海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第16話の後半、居間ではロスとレイチェルの話し合いが続き、モニカの寝室にいたモニカ、フィービー、チャンドラー、ジョーイの4人は部屋から出られなくなります。
出るか残るかを相談する言い方と、閉じこもったまま交わす雑談の英語を、4人の会話から順に見ていきます。外の話し合いには立ち入らず、寝室の中のやりとりだけを取り上げます。
「Because they’ll know we’ve been listening」出るか残るかを相談する
外の話し合いが続くなか、ジョーイがドアを開けようとすると、モニカが止めます。
Joey: I don’t think we should listen to this anymore.
(もうこれ以上聞くのはやめたほうがいいと思う。)
Monica: What are you doing? We can’t go out.
(何してるの?出られないでしょ。)
Joey: Why not? I’m hungry.
(なんでだよ?腹減ったんだ。)
Monica: Because they’ll know we’ve been listening.
(だって、私たちが聞いてたってばれるじゃない。)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
ジョーイの I don’t think we should ~ は「〜しないほうがいいと思う」と提案する言い方です。英語では、否定を should の側ではなく think の側に置くことが多く、I think we shouldn’t ~ より角の立たない響きになります。
モニカの最後の一言には we’ve been listening という現在完了進行形が使われています。have been ~ing は「(今まで)ずっと〜していた」を表す形で、ここでは「ずっと聞いていた」ことが相手に知られてしまう、という意味です。they’ll know は「分かってしまう」「ばれる」と訳せます。Why not? に対して Because ~ で理由を返す形も、会話でそのまま使える組み立てです。
モニカの We can’t go out. の can’t は、能力として「できない」のではなく、事情があって「出るわけにはいかない」という意味です。止められたジョーイが Why not?(なんで?)と聞き返し、モニカが Because ~ で理由を示す、という順番で会話が進んでいます。
少しすると、チャンドラーも出ても大丈夫だと言い出します。
Chandler: We can go out. They have other things to worry about.
(出ても大丈夫だ。あいつらはほかに気にすることがあるからな。)
Joey: We’ll be fine.
(平気だって。)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
have other things to worry about は「ほかに気にかけることがある」で、だから自分たちのことは気にされない、という理由の述べ方です。We’ll be fine. は「大丈夫だよ」と相手を安心させる短い返事です。ところがその少しあと、チャンドラーは正反対のことを言い出します。
Chandler: Wax the door shut. We’re never leaving.
(ドアをワックスで封じろ。俺たちはもう出ない。)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
動詞+目的語+shut は「〜を閉じた状態にする」という形で、shut the door だけでなく、どうやって閉じるかを動詞で表せます。部屋にあったワックスを使った冗談で、We’re never leaving. と大げさに言い切る一言が続きます。
「You think I need a new walk?」閉じこもったまま交わす雑談
出られないまま時間がたつと、会話は外のこととは関係のない方向にも進みます。ジョーイがチャンドラーに相談を持ちかけます。
Joey: You think I need a new walk?
(俺、新しい歩き方が必要だと思う?)
Joey: Well, I’ve been walking the same way since high school.
(いや、高校の頃からずっと同じ歩き方なんだよ。)
Joey: You know how some guys walk into a room and everybody takes notice?
(ほら、部屋に入っただけでみんなが注目する男っているだろ?)
Joey: I think I need a take-notice walk.
(俺にも注目される歩き方が必要だと思うんだ。)
Chandler: Are you actually saying these words?
(お前、本気でそんなこと口にしてるのか?)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
You think ~? は Do you think ~? の do を省いたくだけた聞き方です。take notice は「注目する」「気づく」という意味で、ジョーイはこれをハイフンでつないで take-notice walk(注目される歩き方)と、名詞の前に置く形容詞のように使っています。句をまとめて名詞の前に置く作り方は、口語で即席の言葉を作るときにも見られます。
ジョーイの2文目の I’ve been walking the same way since high school. にも、前の節で見た have been ~ing の形が出てきます。since high school(高校の頃から)と起点を添えることで、「それ以来ずっと同じ歩き方を続けている」という意味になります。
チャンドラーの Are you actually saying these words? は「本当にそんな言葉を口にしているのか」と、相手の発言そのものにあきれてみせる皮肉です。この new walk の話は、4人が最後に部屋を出る場面でもう一度出てきます。
さらに時間がたったところで、モニカがこう言います。
Monica: Hey.
(ねえ。)
Monica: It’s 3:00 a.m. They don’t know that I’ve come home yet.
(午前3時よ。あの二人、私が帰ってきたことをまだ知らないのよ。)
Monica: You notice how they aren’t wondering where I am?
(私がどこにいるのか二人とも気にしてないの、気づいた?)
Phoebe: You know, people can be so self-involved.
(ほんと、人って自分のことで頭がいっぱいになるものね。)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
自分の寝室にいるのに「帰ってきたことに気づかれていない」と言うモニカの言葉は冗談です。You notice how ~? は「〜なのに気づいた?」と相手の同意を誘う聞き方です。フィービーの self-involved は「自分のことにばかり気を取られた」という意味で、people can be so ~ は「人ってこんなに〜になりうる」と、その場にいない二人のことを一般論の形にして言う言い方です。
まとめ|出るに出られないときの英語
I don’t think we should ~ と Because they’ll know ~ で出るか残るかを話し、We’ll be fine. で安心させ、take-notice walk や self-involved で雑談をつなぐ流れを見てきました。気まずい状況でも、相談と冗談の英語があれば会話を続けられます。
閉じこもった4人のやりとりを観ていると、どんな場面でも会話を止めない英語が見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事も、この回の英語を別の角度から扱っています。


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