それって本当に大事?」と、言い合いそのものに水を差す問いかけです。モニカの Does so count. は、ロスの doesn’t count を打ち消す言い方で、so が「いや、そうなんだ」と否定を強く押し返す働きをしています。くだけた言い合いで聞かれることの多い形です。
言い合いはこのあとも続き、モニカは「同点ということにしてハーフタイムにしよう」と提案します。そこで使われるのが call this tie score です。call ~ … は「〜を…と呼ぶ」から転じて「〜を…ということにする」という意味になり、ここでは判定を棚上げする提案になっています。
「Why can’t you accept it?」負けの言い分に言い返す
後半に入ると、スコアは42対21までひらきます。負けているロスは、その理由をチーム分けに求めます。
Ross: You picked first, so you got the better team.
(お前が先に選んだから、いいチームになったんだ。)
Monica: You’re so pathetic. Why can’t you accept it? We’re winning because I’m better than you.
(ほんと情けない。なんで認められないの?私たちが勝ってるのは、私のほうがうまいからでしょ。)
Friends Season3 Episode9(The One with the Football)
ロスの You picked first, so ~. は、so で「だから〜」と結果をつなぎ、負けている理由を相手の有利な条件に結びつける言い方です。点差そのものには触れず、選んだ順番を持ち出しています。
モニカの Why can’t you accept it? は「なんで受け入れられないの?」と、相手が結果を認めないことを問い返す形です。accept は「受け入れる」「認める」という意味で、it はここでは負けているという状況を指しています。続く We’re winning because ~. で、自分たちが勝っている理由を because で示し、ロスの言い分に正面から反論しています。
なお pathetic は「情けない」「みっともない」とかなり強く相手を責める語で、ここではきょうだいの言い合いの中で出てくる言葉です。言い返しの形として押さえるなら、Why can’t you accept it? と because ~ の組み立てのほうが、ほかの場面にも当てはめやすい部分です。
まとめ|判定でもめたときに言い張る・言い返す英語
It’s third down と No, it’s not で数の食い違いを、It doesn’t count と Does so count で有効か無効かの主張を、Why can’t you accept it? で負けの言い分への反論を見てきました。短い言い返しの形を知ると、言い合いの英語が追いやすくなります。
モニカとロスの言い合いを観ていると、言い張る側と言い返す側の英語が次々に見えてきます。
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