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『メンタリスト』シーズン3第5話には、手品や謎めいた手際を前にして「どうやったの?」と尋ねる場面と、答えをあえて明かさない場面が出てきます。同じ話の中で、尋ねる側とかわす側の言い方が並んでいる点が特徴です。
驚いて方法を尋ねる言い方から、考えさせる返し、言わない理由を添えて断る言い方までを、3つの場面で順に見ていきます。会話の中での使われ方も、あわせて確認します。
「How did you do that?」驚いて方法を尋ねる言い方
この話は、夜勤の最中にカード手品を教えてほしいと頼む場面から始まります。その後、遺体の所持品が話題になる場面でも、次の声が上がります。
— That’s my card. How did you do that? Huh? What?
(それ、自分のカードじゃないか。どうやったの?え?何?)
The Mentalist Season3 Episode5 (The Red Ponies)
How did you do that? は、目の前で起きた結果に驚いて、その方法を尋ねる聞き方です。did you do that の that は、いま見たばかりの出来事を指しています。How に do を組み合わせると、結果そのものではなく「やり方」に注目した質問になります。理由を問う Why の質問とは違い、種や仕組みを知りたいときの形です。短く言うときは How’d you do that? のように did を縮めた形で耳にすることもあります。
驚きの度合いが高いときは、疑問文の前に That’s my card. のように、見たものを先に口に出す形も取れます。見たことを述べてから方法を尋ねる順序は、驚きを自然に伝える組み立てです。
後ろの Huh? What? は、意味のある文というより、状況をのみ込めない戸惑いの声として読み取れます。直後に続くのは種明かしではなく、手品かと問い返し、人が亡くなっていることを持ち出す言葉で、問いへの答えは返らないまま場面が進みます。尋ねた側の驚きだけが、この場面に残ります。
「Think about it.」理由を聞かれて考えさせる返し
次の場面では、直前に、賭けに勝ったという話が出ています。その勝ち方をめぐって、こんなやり取りが交わされます。
— How’d you do it? Analyze the form?
(どうやったの?成績を分析したとか?)
— Ah, I just picked the coolest names.
(ああ、いちばんかっこいい名前を選んだだけだよ。)
— Come on. Tell me how you won.
(ねえ、教えてよ。どうやって勝ったの?)
— Think about it.
(考えてみて。)
— I hate it when you say that.
(そう言われるの、嫌なんだよね。)
The Mentalist Season3 Episode5 (The Red Ponies)
最初の How’d you do it? は How did you do it? の短縮形です。続く Analyze the form? の form は、競馬の文脈では、馬の過去の成績や調子を指す言葉として使われると説明されます。相手の答えを待たずに、理由を自分から推測して差し出す聞き方です。
これに対する I just picked the coolest names. は、冗談めかした答え、またははぐらかしとして読めます。just が入ることで、「大したことはしていない」という響きが出ます。さらに尋ねられると、Think about it. と、答えを渡さずに相手に考えさせる返しになります。
そのひと言に I hate it when you say that. と返しています。I hate it when ~ は「〜されると嫌だ」という、気持ちを率直に言う形です。ここでは、考えさせる返し方そのものへの不満を伝えています。この場面では、方法は最後まで明かされません。尋ねる側が Come on. と重ねて催促しても、返ってくるのは考えるようにという促しだけです。
「It’s a rhetorical question.」言わないと伝える言い方
三つめは、聞き取りを終えたあとの会話です。ある人物が何かを怖がっているように見えたと触れたところから、答えを言う・言わないのやり取りが始まります。
— Ah, there’s the rub. Of what is she so scared?
(ああ、そこが問題だ。彼女は何をそんなに怖がっているのか。)
— And the answer is…
(その答えは……)
— Well, it’s a rhetorical question. I have no idea.
(まあ、これは答えを求めない問いかけだよ。さっぱり分からない。)
— Well, I do have an idea, but I’m not gonna tell you, because that would be premature.
(いや、考えがないわけじゃないが、教えるつもりはない。時期尚早だからね。)
— And I am not going to amuse you by demanding to know, so there.
(聞き出そうとして楽しませてあげたりしないから。)
— So we’re both happy then.
(じゃあ、お互い満足だね。)
The Mentalist Season3 Episode5 (The Red Ponies)
a rhetorical question は、答えを求めずに投げかける問いのことです。続けて I have no idea. と言いながら、すぐあとで I do have an idea と言い直しています。見解を持っていることを認めたうえで、I’m not gonna tell you と断る流れです。
premature は「時期が早すぎる」という意味で、言わない理由を丁寧に添える言葉になっています。それを受けて、amuse you by demanding to know と返す側は、聞き出そうとして相手を喜ばせたりはしない、と応じます。末尾の so there は、話を打ち切るときの言い方として知られています。最後の So we’re both happy then. は、お互いに引き下がった結果を、軽く確かめる一言です。言わない側と聞かない側が、それぞれの立場を言葉にして整理しているところに、この会話の特徴があります。
まとめ|尋ねる言い方と、答えをかわす返し
How did you do that? で方法を尋ね、Think about it. で考えさせ、I’m not gonna tell you で言わないと伝える。3つの場面に、尋ねる側とかわす側の言い方が並んでいました。
『メンタリスト』を観ながら、尋ねられた人がどう返すのかに注目すると、会話の呼吸が見えてきます。
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