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値段交渉の最後のひと押しで、「それもおまけにつけてくれたら買うよ」と言ってみたくなる瞬間はありませんか。本体価格は据え置きでも、何かもう一つ加えてもらえると、急にお得感が出るものです。
そんなときにぴったりの「throw in」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第5話の前半、コミックストアで剣の値段を粘り強く交渉するレナードが、店主スチュアートにおまけを要求するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「throw in」の意味とニュアンス
throw in
意味:(取引で)おまけにつける、無料で追加する
買い物や取引の場面で、本体に加えて何かを「ついでに」「無料で」つけることを表す句動詞です。店側が “I’ll throw in 〜” と言えばサービスの提供になり、客側が “throw in 〜” を求めれば、値引きの代わりにおまけを要求する形になります。
throw(投げる)と in(中へ)が組み合わさって、「取引の中へ、ぽいと放り込む」という感覚を生んでいます。きっちり値段を決めて売買するのではなく、勢いよく一品加える、というカジュアルさがこの表現の持ち味です。そのため、フォーマルな契約というより、市場や店先での値段交渉、あるいは「これもつけとくよ」という気前のよいやり取りでよく登場します。throw in には「口を挟む」という別の意味もありますが、取引の文脈では「おまけ」の意味が中心になります。
【ここがポイント!】
- 核は「取引の中へぽいと放り込む」という throw + in の動きのイメージ
- 店側が使えばサービス、客側が使えばおまけの要求になる、両方向で使える表現
- きっちりした契約より、店先のカジュアルな値段交渉で活きる一言
『ビッグバン★セオリー』S05E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。剣の値段をめぐって、レナードと店主スチュアートが粘り強い交渉を続けています。じわじわ値を下げてきたスチュアートに対し、レナードはさらに一歩踏み込んで、別の品をおまけにつけるよう持ちかけます。値切りの駆け引きが見どころです。
Stuart: Two ten, and I’m losing money.
(210ドル、これじゃ赤字だよ。)Leonard: Two ten and you throw in the Iron Man helmet.
(210ドルで、アイアンマンのヘルメットもつけてよ。)Stuart: Are you crazy? That helmet’s signed by Robert Downey Jr.
(正気か? あのヘルメットはロバート・ダウニー・Jr.のサイン入りだぞ。)Leonard: So?
(それで?)
シーン解説と心理考察
スチュアートが「赤字だ」と弱音を吐いた瞬間を逃さず、レナードは値段を上げる代わりに「ヘルメットもつけて」とおまけを要求します。throw in がここで効いているのは、本体の価格交渉が行き詰まったところに、別の角度から得をしようとする狡猾さが表れているからです。サイン入りの貴重品を突きつけられても「それで?」と動じないレナードの押しの強さが、ふだんの気弱な印象とのギャップとなって笑いを生んでいます。throw in という表現が、交渉の駆け引きの中で「もう一品ねじ込む」というニュアンスを的確に担っているのが見てとれます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
買い物かごに商品を入れたあと、店員が「これもどうぞ」と、もう一品ぽいと放り込んでくれる動作を思い浮かべてみてください。値段表には載っていない一品が、ひょいと加わる。その「ぽいと放り込む」身ぶりが throw in の語感そのものです。レナードがヘルメットをおまけに要求したように、取引の中に何かを投げ入れるイメージで覚えると、店先や交渉の場面でこの句動詞が自然と口に出てくるようになります。
例文で覚える「throw in」
おまけをつける・つけてもらう、どちらの立場でも使えるのがこの表現の便利なところです。場面ごとの使われ方を見ていきましょう。
If you buy two, I’ll throw in a third one for free.
(2つ買ってくれたら、3つ目をおまけにつけるよ。)
店側が客に持ちかけるサービスの場面です。throw in が「無料で追加する」気前のよさを表しています。
The hotel threw in a free breakfast as part of the deal.
(そのホテルは取引の一環として朝食を無料でつけてくれた。)
予約やプランの交渉で、特典が追加された場面です。過去形 threw in で、付帯サービスを表しています。
A: This camera is a bit over my budget.
B: Tell you what — I’ll throw in a memory card and a case.
(A:このカメラ、ちょっと予算オーバーなんだよね。)
(B:じゃあこうしよう、メモリーカードとケースもつけるよ。)
店頭での値段交渉で、店員がおまけを提示して購入を後押しする使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
throw in the towel
(降参する、あきらめる)
同じ throw in でも、towel(タオル)が続くとボクシングでタオルを投げ入れて試合放棄を示す、まったく別の慣用句になります。「おまけ」とは無関係なので、後ろの語に注意が必要です。
come with
(〜が付いてくる、〜が付属する)
商品にもともと何かが付属していることを表します。throw in が「交渉でおまけとして加える」のに対し、come with は「最初から付いている」という違いがあります。
knock off
(値引きする、いくらか引く)
価格そのものを下げる表現です。throw in が「品を足す」方向なのに対し、knock off は「値段を引く」方向で、交渉の二つのカードとして対になります。
Note|「投げ入れる」が取引の「おまけ」になるまで
throw in の throw は「投げる」、in は「中へ」。この組み合わせがなぜ「おまけをつける」を意味するようになったのでしょうか。
背景には、英語圏の取引・商習慣で長く使われてきた「投げ入れる」という発想があります。きっちり一点ずつ値段を決めて売買する世界では、本体の取引が成立したあとに、売り手が好意やサービスで別の品を「ついでに放り込む」という行為が、駆け引きの潤滑油として機能してきました。throw という勢いのある動詞が選ばれているのは、計算ずくの追加ではなく、その場のノリで気前よく一品加える、というカジュアルさを表すのにふさわしかったためと考えられます。in が示す「取引の枠の中へ」という方向も、おまけが本体の取引に組み込まれる様子をうまくとらえています。市場や店先での値切り文化の中で育った表現だと言えるでしょう。
レナードがヘルメットを「つけて」と求めた場面も、まさにこの「取引の中へ放り込む」発想そのものでした。throw が持つ勢いを意識すると、この表現のくだけた交渉の空気が伝わってきます。
ぽいと一品、取引の中へ。気前のよさがにじむ表現です。
まとめ|レナードの値切り交渉から学ぶ「おまけの一言」
throw in は、取引の中に何かをぽいと放り込む、つまり「おまけにつける・つけてもらう」を表す句動詞でした。本体価格はそのままに、もう一品加えることで得をする、あるいは気前よく提供する。店側でも客側でも使える、交渉に強い一言です。
買い物で特典を引き出したいとき、何かをサービスで提供したいとき、この表現が頭にあると、価格以外の駆け引きができるようになります。レナードがサイン入りのヘルメットまで要求したように、「もう一品ねじ込む」発想は、日常の買い物にも応用が利きます。
値段交渉の引き出しに、この表現を加えてみてください。


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