海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン10エピソード21から、日常会話でもよく登場する「make a big deal about」の意味と自然な使い方をご紹介します。
「大げさにしないで」「そんなに騒がなくていいよ」——そんな気持ちを英語でスマートに伝えたいとき、このフレーズがきっと役に立ちます。
実際にそのシーンを見てみよう!
ギャンブル依存症の回復プログラムに取り組むブースが、支援者のギャビンと話しているシーンです。
禁欲生活30日目という節目を「chip(記念メダル)」で祝おうとするギャビンに対し、ブースが遠慮がちに答えます。
そのやり取りが印象的です。
Gavin: Yeah. Know what, you did the work. I’m having your 30-day chip engraved as we speak.
(あなたが努力した成果だよ。今、30日記念のメダルを刻印に出してるところさ。)Booth: No, no, no. I don’t want to make a big deal about this.
(いやいやいや。こんなことを大げさにしたくないんだ。)Gavin: That’s too bad. I’m ordering a cake. I’m writing a speech.
(残念だな。ケーキを注文するよ。スピーチも書こうかな。)Booth: S– No.
(え、いいよ。)BONES Season10 Episode21(The Life in the Light)
シーン解説と心理考察
依存症の回復プログラムにおいて「30日間ギャンブルを断った」ことは、実際には非常に大きな節目です。
しかしブースは、過去の過ちで家族を深く傷つけてしまったことへの強い罪悪感から、自分がお祝いされる資格などないと感じており、この達成をなるべく目立たせないようにしています。
実はこの後、ブレナンが回復プログラムの会場に姿を現し「なぜ私を招待しなかったの?」と問いかけます。
「It is a big deal, Booth. You’ve worked really hard for this.」というブレナンの言葉は、今回のフレーズ(make a big deal about)を逆から使ったような形で、「これは大げさじゃない、本当に大切なことよ」という彼女の心の叫びが込められています。
「大げさにしたくない」と身を縮めるブースと、「一緒に喜ばせてほしい」と歩み寄るブレナン——二人のすれ違いと愛情が、このフレーズの周りに静かに漂っています。
「make a big deal about」の意味とニュアンス
make a big deal about
意味:大げさに騒ぐ、大問題にする、特別視する
「big deal」は直訳すると「大きな取引」ですが、日常会話では「重大なこと」「大事件」という意味で頻繁に使われます。
そこに「make a 〜 about(〜についてそういう状況を作る)」を組み合わせることで、ある物事に対して「大げさに騒ぎ立てる」「過剰に反応する」というニュアンスになります。
今回のブースのように否定形で「don’t make a big deal about it(大げさにしないで)」と使われることが多く、相手の過剰な心配を和らげたり、自分の手柄を謙遜したりする際に非常に便利なフレーズです。
【ここがポイント!】
肯定・否定どちらでも使えますが、否定形「don’t make a big deal about it」が日常会話では圧倒的に多く、「そこまで騒がなくていい」と場を落ち着かせる一言として機能します。
逆にブレナンのように肯定形(「It IS a big deal」)で返すことで、相手の謙遜を真っ向から否定する力強い表現にもなります。
この「大げさ vs 大げさじゃない」の押し問答は、英語の日常会話でも非常によく見られるパターンです。
実際に使ってみよう!
I just got a small promotion, so please don’t make a big deal about it.
(ちょっと昇進しただけだから、どうか大げさに騒がないでね。)
自分の成功や嬉しい出来事を、周囲に過剰に祝われたくないときや謙遜するときに使う定番の表現です。「small」と組み合わせることで謙遜のニュアンスがより自然に出ます。
He always makes a big deal about every little mistake I make.
(彼はいつも、私のちょっとしたミスを大げさに騒ぎ立てるの。)
他人の過剰な反応に少しウンザリしている気持ちを表す文章です。「every little mistake(どんな小さなミスも)」と合わせることで、感情の動きがより伝わりやすくなります。
It’s just a scratch. Let’s not make a big deal about it and keep going.
(ただの擦り傷だよ。大問題にしないで、このまま進もう。)
スポーツや仕事中のちょっとしたアクシデントの場面で、周囲を落ち着かせるための声かけとして役立ちます。冷静さをアピールし、状況を前向きに乗り切るためのスマートな一言です。
『BONES』流・覚え方のコツ
「No, no, no」と手を振り、身を縮めるように祝いを断るブースの姿を思い浮かべてみてください。
数々の凶悪事件を解決してきたタフな彼が、自分個人の節目に対してはスポットライトを徹底的に避けようとする。
このギャップと共に「I don’t want to make a big deal about this」というセリフ全体を映像として記憶に焼き付けることで、「謙遜」や「過剰反応への抵抗」というフレーズのニュアンスが、いざというときに自然と口から出てくるようになります。
似た表現・関連表現
make a fuss
(大騒ぎする、文句を言う)
「make a big deal about」と非常に似ていますが、こちらはより感情的になって騒ぎ立てたり、小さなことにクレームをつけたりするようなニュアンスが少し強くなります。
overreact
(過剰に反応する)
事実に対して必要以上に感情を爆発させたり、深刻に捉えすぎたりする状況をシンプルに表す動詞です。「You’re overreacting.(気にしすぎだよ)」のように、相手をたしなめるときによく使われます。
blow things out of proportion
(物事を大げさに言う、針小棒大に言う)
事実の割合や規模(proportion)を吹き飛ばす(blow)という直訳の通り、小さな問題をまるで大事件のように誇張して騒ぎ立てることを指す表現です。
深掘り知識:英語特有のユニークなことわざ「モグラの塚を山にする」
「大げさに騒ぐ」というテーマに関連して、英語ならではの面白くて視覚的な比喩表現(イディオム)をご紹介します。
英語には「make a mountain out of a molehill」ということわざがあります。
「molehill」とは、モグラが土を掘り返して作った小さな土の盛り上がりのこと。
つまり「モグラの塚を、大きな山のように扱う=些細なことを大問題にする」という意味になります。
今回解説した「make a big deal about」と非常によく似た状況で使われますが、モグラの塚という具体的なイメージがある分、よりユーモラスで少し皮肉の効いた響きになります。
ちょっとしたミスでパニックになっている同僚に「Don’t make a mountain out of a molehill.(そんな小さなことで大騒ぎしないで)」と声をかけることができます。
こうしたことわざを会話に添えられると、表現がさらに豊かになりますね。
まとめ|「大げさ」を制する者が会話を制す
今回は『BONES』シーズン10エピソード21から、日常会話で大活躍する「make a big deal about」の意味と使い方をご紹介しました。
相手を落ち着かせたり、自分を謙遜したりと、コミュニケーションの「温度感」を絶妙に調整してくれるこのフレーズ。
否定形で場を落ち着かせるブースと、肯定形で相手の頑張りを認めるブレナン——一つのフレーズが正反対の意図で使われる場面を覚えておくと、会話の流れの中で自然に使い分けられるようになります。
「big deal」という言葉が飛び交う英語の会話に、今度は自信を持って参加してみてください。

