海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手の気持ちを全面的に肯定して、「そんなの当たり前でしょ」と優しく背中を押したい時、あなたならどう伝えますか?
今回は、心優しいアンジェラのセリフから、温かい気遣いが伝わる大人の英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
病院の外のベンチで、アンジェラと15歳の少女エイミーが語り合うシーンです。
がんで余命が長くないかもしれないと悟りつつも「前向きに絵を描き続けて」と励ますアンジェラに対し、エイミーが「男の子との恋愛は?」と尋ねます。
Amy: What about guys?
(男の子についてはどう?)
Angela: Ah. Well, that totally goes without saying. What’s his name?
(ああ。まあ、それは完全に言うまでもないわね。彼の名前は?)
Amy: Aaron. His family just moved here from Maine.
(アーロンよ。彼の家族、メイン州から引っ越してきたばかりなの。)
BONES Season1 Episode20 (The Graft in the Girl)
過酷な運命に直面しながらも、エイミーの中には「恋がしたい」という15歳の等身大の願いがありました。
アンジェラは、そんな彼女のささやかな恋心を「言うまでもないことよ(恋をするのは女の子として当然の権利よ)」と、totally をつけて力強く全面的に肯定します。
同情するのではなく、一人の女性として彼女の背中を押し、すぐに「彼の名前は?」とワクワクしたトーンで恋バナに引き込むアンジェラの包容力が、この短いフレーズに詰まっていますね。
フレーズの意味とニュアンス
goes without saying
意味:言うまでもない、〜はもちろんだ
直訳は「言うことなしで進む(通用する)」。
つまり、わざわざ口に出して説明しなくても、誰もが同意するような分かりきった事実や、当然の事柄を指すイディオムです。
通常は It goes without saying that…(〜であることは言うまでもない)という形で文頭に置かれたり、今回のように単独で that goes without saying と使われたりします。
【ここがポイント!】
このフレーズのコアイメージは「共通認識の確認」と「強い肯定」です。
単に「当たり前だ」と突き放すのではなく、「わざわざ言う必要もないくらい、あなたも私も分かっているよね」という、相手との結びつきや共感を土台にした温かさがあります。
ビジネスの場でも、相手への敬意や信頼を示す際によく使われる表現ですよ。
実際に使ってみよう!
ビジネスからプライベートまで、相手への気遣いや信頼を伝える場面で使ってみましょう。
It goes without saying that your health comes first.
(あなたの健康が第一であることは、言うまでもないわ。)
相手を気遣う際の定番フレーズです。「当然のことだけど、あえて言うね」という優しさが伝わります。
It goes without saying, we are always here to support you.
(言うまでもないことですが、私たちはいつでもあなたをサポートしますよ。)
ビジネスシーンで、顧客やチームメンバーに対して強固な信頼関係をアピールする時に非常に有効です。
You’re invited to the party, but that goes without saying.
(あなたもパーティーに招待されてるわよ。まあ、そんなの言うまでもないけどね。)
文末に that goes without saying と付け加えることで、「あなたは来て当然の大切な人よ」という歓迎のニュアンスを強調できます。
『BONES』流・覚え方のコツ
「アンジェラのウインク」でイメージしましょう。
不安そうに「男の子のことは考えてもいいの?」と聞く少女に、「何言ってるの、そんなの言うまでもないじゃない!」とウインクしながら恋バナに乗ってあげるような、頼りになるお姉さんの姿を想像してみてください。
相手の願いや気持ちを「当然よ」と明るく肯定してあげる時の響きとして、記憶に定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
obviously
(明らかに、言うまでもなく)
客観的な事実や、誰が見ても明らかな状況を指す際に使われます。少し事務的でドライな響きになることがあります。
of course
(もちろん、当然)
日常会話で頻出しますが、言い方によっては「当たり前でしょ(そんなことも分からないの?)」という突き放したニュアンスを含んでしまうため注意が必要です。
needless to say
(言うまでもないことだが)
goes without saying とほぼ同じ意味ですが、やや硬く、スピーチや書き言葉に適したフォーマルな表現です。
深掘り知識:日常会話での便利な合いの手
今回のアンジェラのように、相手の発言に対して that totally goes without saying(それ、完全に言うまでもないわね)と相槌を打つのは、非常にネイティブらしい会話のテクニックです。
It goes without saying that… のように文を長く組み立てなくても、that を主語にしてポンと返すだけで、「大賛成!」「当たり前だよ!」という強い同意を示すことができます。
totally や absolutely などの副詞を組み合わせることで、さらに感情豊かな会話を楽しむことができますね。
まとめ|言葉にしない優しさを添えよう
アンジェラが贈った that totally goes without saying という言葉には、病気の少女に対する同情ではなく、ひとりの女性としての尊厳を守る温かい気遣いが込められていました。
私たちも日常会話の中で、大切な人への気遣いや感謝を伝える時、あえてこの表現を使ってみてはいかがでしょうか。
言葉にするまでもないけれど、言葉にすることでより深まる絆がそこにはあるはずです。


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