海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン7エピソード10から、本意ではない気持ちを伝える大人の表現「take no pleasure in」を紹介します。
「言いたくないけど、言わなければならない」——そんな場面、英語でどう切り出せばいいか迷ったことはありませんか?
このフレーズを知っておくと、難しい状況でも相手への配慮を自然に示すことができます。
実際にそのシーンを見てみよう!
ブースの息子パーカーの様子がおかしいことについて話し合う二人。
ブレナンが家に戻り、パーカーの部屋でいくつかの事実を発見してしまいます。
愛する夫に傷つく知らせを告げなければならない、緊張感のあるシーンです。
Booth: I’ll take care of it.
(俺が対処するよ。)Brennan: I was just at home, and I found some evidence in his room.
(さっき家に戻ったら、彼の部屋で証拠を見つけたの。)Booth: Evidence? Okay, Parker is my son. He’s not a suspect.
(証拠?いいか、パーカーは俺の息子だぞ。容疑者じゃない。)Brennan: I take no pleasure in this, Booth. The radio car the two of you built is destroyed. He stole one of my lab coats and pictures, the one you like so much of Christine and me.
(私だってこんなことしたくないわ、ブース。二人が作ったラジコンカーが壊されていたのよ。それに私のラボコートと、あなたが好きなクリスティンと私の写真も盗まれていた。)BONES Season7 Episode10(The Warrior in the Wuss)
シーン解説と心理考察
パーカーの部屋で発見したのは、ブースと一緒に作ったラジコンカーが壊されていたこと、そして自分のラボコートとクリスティンとの写真まで盗まれていたという事実でした。
父親であるブースは「息子は容疑者じゃない」と動揺して反発しますが、ブレナンは「I take no pleasure in this」と前置きをしてから真実を告げます。
普段は感情より事実を優先するブレナンが、わざわざこの言葉を選ぶのは、夫を傷つけたいのではなく、家族全員のことを考えているからこそです。
事実を突きつけることへの迷いと、それでも伝えなければならないという誠実さが凝縮されたセリフで、ブレナンの成長を感じる場面でもあります。
「take no pleasure in」の意味とニュアンス
take no pleasure in
意味:〜を少しも喜んでいない、〜するのは気が進まない、本意ではない
直訳すると「〜の中に喜び(pleasure)を全く持たない(take no)」となります。
「喜んでやっているわけではない」「本意ではないが伝えなければならない」という自分のスタンスを明確にするための表現です。
【ここがポイント!】
ネガティブな事実や、相手にとって耳の痛い話を伝えなければならない時に、「悪気があって言うわけではない」というニュアンスを添えるための大人の言い方です。
「I’m sorry to say this, but…(言いにくいのですが…)」よりも少しフォーマルで真剣な響きがあります。
この表現を前置きとして使うことで、「あなたを傷つけたいのではなく、事実として伝えなければならない」という誠実な姿勢を相手に示すことができます。
実際に使ってみよう!
I take no pleasure in telling you this, but your proposal was rejected.
(こんなことをお伝えするのは本意ではありませんが、あなたの提案は却下されました。)
ビジネスシーンで悪い知らせを伝える際の丁寧な前置きとして活躍します。相手へのリスペクトを保ちながら事実を伝えることができます。
I take no pleasure in bringing this up, but we need to discuss the budget.
(この話を持ち出すのは気が進まないのですが、予算について話し合う必要があります。)
会議などで、誰もが避けたがっている厳しい議題をあえて切り出す時に便利なフレーズです。
She takes no pleasure in pointing out others’ mistakes.
(彼女は他人の間違いを指摘することに何の喜びも感じていない。)
自分自身の気持ちだけでなく、第三者の意図を説明する際にも使えます。相手が意地悪で言っているわけではないことを伝える表現です。
『BONES』流・覚え方のコツ
愛する夫ブースに、息子の問題行動という事実を突きつけなければならないブレナンの表情を思い浮かべてみてください。
彼女が見つけた事実は、二人で作ったラジコンカーが壊され、家族の写真まで消えていたというもの。
普段は感情を抑えて事実を淡々と述べる彼女が、わざわざ「こんなことに何の喜びも感じていない」と前置きするほど心が痛む場面です。
相手のショックをやわらげようとする「誠実なクッション言葉」として、このシーンと一緒に記憶しておきましょう。
似た表現・関連表現
take pleasure in
(〜を楽しむ、〜を喜ぶ)
今回のフレーズの肯定形です。「〜することに喜びを見出す」という意味で、「He takes pleasure in helping others.(彼は人を助けることに喜びを感じている)」のように使われます。
find no joy in
(〜に喜びを見出せない、〜が楽しくない)
「take no pleasure in」とほぼ同じ意味です。pleasure(快楽・喜び)をjoy(喜び・嬉しさ)に置き換えた表現で、やや詩的で感情的な響きを持ちます。
hate to break it to you
(言いにくいんだけど、残念なお知らせがあるんだけど)
「take no pleasure in」をカジュアルにした日常会話の定番フレーズです。「break the news(悪い知らせを伝える)」が語源で、友人同士で残念な事実を切り出す時によく使われます。
知っておきたい知識:前置詞「in」の空間的なイメージ
「take no pleasure in」において、なぜ「in」が使われているのでしょうか。
英語の「in」は、物理的な「〜の中に」というだけでなく、特定の状況や活動という「空間的な枠組み」を表すコアイメージを持っています。
「take pleasure in〜」は、「〜という行為の空間(in)に入り込み、そこから喜びを取り出す(take)」という立体的な感覚で成り立っています。
「believe in(〜の存在・価値を信じる)」「succeed in(〜において成功する)」なども同じ「in」の使い方で、活動や概念を枠として捉えています。
フレーズを丸ごと覚えるだけでなく、前置詞のイメージを意識することで、英語の感覚が少しずつ自分のものになっていきます。
まとめ|相手を思いやる大人のクッション言葉
今回は『BONES』から、耳の痛い話を伝える際の配慮の表現「take no pleasure in」を紹介しました。
ただ事実を突きつけるのではなく、このフレーズで一呼吸置くことで、相手への思いやりと誠実さを示すことができます。
英語は情報を伝えるだけでなく、感情を丁寧に扱うためのツールでもあります。
こうした言葉の選び方を少しずつ取り入れていくと、英語でのコミュニケーションがさらに温かいものになっていきます。


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