海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン11エピソード1から、圧倒的な勢いや激しさをユーモラスに表現できるフレーズ「like nobody’s business」をご紹介します。
一見すると意味が予測しにくいこの言い回し、使いこなせると会話の幅がぐっと広がります。
実際にそのシーンを見てみよう!
ジェファソニアンのラボでの一幕です。昆虫と鉱物の専門家であるホッジンズが、興奮した様子でカムのオフィスへやってきます。
新しく培養した微生物のことを伝えようとするのですが、二人の間には少し温度差があるようで……。
Hodgins: Exciting news. I just incubated some super-fast microbes. I mean, these guys replicate like nobody’s business.
(すごいニュースだ。超高速の微生物を培養したんだよ。信じられないほどの勢いで増殖するんだ。)Cam: Yeah, I like to keep my office a microbe-free zone.
(そう、私のオフィスは微生物立ち入り禁止にしておきたいの。)Hodgins: But these are saccharomyces cerevisiae, the building blocks of beer.
(でもこれはサッカロマイセス・セレビシエ、ビールの主成分ですよ。)Cam: You know, I don’t feel bad for not knowing that.
(それを知らなくても、全く残念じゃないわ。)Bones Season11 Episode1 (The Loyalty in the Lie)
シーン解説と心理考察
ホッジンズは自分の専門分野になると周りが見えなくなるほどの熱量を見せるキャラクターです。
実はこのシーン、ホッジンズがビール酵母を培養していたのには理由があります。久しぶりにブースと再会する夕食のために、手作りのIPAを仕込もうとしていたのです。そんな温かい気持ちから生まれた「発見」を、所長のカムに伝えに来たわけです。
一方のカムはラボの衛生管理を重んじる現実主義者で、微生物と聞いただけでオフィスへの持ち込みをきっぱり断ります。
ビール酵母だと種明かしをしてもなお「知らなくても残念じゃない」と冷ややかに切り返すカムと、それでもめげないホッジンズの対比は、ジェファソニアンの日常を象徴するほほえましいやり取りです。
「like nobody’s business」の意味とニュアンス
like nobody’s business
意味:すさまじい勢いで、信じられないほど、とてつもなく
直訳すると「誰のビジネス(関心事・問題)でもないように」となりますが、日常会話では「他人のことなど構わず」「信じられないほどの勢いで」という強調の意味で使われるイディオムです。
誰にも邪魔されることなく、猛烈に動いている様子を表す時に使います。
【ここがポイント!】
このフレーズのニュアンスの核となるのは、「圧倒的な勢いや程度」をユーモラスに強調する感覚です。
「他人の干渉を受けない」という元の意味合いから転じて、「誰にも止められないほどのエネルギー」を伝える強調表現として定着しました。
雨が土砂降りの時や、誰かがものすごい勢いで仕事や食事をこなしている時など、その激しさに驚いている気持ちをいきいきと伝えることができます。
実際に使ってみよう!
It started raining like nobody’s business just as we left the house.
(家を出た途端、信じられないほどの土砂降りになったんだ。)
天候の激しさを表現する際によく使われます。単に「大雨が降った」と言うよりも、突然の猛烈な雨に圧倒されている様子が伝わります。
She’s been selling her handmade cookies like nobody’s business.
(彼女、とてつもない勢いで手作りクッキーを売り上げているよ。)
物事の成功の度合いを強調する際にも使えます。信じられないスピードで成果を出している状況をそのまま表現できます。
My dog was eating his dinner like nobody’s business.
(うちの犬、すさまじい勢いで夕食をガツガツ食べていたよ。)
動物や人の行動に対して使う例です。周囲の目も気にせず、ものすごい熱量で物事に取り組んでいる様子を描写するのに使いやすい表現です。
『BONES』流・覚え方のコツ
ホッジンズがシャーレの中で爆発的に増え続ける微生物を見つめながら、興奮気味にこの言葉を発している姿をイメージしてみてください。
「誰の知ったことか!」とばかりに我が道を行く勢いや、止められないパワーを感じた時に、「It’s growing like nobody’s business!(すさまじい勢いで成長している!)」と心の中でつぶやいてみましょう。
感情と映像を結びつけることで、このユニークな表現が記憶にスッと入ってきます。
似た表現・関連表現
like crazy
(猛烈に、ものすごく)
非常にカジュアルでよく使われる表現です。like nobody’s business と似ていますが、より短く直感的に激しさを伝えたい時に便利です。
with a vengeance
(猛烈に、ものすごい勢いで)
直訳は「復讐を込めて」ですが、予想以上の強さや激しさで物事が起こる際に使われます。一度収まった嵐が再び激しく吹き荒れる時などに適しています。
like there’s no tomorrow
(明日がないかのように、後先考えずに)
将来のことを気にせず今この瞬間に全力を注いでいる、または思い切り楽しんでいる様子を表します。買い物をしすぎたり、全力で楽しんだりする場面でよく耳にします。
深掘り知識:「business」が作る多彩な表現たち
「business」には「仕事」以外にも「関わり」「個人的な事柄」といった意味合いがあり、面白い表現をいくつも生み出しています。
代表的なものに「none of your business(大きなお世話だ、あなたには関係ない)」があります。相手の干渉をきっぱり断る際によく使われるフレーズです。
「mean business」は「本気である、冗談ではない」という意味になります。「He looks like he means business.(彼は本気みたいだぞ)」のように、真剣な態度や決意を表すのに役立ちます。
さらに「get down to business」は「本題に入る、仕事に取り掛かる」という意味で、雑談を終えて本格的な話し合いや作業を始める時の合図として、日常からビジネスシーンまで幅広く使われます。
「business」という基本的な単語が、文脈によってこれほど多様な意味を持つのは、英語の奥深いところですね。
まとめ|言葉の背景にあるイメージを楽しもう
今回は『BONES』シーズン11エピソード1から、「like nobody’s business」というイディオムをご紹介しました。
このフレーズの核心は、「誰にも止められない猛烈な勢い」を、ユーモアを交えてひと言で伝えられる点にあります。
「very fast」や「a lot」と言えば事実は伝わりますが、「like nobody’s business」を使うことで、言葉にエネルギーと面白みが加わり、聞いた相手が思わず情景を想像してしまうような表現になります。
ホッジンズとカムのコミカルな温度差のあるやり取りとともに、この躍動感あふれるフレーズの空気感を体感していただけたら嬉しいです。
日常のふとした瞬間——何かがすごい勢いで動いている場面を目にした時に、ぜひこの表現を思い出してみてください。

