海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
新しいことに挑む前に、関連する知識をあわてて頭に詰め込んだ経験はありませんか。
そんな状況にぴったりの「study up on」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第23話、北極行きを事前に言わなかったことをペニーに釈明するレナードが、準備でばたばただったと説明するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「study up on」の意味とニュアンス
study up on
意味:(特定の事柄を)事前にしっかり勉強する/調べておく
「study up on」は、ある目的に備えて、特定の分野や事柄を集中的に勉強し、準備しておくことを表す句動詞です。ただ漠然と「勉強する(study)」のではなく、「up」が加わることで「必要なレベルまで仕込む、間に合わせる」という到達のニュアンスが生まれます。後ろには「on + 調べる対象(トピック)」が続き、何について勉強するのかをはっきり示します。試験や面接、旅行、新しい仕事など、これから臨む具体的な場面に向けて、付け焼き刃でも知識を頭に入れておく、という実用的な響きを持ちます。じっくり学問を究めるというより、「目の前の必要に応じてざっと調べ上げる」という、目的志向の勉強を指すことが多い表現です。
【ここがポイント!】
- 「study up on」の核は、目的に備えて必要なレベルまで集中的に仕込むこと
- 「up」が「間に合わせる、仕上げる」という到達の感覚を加えるのが特徴
- 「on + トピック」で、何について調べるのかを示すのを押さえるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S02E23のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
3か月の北極遠征が急に決まり、レナードはその準備に追われていました。健康診断を受け、防寒下着を買い、雪についても調べなければならない。事前にペニーへ伝える間もなかった、という釈明の中で、慌ただしかった日々を振り返ります。
Leonard: it all happened kind of fast, and we had to get physicals and buy thermal underwear and study up on, you know, snow and stuff.
(全部わりとあっという間でさ。健康診断を受けたり防寒下着を買ったり、その、雪とかについて事前に調べたりしてたんだ。)Penny: Oh, hey, no, you don’t have to apologize.
(ああ、いいのよ、謝らなくていいから。)The Big Bang Theory Season2 Episode23 (The Monopolar Expedition)
シーン解説と心理考察
レナードの言葉の端々から、ペニーに伝えそびれたことへの後ろめたさが伝わってきます。健康診断、防寒下着、雪の勉強と準備を並べ立てるのは、忙しさを言い訳にしたい気持ちの表れでもあります。とりわけ「study up on, you know, snow and stuff(雪とか、その、いろいろ調べて)」という、語尾を濁すような言い方に、彼のしどろもどろな心境がにじむ場面です。一方のペニーは「謝らなくていい」とさらりと受け流しますが、その淡白な返しの裏には、後の場面で明かされる複雑な本心が隠されています。表面上は何気ない準備の話をしながら、二人の関係の微妙な距離感が静かに流れている、そんなやり取りです。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
机に向かって、必要な知識を下から上へと積み上げていくレナードの姿を思い浮かべてみてください。「study(勉強する)」に「up(上へ、仕上げまで)」が加わることで、ゼロから始めて必要な高さまで知識を積み上げる動きが見えてきます。北極行きに向けて、雪のことを急いで頭に詰め込むレナードのばたばたした準備と重ねておくと、「study up on=本番に備えて集中的に調べる」という意味が、映像として記憶に残ります。
例文で覚える「study up on」
「study up on」は、何かに備えて集中的に調べる場面で活躍します。三つの例文で使い方の幅を見てみましょう。
I need to study up on Japanese history before my trip to Kyoto.
(京都旅行の前に、日本の歴史を勉強しておかなきゃ。)
旅行に備えて知識を仕込む、典型的な使い方です。「before my trip」が、目的のある準備であることをはっきり示しています。
He studied up on the company before the interview.
(彼は面接の前にその会社について調べ上げた。)
面接対策として情報を集める場面です。本番に間に合わせる、という「up」の到達のニュアンスがよく出ています。
A: You seem to know a lot about wine tonight.
B: I studied up on it before the dinner party.
(A:今夜はワインにずいぶん詳しいね。)
(B:ディナーパーティーの前に勉強しておいたんだ。)
ある場に備えて付け焼き刃で知識を入れた、と打ち明ける会話です。「before the dinner party」で、目的志向の準備だったことを伝えています。
あわせて覚えたい関連表現
read up on
(〜について読んで調べる)
「study up on」とよく似ていますが、「read」のとおり「資料や本を読んで情報を集める」点に重心があります。調べる手段が読書寄りなのが違いです。
brush up on
(〜を復習する/学び直す)
すでに知っていることを磨き直す、という意味です。新しく仕込む「study up on」に対し、こちらは錆びついた知識を取り戻すニュアンスがあります。
bone up on
(〜を集中的に詰め込む)
試験前などに一気に知識を詰め込む、というくだけた表現です。「study up on」よりさらに「付け焼き刃」の響きが強くなります。
Note|句動詞に「up」が加わると何が変わるのか
「study up on」を読み解く鍵は、真ん中の「up」が果たしている役割にあります。この小さな一語が、動詞の意味にどんな彩りを添えているのかを見ていくと、英語の句動詞の仕組みが少し見えてきます。
英語の句動詞に使われる「up」には、「上へ」という方向の意味だけでなく、「完全に、すっかり、仕上げまで」という完成・徹底のニュアンスを加える働きがあります。たとえば「eat(食べる)」に「up」が付いて「eat up」になると「すっかり食べきる」になり、「clean(掃除する)」が「clean up」になると「きれいに片づける」になります。同じように「study(勉強する)」が「study up」になると、「必要なレベルまでしっかり仕上げる、仕込む」という到達点のある勉強に変わります。漠然と学び続けるのではなく、ある目的のために知識を仕上げる、というゴールの感覚が「up」によって持ち込まれるのです。さらに「on」が続くことで、その仕上げの対象がトピックとして明示されます。こうした「動詞 + up + on」という三語の形は、目的に向けて何かを仕上げる表現群として、英語の中でひとつのまとまりを作っています。
レナードが雪について「study up on」したのは、まさに北極という目的地に向けて、必要な知識を仕上げる作業でした。
小さな小詞ひとつに目を向けると、句動詞の表情がぐっと読みやすくなります。
まとめ|レナードの慌ただしい準備から学ぶ「調べておく」の一言
「study up on」は、ある目的に備えて、特定の事柄を集中的に勉強し準備しておくことを表す表現です。「up」が加える「必要なレベルまで仕上げる」という到達の感覚が、ただの「study」との違いを生んでいます。
この表現を知っておくと、試験や面接、旅行など、これから臨む場面に向けた準備を、目的のはっきりした一言で伝えられます。「on + トピック」で調べる対象を添えれば、何に備えているのかも自然に示せます。
北極行きを前に雪のことまで調べたレナードの慌ただしい準備とともに、表現の幅を広げてみてください。


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