ドラマで学ぶ英会話|『BONES』S02E04に学ぶ「come to grips with」の意味と使い方

come to grips with

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は、避けて通れない問題や受け入れがたい現実に対して使われる、大人の心理表現をご紹介しますね。
語彙の深みをさらに引き上げていきましょう。

目次

実際にそのシーンを見てみよう!

ブースとブレナンが刑務所を訪れ、死刑囚エップスの妻であるキャロラインと初めて対面する場面です。

連続殺人犯である夫を愛し、その命が延びたことを神に感謝するキャロラインに対し、論理的なブレナンは全く理解できず戸惑いを隠せません。
そんな異様な状況下で、キャロラインが夫の心理状態を説明する際に使われたセリフです。

Caroline: Oh, Agent Booth. Howard’s told me you both saved his life last year.
(ああ、ブース捜査官。ハワードから、昨年お二人が彼の命を救ってくれたと聞いています。)

Brennan: What? I was disappointed.
(何ですって?私はがっかりしたのに。)

Caroline: Extending Howard’s life has given him time to come to grips with what he’s done – to ask God for forgiveness.
(ハワードの寿命が延びたことで、彼は自分の犯した罪としっかり向き合い、神に許しを請う時間を与えられたのです。)

Booth: Then we did the right thing by having his execution stayed.
(それなら、彼の死刑執行を延期させたのは正しい判断だったということですね。)
BONES Season2 Episode4 (The Blonde in the Game)

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シーン解説と心理考察

ブレナンは「連続殺人犯の命を救ってがっかりした」と率直すぎる感想を述べますが、キャロラインは意に介さず、「come to grips with(罪と向き合う)」という表現を使って夫の改心を無垢に信じ切っています。

凄惨な事件を起こした死刑囚を真っ直ぐに愛する妻の異常なほどの落ち着きと、それを全く理解できないブレナンの徹底した論理的思考。

この埋まらない温度差が、キャロラインの静かで力強い言葉遣いを通して浮き彫りになる、非常に不気味で印象的なシーンですね。

フレーズの意味とニュアンス

come to grips with
意味:(困難な問題に)真正面から取り組む、しっかり向き合う、理解して受け入れる

「grip」はゴルフクラブやテニスのラケットの「グリップ」と同じく、「しっかりと握る、掴む」という意味の名詞・動詞です。
「come to」は「〜という状態になる」ことを表すため、直訳すると「〜と取っ組み合いになる」「〜をしっかりと掴んだ状態になる」となります。

【ここがポイント!】

ただ単に問題を「理解する(understand)」というレベルではなく、「逃げ出したくなるような辛い現実や、非常に難解で複雑な問題に対して、腹を括って真正面から取っ組み合い、最終的に自分の中で消化して受け入れる」という、多大な心理的エネルギーを伴うコアイメージがあります。

逃げ場のない真剣勝負のニュアンスが含まれる、非常に重みのある知的な表現ですよ。

実際に使ってみよう!

I finally came to grips with the fact that I need to change my career path.
(自分のキャリアパスを変えなければならないという現実に、ようやくしっかり向き合うことができた。)
[解説] 避けて通れない人生の転機や、辛い現実を受け入れて前へ進もうとする際の定番の実用的な表現です。

Many older companies find it hard to come to grips with new AI technology.
(多くの古い企業は、新しいAIテクノロジーに真正面から取り組むことに苦労している。)
[解説] 変化の激しいビジネスシーンで、新しいシステムや厄介な課題をどうにか受け入れようと悪戦苦闘する際にもよく使われます。

The government is struggling to come to grips with the economic crisis.
(政府は経済危機という難題にしっかり向き合うのに苦労している。)
[解説] 個人の感情だけでなく、政治の世界で「複雑で厄介な社会問題に対処する」というスケールの大きな文脈でも頻繁に使用されます。

『BONES』流・覚え方のコツ

レスリングや柔道の試合で、強大な対戦相手(=困難な問題や受け入れがたい現実)から逃げずに歩み寄り、両手でガチッと相手の襟や肩を「掴んで(grips)」、真っ向から組み合っている(come to)映像を頭に思い描いてみてください。

最初は相手の力に圧倒されて苦しいかもしれませんが、逃げずに組み合うことでしか前に進めません。

この「痛みを伴いながらも現実と取っ組み合う」という泥臭く力強いイメージを持つことで、単なる「理解する」とは違う深いニュアンスが定着しますよ。

似た表現・関連表現

come to terms with
(意味:〜と折り合いをつける、〜を受け入れる)
こちらも「辛い現実を受け入れる」という非常によく似た表現です。「grips」が格闘するプロセスに近いのに対し、「terms(条件)」は最終的に和解して納得する結果に焦点が当たります。

face up to
(意味:〜を直視する、〜から逃げずに立ち向かう)
「顔を上げて真っ直ぐ見る」という視覚的な態度に焦点が当たっており、問題から目を背けない勇気を表します。

deal with
(意味:〜に対処する、〜を処理する)
日常的なトラブルから仕事のタスクまで幅広く使える万能フレーズですが、「深い心理的な受容」という重みは少なく、より実務的なニュアンスですね。

深掘り知識:格闘技から生まれた心理表現への進化

この「come to grips with」というフレーズは、言葉の進化という観点で非常に面白い歴史を持っています。

もともと18世紀から19世紀にかけては、文字通りレスリングなどの格闘技で「互いに掴み合う、取っ組み合いの喧嘩を始める」という純粋な物理的動作を表す言葉として使われていました。

それが20世紀に入り、社会が複雑化するにつれて、「目に見えない抽象的な問題」や「複雑な心理状態」を相手に見立てて、「頭の中で取っ組み合いの格闘をする」という比喩表現へと美しく進化したのです。

物理的なアクションから知的な心理表現へと意味を深めていった歴史を知ると、この言葉が持つ「泥臭いまでの真剣さ」の理由がよくわかりますね。

まとめ|困難から逃げずに「組み合う」ための力強いフレーズ

いかがでしたか?
今回は『BONES』の不気味な面会シーンから、「come to grips with(困難と真正面から向き合う、現実を受け入れる)」という表現を深掘りしました。

生きていると、仕事の大きな壁や人間関係のトラブルなど、できれば目を背けたい現実に直面することがありますよね。

そんな時、ただ「understand(理解する)」と頭で処理するのではなく、「よし、この問題としっかり come to grips with(取っ組み合う)しよう!」と英語の力強いイメージを借りることで、一歩前に踏み出す勇気が湧いてくるかもしれません。

今回で『BONES』S02E04からのフレーズ解説は完結となります。
ドラマのセリフには、辞書だけでは測れない感情や人間模様がたっぷり詰まっています。ぜひ、これからも楽しみながら英語の引き出しを増やしていきましょう!

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