海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第3話では、モニカが作り始めたジャムに、ジョーイが何度も手を伸ばします。モニカからジャムを受け取り、それを使った食べ方を仲間に見せる場面まで、ジャムをめぐる短いやりとりが何度も出てきます。
物を手渡すときと、見せたいときとでは、最初にかける一言が変わります。その違いを中心に、好物をめぐる英語を3つの場面から見ていきます。
「I love jam.」好物を見つけて飛びつく
モニカとレイチェルの部屋に、ジョーイとチャンドラーが入ってきます。モニカが何かを作っているのを見て、ジョーイが尋ねます。
Joey: What is this? Fruit?
(これ何? 果物?)
Rachel: Monica’s making jam.
(モニカがジャムを作ってるの。)
Joey: Whoa. Jam? I love jam. How come we never have jam at our place?
(うわっ、ジャム? 俺、ジャム大好きなんだ。なんで俺たちの部屋にはジャムがないんだ?)
Chandler: Because the kids need new shoes.
(子どもたちに新しい靴が要るからだよ。)
Friends Season3 Episode3(The One with the Jam)
What is this? は目の前の物について「これは何?」と聞く基本の問いかけです。ジョーイは続けて Fruit? と、思いついた答えを一語だけで確かめます。
I love ~. は、好きな物をはっきり言うときの言い方です。like よりも気持ちの強さが出るので、大好物を前にしたときの一言として自然に響きます。
How come ~? は Why と同じく理由を聞く言い方ですが、後ろが we never have のように普通の語順になる点が Why との違いです。at our place は「俺たちの家で」という意味で、place は「住まい」を指す使い方です。
チャンドラーの Because the kids need new shoes. は、ジャムを買う余裕のない家庭のふりをして返す冗談と読み取れます。理由を聞かれて Because ~. と答える形はそのままに、中身で笑いを取る返し方です。
「This is for you」で手渡し、「Take your time」と頼む
場面はカフェのセントラルパークに移り、入ってきたモニカがジョーイにジャムの瓶を渡します。
Monica: Joey. This is for you. It’s blackberry-currant.
(ジョーイ。これ、あなたに。ブラックベリーとカラントよ。)
Friends Season3 Episode3(The One with the Jam)
This is for you. は、物を相手に差し出すときの定番に近い一言です。主役は「あなたのための物だ」という点で、相手に受け取ってもらうことが目的です。続く It’s ~. で中身を説明すると、渡す物が何かがすぐに伝わります。
モニカのように、先に相手の名前を呼んでから差し出すと、誰に向けた物かがはっきりします。blackberry-currant は、ブラックベリーとカラントという二つの果物の名前をハイフンでつないだ形で、組み合わせた味であることを短く表せます。ジャムやジュースの味を言うときに、この並べ方が使えます。
あいだに別の話を挟んで、モニカはジョーイにこう伝えます。
Monica: Joey, take your time with that. That’s my last batch.
(ジョーイ、それ、ゆっくり食べてね。最後の分なんだから。)
Joey: No more jam?
(もうジャムないの?)
Friends Season3 Episode3(The One with the Jam)
take your time は「急がなくていい」「ゆっくりでいい」という意味で、with that を付けると「それはゆっくり味わって」と対象をはっきりさせられます。batch は「一度に作る分量」を指す名詞で、last batch は「最後に作った分」です。
ジョーイの No more jam? は、No more ~? で「もう〜はないの?」と聞き返す形です。名詞を入れ替えるだけで、さまざまな物に使えます。最後の分だと聞いたジョーイが、すぐにこう聞き返す流れです。
「Check it out」で見せ、勧めは冗談でかわす
場面がモニカとレイチェルの部屋に移ると、ジョーイは瓶からじかにジャムを食べています。ジョーイがジャムを勧めると、チャンドラーはこう返します。
Chandler: I just had a jar of mustard.
(マスタードを一瓶食べたばかりなんだ。)
Friends Season3 Episode3(The One with the Jam)
瓶ごと食べているジョーイに合わせて、自分も瓶ごと別の物を食べたと言い返す冗談です。I just had ~. は「ちょうど〜を食べたところ」という意味で、勧められた物を断るときの理由として使われることの多い形です。
同じ場面で、モニカたちが別の話をしている最中に、ジョーイが声を上げます。
Joey: Check it out– jam crackers.
(見てくれよ、ジャムクラッカー。)
Friends Season3 Episode3(The One with the Jam)
Check it out. は「見て」「ほら」と、自分が見つけた物や作った物に注目を集める一言です。This is for you と並べると、違いは次のとおりです。
| 表現 | 主な働き | この回の場面 |
|---|---|---|
| This is for you. | 相手に物を手渡す | モニカがジョーイにジャムを渡す |
| Check it out. | 見てほしい物に注目を集める | ジョーイがジャムクラッカーを見せる |
This is for you は相手に受け取ってもらうことが目的で、Check it out は物を見てもらうことが目的です。渡すつもりがないときに This is for you を使うと、もらえるものと受け取られかねません。見せるだけなら Check it out のほうが意図に合います。
まとめ|渡す・見せる・かわす食べ物の英語
This is for you で手渡し、Check it out で見せる違いを中心に、I love ~、How come ~?、take your time with that、No more ~?、I just had ~ を見てきました。渡すのか見せるのかを決めてから最初の一言を選ぶと、意図が伝わりやすくなります。
ジャムをめぐる仲間のやりとりを観ながら、短い一言の使い分けを確かめると、場面と一緒に記憶に残ります。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を扱っています。


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