海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第16話には、モニカがテレビ通販で買った脱毛用のワックスを、フィービーと二人で試す場面があります。宣伝の言葉と、実際に使ってみた感想が食い違うところから会話が進みます。
形は似ていても意味が正反対になる pain-free と painful を入り口に、試した感想の伝え方と、相手に「試してみたら」とすすめる言い方を見ていきます。
「Was it not “pain-free”?」と聞かれて「pain-ful」と返す
モニカの寝室で、モニカとフィービーは脚にワックスを塗っています。フィービーが使い方の説明を読み上げ、モニカが1枚目の布を剥がしたあとのやりとりです。
Phoebe: Was it not “pain-free”?
(「痛くない」んじゃなかったの?)
Monica: No, it was pain-ful!
(ううん、痛かったわよ!)
Monica: My God, they should call it “Pain-zine, now with a little wax.”
(もう、名前は「イタジーン、ワックスも少し入り」にすべきよ。)
Phoebe: The girls on the commercial don’t seem to think it’s that bad.
(コマーシャルの女の子たちは、そんなにひどいとは思ってないみたいだけど。)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
pain-free の -free は「〜がない」という意味で、名詞の後ろに付けて形容詞を作ります。sugar-free(砂糖不使用)、stress-free(ストレスのない)、hands-free(手を使わない)などと同じ形です。一方の painful の -ful は「〜に満ちた」を表し、careful や helpful と同じ組み立てです。どちらも pain を土台にしながら、付く部分によって意味が反対に変わります。
| 語 | 意味 | 同じ形の例 |
|---|---|---|
| pain-free | 痛みのない | sugar-free / stress-free |
| painless | 痛みのない | careless / homeless |
| painful | 痛い・つらい | careful / helpful |
フィービーの Was it not ~? は否定の形の疑問文で、「〜じゃなかったの?」と、聞いていた話と違ったのかを確かめる聞き方です。モニカは pain-free の free だけを ful に入れ替えて pain-ful と答えています。相手の言葉の形をそのまま使って言い返しているので、食い違いがはっきり伝わります。
表にある painless も「痛みのない」という意味で、-less は「〜がない」を表す接尾辞です。pain-free と painless はどちらも「痛くない」と訳せますが、-free は商品の説明や宣伝の文句で見かけることの多い形と言われます。作中でも、pain-free は商品の説明の中の言葉として出てきて、モニカの感想は painful で返されています。
続く they should call it ~ は「〜という名前にすべきだ」という言い方で、ここでは商品名の一部を pain に替えて文句をつけています。フィービーの don’t seem to think it’s that bad は「それほどひどいとは思っていないようだ」の意味で、この that は「それほど」と程度を表す副詞です。
「It’s just a little wax」と軽く見る相手に、試してもらう
フィービーの言葉を受けて、モニカはこう続けます。
Monica: But, you know, if you don’t believe me, please be my guest.
(でもね、信じないなら、どうぞご自由に。)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
Be my guest. は直訳すると「私のお客さんになって」で、「どうぞ遠慮なく」「お好きにどうぞ」と相手に何かをすすめる言い方です。ここでは if you don’t believe me(私の言うことを信じないなら)と組み合わさっているので、「そう思うなら自分でやってみて」という挑むような響きを帯びています。このあと、フィービーも布を剥がします。
Be my guest. は、ほかの状況でも使われることの多い一言です。たとえば「これ使ってもいい?」と許可を求められたときに Be my guest. と返すと、「どうぞどうぞ」と気持ちよく応じる返事です。同じ一言でも、許可を求められたときは快い返事に、疑う相手に向けるとモニカのように挑む響きになります。前後に何が言われているかで受け取り方が変わる表現です。
場面がモニカの寝室に戻ると、二人は残りの布を剥がしていて、その声を聞いたチャンドラーとジョーイが部屋に入ってきます。痛みの話を聞いたジョーイは、こう言います。
Joey: I mean, come on, it’s just a little wax.
(だってさ、ちょっとワックスを塗るだけだろ。)
Chandler: Oh, that’s mature.
(おお、大人だねえ。)
Friends Season3 Episode16(The One with the Morning After)
It’s just a little ~. は「ほんの少しの〜にすぎない」と、物事を小さく見積もる言い方です。come on は「おいおい」「いいじゃないか」と相手に呼びかける口語で、ここではジョーイの言葉の前置きとして置かれています。
ジョーイの言葉のあと、フィービーはジョーイの腕にワックスと布を付けます。チャンドラーの Oh, that’s mature. は「大人だね」と言いながら、実際には反対の意味を込めた皮肉です。誰に向けた一言なのかは、作中でははっきりしません。そのあとジョーイは自分で布を剥がし、モニカとフィービーと同じことを試す流れです。
相手が軽く見る言葉を口にし、そのあと実際に試すことになる点は、二つの場面で共通しています。
まとめ|試した感想とすすめる英語
pain-free と painful の違い、聞いていた話と違ったときの Was it not ~?、程度を表す that bad、相手にすすめる Be my guest. を見てきました。接尾辞の働きが分かると、商品の説明や感想の英語も読み取りやすくなります。
『フレンズ』のこうした日常の場面を観ながら、使える英語を少しずつ増やしていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語を扱っています。


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