「rub up against」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S09E05で学ぶ英会話

「rub up against」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

誰かの言動や、ある決まりごとが、自分の価値観にどうも引っかかる——そんな小さな違和感を覚えたことはありませんか。

そんなときに使える「rub up against」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン9第5話の後半、シェルドンが新しい恋愛相手の候補を次々に却下していくシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「rub up against」の意味とニュアンス

rub up against
意味:〜に障る/〜に抵触する

もともとは、猫などが体を何かにこすりつける、という物理的な動作を表す表現です。そこから比喩的に、ある考えや信念、規則などに「こすれて摩擦を生む」、つまり「障る」「抵触する」という意味で使われます。

against という前置詞が「対立・接触」の語感を強め、何かと何かがぶつかり合ってこすれるイメージを生みます。自分の感覚や価値観、あるいは既存のルールに引っかかるものを指して使うことが多く、物理的な「こすれ合い」と、心理的・抽象的な「相容れなさ」の両方をカバーする、奥行きのある言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 核は、何かと何かがゴシゴシこすれて摩擦が生まれるイメージ
  • 物理的な「こすりつける」から、比喩の「障る・抵触する」へ広がる表現
  • against が「対立・接触」を含むので、価値観やルールとの摩擦として読むのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S09E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

エイミーと別れたシェルドンに、ラージやレナードが「他にも相手はいる」と新しい出会いを勧めます。ところがシェルドンは、友人たちの恋人を次々に理屈で却下していきます。

Raj: Maybe there’s someone else out there for you.
(他にも君に合う誰かがいるかもしれないだろ)

Sheldon: True, but Penny’s married, and so is Bernadette. And your girlfriend has red hair and white skin, which really rubs up against my clown phobia.
(確かに。でもペニーは結婚してるし、バーナデットもだ。それに君の彼女は赤毛で色白で、それが僕のピエロ恐怖症にもろに障るんだ)

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シーン解説と心理考察

破局のショックから前に進むよう促されても、現実的な選択肢を屁理屈で一つひとつ潰していくシェルドンの姿が表れています。ラージの恋人を「赤毛で色白=ピエロを連想させる」と却下する理由づけの強引さに、彼らしい理屈っぽさがにじむ場面です。

「rubs up against my clown phobia(僕のピエロ恐怖症に障る)」という言い回しが、抽象的な恐怖症すら物理的に「こすれる」もののように語るところに、シェルドンの独特の世界観が表れています。新しい相手を探す気がないというより、エイミー以外を受け入れられない本心が、次々と繰り出される却下の理屈の裏からにじむ場面です。理性的な口ぶりとは裏腹の未練が、この一言に重なっています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

猫が足元にすり寄って、体をゴシゴシとこすりつけてくる——あの物理的な動作を、まず思い浮かべてみてください。それが「rub up against」の出発点です。そして、この「こすれ合い」が心の中で起きると、「自分の感覚や信念にこすれて引っかかる=障る」という比喩に変わります。

シェルドンは、ラージの恋人の見た目が、自分のピエロ恐怖症と「こすれ合って」しまうと言っているわけです。猫のすり寄りから、心の摩擦へ——この二段階の絵をつなげて思い描くと、物理から比喩への広がりが、却下シーンのおかしさと一緒に記憶に残ります。

例文で覚える「rub up against」

物理的な「こすれる」から、比喩の「障る・抵触する」まで幅広く使えるこの表現を、3つの例で見てみましょう。

The cat kept rubbing up against my legs, begging for food.
(猫が餌をねだって、僕の足にしきりに体をこすりつけてきた)
ペットの仕草を描写する場面。比喩の土台となる、物理的な基本義の使い方です。

This new policy rubs up against everything we stand for.
(この新しい方針は、我々の信条のすべてに抵触する)
価値観との衝突を語る場面。信念と「こすれ合う」という比喩で、強い違和感を表しています。

A: How was your first week at the new company?
B: Honestly, their casual style rubs up against how I’m used to working.
(A:新しい会社、最初の一週間どうだった?)
(B:正直、あの気楽な社風が、自分の慣れた働き方とどうも合わなくて。)
職場への適応を語る会話。社風と自分の流儀がこすれ合う、心理的な摩擦の使い方です。

あわせて覚えたい関連表現

rub someone the wrong way
(〜の神経を逆なでする)
人を主語や目的語にして「人をいらだたせる」点に焦点がある表現です。rub up against は信念や規則など抽象的な対象に「抵触する」ことを指せる点で、守備範囲がより広くなっています。

go against the grain
(性に合わない/通念に逆らう)
木目に逆らうイメージから「自分の本質や慣習に反する」という意味になります。rub up against が「摩擦・こすれ合い」を、go against the grain が「逆行・違和感」を強調する点が違います。

conflict with
(〜と衝突する/矛盾する)
中立的でフォーマルな「対立・矛盾」を表す表現です。rub up against のような「こすれる」という身体的な比喩の手触りはなく、より直接的に対立を述べる言い方です。

Note|rub up against と rub the wrong way、二つの「こする」表現

「rub up against」を覚えると、同じ rub(こする)を核にした別の慣用句、「rub someone the wrong way(神経を逆なでする)」との違いが気になってきます。どちらも「こすれることで不快が生まれる」という発想は共通しているのに、なぜ使い分けるのでしょうか。

鍵は、何が「こすられる対象」になっているかです。rub the wrong way は、猫の毛を逆方向になでると嫌がる、という情景が由来とされ、対象はあくまで「人」です。「彼の態度が私の神経を逆なでする」のように、人の感情を逆立てる場面で使います。一方の rub up against は、対象が「信念・規則・価値観」など抽象的なものに広がります。「この方針が我々の信条に抵触する」のように、考え方どうしがぶつかってこすれる場面で使うのです。つまり、いらだつ相手が「人」なら the wrong way、ぶつかるものが「考えやルール」なら up against、と対象で選び分けると、二つの表現がきれいに整理できます。劇中のシェルドンは、ラージの恋人の見た目が自分の「恐怖症」という内面の感覚にこすれると言ったので、up against がしっくりくるわけです。

同じ rub から枝分かれした二つの表現を、こすれる対象で捉え直すと、似て見えた両者の輪郭がはっきりしてきます。

ひとつの動詞から、こんなにも表情の違う言い回しが生まれているのですね。

まとめ|シェルドンの却下に学ぶ「障る」ひとこと

「rub up against」は、物理的な「こすりつける」から比喩へ広がり、ある考えや規則に「障る」「抵触する」ことを表す表現でした。against が含む「対立・接触」の語感が、その摩擦のニュアンスを支えています。

この表現が使えるようになると、「なんだか引っかかる」という曖昧な違和感や、価値観・ルールとのぶつかり合いを、手触りのある言葉で表せるようになります。rub the wrong way との対象の違いを意識すれば、場面に応じて選び分けることもできます。

自分の感覚にそぐわない何かに出会ったとき、その小さな摩擦を的確にすくい取る言葉として、表現の幅を広げてみてくださいね。

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