海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
締め切りギリギリで状況が急変して、焦った経験はありませんか?
今回は、土壇場でのドラマチックな展開を表す表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ジェファソニアンの所長室にて、発掘プロジェクトの出資者である大富豪のローズが乗り込んできたシーンです。
自分が2年も投資してようやく見つけた骨を、FBIと研究所に突然横取りされたことへの激しい怒りを露わにしています。
Booth: Yeah. For Ted Macy, a lot changed.
(ああ。テッド・メイシーにとっては、大きく状況が変わったな。)
Rose: Look, I’m sorry about Ted. But I’ll be damned if the federal government swoops in here at the eleventh hour and steals what I’ve been trying to find for two years.
(なあ、テッドのことは気の毒に思う。だが、私が2年も探し求めてきたものを、連邦政府が土壇場になって舞い降りてきて奪っていくなんて、絶対に許さんぞ。)
Goodman: I fail to see what this has to do with the Jeffersonian.
(それがジェファソニアンと何の関係があるのか、私には理解できかねますが。)
BONES Season1 Episode18 (The Man with the Bone)
大富豪のローズは巨額の資金と時間を費やし、ついに伝説の財宝に繋がる骨を発見しました。
しかし、発掘現場での殺人事件により、FBIが突如として介入し、骨を証拠品として押収してしまいます。
彼が「at the eleventh hour」という言葉を選んだ背景には、ずっと苦労してきたのに、最後の最後、あと一歩というところで横取りされたという強い悔しさと、政府への苛立ちが込められています。
権力者である彼にとって、自分の思い通りにならないこの急展開は、非常に受け入れがたいものだったのですね。
フレーズの意味とニュアンス
at the eleventh hour
意味:土壇場で、ギリギリになって、最後の瞬間に
直訳すると「11番目の時間に」となります。
この表現の語源は、新約聖書の「マタイによる福音書」にあるブドウ園の労働者の例え話に由来しています。
1日の労働時間が12時間だった時代に、終了の1時間前である11時間目に雇われた労働者が、朝から働いていた人と同じ賃金をもらったというお話です。
そこから転じて、期限や終了の直前にという意味で使われるようになりました。
【ここがポイント!】
単なる「遅い時間」や「締め切り前」という事実を伝えるのではなく、もう間に合わないかもしれないというギリギリのタイミングや、予想外の急展開というドラマチックなニュアンスが含まれるのが最大のポイントです。
ローズのセリフのように、最後の最後でいきなり梯子を外された不満を表す時にも使えますし、逆に土壇場での奇跡の逆転劇といった文脈でも活躍する、ネイティブが好んで使う表現です。
実際に使ってみよう!
They changed the entire marketing plan at the eleventh hour.
(彼らは土壇場になって、マーケティング計画を丸ごと変更したんだ。)
ビジネスの現場で、直前になっての大きな仕様変更や方針転換に振り回された際の、徒労感や驚きがよく伝わる生きた表現です。
The lawyer produced a surprise witness at the eleventh hour, which completely changed the trial.
(弁護士がギリギリのタイミングで驚きの証人を喚問し、それが裁判を完全に覆した。)
まさにドラマのような大逆転劇です。ギリギリまで隠し持っていた切り札を出したという緊迫感が出ます。
I was going to cancel my trip, but at the eleventh hour, my boss approved my vacation request.
(旅行をキャンセルするつもりだったけど、最後の最後で上司が休暇申請を承認してくれたの。)
諦めかけていたところで状況が好転した、ギリギリセーフの安堵感を表現するのにもぴったりです。
『BONES』流・覚え方のコツ
ローズの「2年間」という途方もない歳月と、「at the eleventh hour」の落差をセットで記憶しましょう。
2年間ずっと穴を掘り続け、ついに宝の箱に手が届くその瞬間。まさにゴールテープを切る1センチ手前で、いきなり横から現れたFBIにすべてを持っていかれる絶望感。
この圧倒的な「直前でのどんでん返し」のイメージこそが、このフレーズの核心です。
似た表現・関連表現
at the last minute
(ギリギリになって、土壇場で)
最も一般的で日常的に使われる表現です。at the eleventh hour の方が少し文学的で、状況の重大さやドラマチックな響きを持っています。
just in time
(ちょうど間に合って、ギリギリセーフで)
遅れずに済んだというポジティブな結果そのものに焦点が当たっています。急展開やどんでん返しのニュアンスは含みません。
in the nick of time
(際どいところで、間一髪で)
何かの危機や悪い出来事を間一髪で回避したという、よりスリリングでアクション映画のような危機一髪のニュアンスが強い表現です。
深掘り知識:ビジネスで生きる「聖書の比喩」
英語には聖書に由来する表現が数多く存在しますが、現代のビジネスシーンなど、宗教色を持たないフォーマルな場でもごく自然に使われています。
なぜなら、これらは誰もが知っている共通のストーリーに基づくため、説明を省きつつ状況の深刻さや劇的な展開をスマートに伝えられる便利な比喩だからです。
少し知的な語彙を使いたい時に、あえて at the last minute ではなく at the eleventh hour を選べるようになると、英語の表現力がぐっと大人のものになりますよ。
まとめ|ギリギリの展開を楽しもう
いかがでしたか?
ローズにとっては最悪の「at the eleventh hour」でしたが、ドラマとしてはここから一気に面白くなる展開でしたね。
皆さんも、日常で思わぬ急展開やギリギリの状況に直面した時は、焦る気持ちをグッとこらえて、心の中でこのフレーズをつぶやいてみてください。


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