「tell on」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S04E01で学ぶ英会話

「tell on」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

子どもの頃、いたずらがバレそうになって「先生に言いつけるよ!」と脅された——そんな記憶が、ふとよみがえることはありませんか。

そんな「言いつける」にあたる「tell on」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン4第1話の終盤、論理の通じないシェルドンにペニーが幼い脅し文句を持ち出すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「tell on」の意味とニュアンス

tell on
意味:(人の悪事を)告げ口する/言いつける

tell on は、誰かの悪い行いを、その人より立場が上の人(親や先生など)に報告することを指す句動詞です。子ども同士の「先生に言いつける」がいちばん典型的な使われ方で、やや幼い、告げ口めいた響きを持ちます。

形は〈tell + 報告先 + on + 対象者〉が基本で、”I’m gonna tell your mother on you.”(あなたのお母さんに言いつけるからね)のように使います。”Don’t tell on me!”(チクらないでよ!)という形も定番です。この on は「〜に不利になるように」という方向を示しており、その一語があるおかげで、ただ「伝える」ではなく「不利な情報を上に報告する」という告げ口のニュアンスが生まれます。大人同士でも、冗談めかしてわざと幼い言い方をする場面で使われます。

【ここがポイント!】

  • tell on の核は「悪事を上の立場の人に報告する」=言いつけるイメージ
  • on が「その人に不利な方向へ」を示し、告げ口のニュアンスを生んでいる
  • 子どもっぽく幼い響きなので、大人が使うと冗談めかした調子になるのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S04E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

エイミーとの「子作り計画」を本気で進めようとするシェルドンに、ペニーの理詰めの説得はまるで歯が立ちません。万策尽きたペニーが「全く新しいやり方でいく」と宣言して持ち出したのは、なんとも子どもじみた最終手段でした。

Penny: Sheldon, if you try to make a baby with Amy in a petri dish, I’m gonna tell your mother on you.
(シェルドン、ペトリ皿でエイミーと子作りしようとしたら、あなたのお母さんに言いつけるからね。)

Sheldon: That’s no threat. My mother’s always wanted a grandchild.
(脅しにならないな。母はずっと孫を欲しがっている。)

The Big Bang Theory Season4 Episode1(The Robotic Manipulation)

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シーン解説と心理考察

論理ではシェルドンにまるで歯が立たないペニーが、「全く新しいやり方でいく」と前置きして繰り出すのが、「あなたのお母さんに言いつける」という、まるで小学生のような脅し文句です。大の大人が大の大人に向ける手段としては滑稽なほど幼く、その落差そのものが笑いを生んでいます。

しかし、この一手が思わぬ効力を持つのが面白いところです。tell on という幼い言い回しを選ぶことで、ペニーはシェルドンを「論理で動く大人」ではなく「母親に頭の上がらない子ども」として扱っています。理屈の通じない相手に、理屈をいったん放棄して挑む——その発想の転換が、直後の逆転劇への入り口になっていると言えます。手詰まりから生まれたなりふり構わぬ一手が、最も効いてしまう構図が見どころです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

tell on の on を、「誰かの上に、不利な報告をドサッと乗せる」動きとしてイメージしてみてください。tell(伝える)に on(その人の上へ)が乗ることで、「その人に不利な情報を、もっと上の立場の人に乗せて届ける」=言いつける、という絵が立ち上がります。日本語の「チクる」「言いつける」がぴったり重なります。

大の大人のシェルドンに、ペニーがまるで小学生のように「ママに言いつけるからね」と迫る——あの場面ごと思い出せば、tell on が持つ幼くて告げ口めいたトーンが体に残ります。tell your mother on you の語順も、このセリフごと覚えてしまうのが近道です。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「tell on」

tell on は、悪事を上の立場の人に報告する場面で使えます。子ども同士から大人の冗談まで、3つの場面で見てみましょう。

My little brother always tells on me when I stay up late.
(弟は、私が夜更かしするといつも言いつけるんだ。)
きょうだいの関係を語る日常の場面です。子どもの世界での「告げ口」を、軽い口調で表しています。

Please don’t tell on me — I’ll fix it before anyone notices.
(お願いだから言いつけないで。誰にも気づかれる前に直すから。)
こっそり頼み込む場面です。Don’t tell on me. は、子どもにも大人にも使える定番のフレーズです。

A: If you eat the last cookie, I’m telling Mom on you!
B: Go ahead. She told me I could have it.
(A:最後のクッキー食べたら、ママに言いつけるからね!)
(B:どうぞご自由に。ママが食べていいって言ったもん。)
きょうだいげんかのやり取りです。tell … on … の語順が、会話の中で自然に出てくる様子がわかります。

あわせて覚えたい関連表現

snitch (on)
(チクる/密告する)
tell on よりスラング的で、非難の度合いが強い表現です。「裏切り者が密告する」という冷たい響きがあり、tell on の子どもっぽい軽さとは温度が異なります。

rat (someone) out
(〜を売る/密告する)
仲間を裏切って情報を漏らすことを強調する口語表現です。tell on が日常的で軽いのに対し、rat out には「裏切り」の苦い含みがあります。

report (someone) to
(〜を…に報告・通報する)
中立的でフォーマルな言い方です。正式な手続きとしての報告を指し、tell on のような幼さや告げ口の感触はありません。

Note|tell on / snitch / rat out ―「チクる」の温度差

ひとくちに「告げ口する」と言っても、英語には温度の異なる表現がいくつもあります。誰が、誰に、どんな立場で報告するかによって、選ばれる言葉が変わります。

まず tell on は、子どもが親や先生に言いつける場面が典型で、比較的軽く、幼い響きを持ちます。次に snitch は、ぐっとスラング寄りで非難の色が濃く、「告げ口する卑怯者」を指す snitch という名詞にもなります。さらに rat out は、ネズミ(rat)が語源で、「仲間を売る」という裏切りのニュアンスが最も強い表現です。同じ「報告する」でも、tell on が幼さ、snitch が軽蔑、rat out が裏切りと、それぞれ違う感情を背負っているわけです。英語圏では子どもの頃から「告げ口する子(tattletale)は嫌われる」という感覚が根強く、これらの語にネガティブな響きがつきまとうのも、その文化的な土壌と無関係ではないと言えます。

こうして並べると、ペニーが選んだ tell on の絶妙さが見えてきます。snitch でも rat out でもなく、最も子どもっぽい tell on を選ぶことで、大人のシェルドンを「ママに叱られる子ども」扱いする皮肉が成立しているのです。

言葉ひとつの選択に、話し手の意図がにじみます。

まとめ|「言いつける」を一語で表す身近な句動詞

tell on は、誰かの悪事を上の立場の人に報告する、「言いつける」「チクる」にあたる身近な句動詞です。on という小さな一語が「その人に不利な方向へ」という向きを与え、ただ伝えるのとは違う告げ口のニュアンスを生んでいます。

子どもっぽく幼い響きを持つからこそ、使う場面や相手によって、本気の報告にも冗談めかした脅しにもなります。snitch や rat out との温度差も意識しながら、この使い勝手のいい句動詞を、表現の引き出しに加えてみてください。

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