海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、人気法医学ドラマ『BONES』シーズン2第6話から、スポーツ用語から日常・ビジネスまで幅広く使われる表現「full court press」を深掘りしていきましょうね。
実際にそのシーンを見てみよう!
外交特権を盾に国外逃亡を図る容疑者の飛行機を足止めするため、ブース捜査官がホッジンズに無茶な指示を出すシーンです。
連邦航空局(FAA)に電話してデタラメな陰謀論を吹き込めと言われたホッジンズが、生き生きと確認するセリフに注目してみましょう。
Booth: Look, ok, listen to me alright. I need you in your craziest most paranoid conspiracy mode to call the FAA and tell them that a private flight to Bogota is about to leave Kent Island Private Airport and is carrying aliens or terrorists.
(なぁ、よく聞け。最高にクレイジーでパラノイアな陰謀論者モードになってFAAに電話し、ケント島プライベート空港からボゴタ行きのプライベートジェットが離陸すると伝えろ。エイリアンだかテロリストだかが乗ってるとかな。)Hodgins: Just one question. Full court press, no holds barred, maximum effort?
(1つだけ質問だ。全力で、制限なしの、最大出力でやっていいんだな?)Booth: Just stop the plane from taking off.
(とにかく飛行機が離陸するのを止めろ。)
BONES Season 2 Episode 6 (The Girl in Suite 2103)
シーン解説と心理考察
容疑者を逃がさないため、ブースは証拠ではなく「ホッジンズの陰謀論オタクっぷり」を最大の武器として利用します。
普段はそのマニアックな気質を周囲から呆れられているホッジンズですが、今回ばかりは公式に「持てる知識をすべて使って大暴れしろ」と許可をもらえたようなものです。
まるでスポーツの大一番に挑むかのように「Full court press」という戦術用語を使うあたりに、隠しきれない喜びと興奮が溢れ出していますね。
フレーズの意味とニュアンス
full court press
意味:全力の取り組み、総力戦、猛烈なアピール
元々はバスケットボールの用語で、相手の陣地(フルコート)全体を使って激しいプレッシャーをかける守備戦術(オールコート・マンツーマン・プレスなど)を指します。
そこから派生して、日常やビジネスにおいて「持てる力をすべて注ぎ込むこと」「全力でプレッシャーをかけること」「総力戦で挑むこと」という意味で使われるようになりました。
【ここがポイント!】
このフレーズのコアイメージは「一切の手加減なしの総攻撃」です。
単に一生懸命やるというよりは、あらゆる手段を使って相手を追い詰めたり、目標を達成しようとする「アグレッシブな勢い」が含まれています。
ビジネスの大型案件を取りに行く時や、選挙戦などの勝負所でよく耳にする表現ですよ。
実際に使ってみよう!
We need to put a full court press on the client to close this deal by Friday.
(金曜日までにこの取引をまとめるため、クライアントに全力でアプローチする必要があります。)
[解説] ビジネスシーンで、目標達成のために猛烈なプレッシャーをかける際によく使われる定番の形です。「put a full court press on 人」で覚えましょう。
The government is doing a full court press to reduce plastic waste.
(政府はプラスチックごみを減らすために総力戦で取り組んでいます。)
[解説] 会社や組織が、持てるリソースを全投入してキャンペーンや政策を行う際にも使われます。ニュースなどでもよく聞く表現です。
If you want to get into that university, you’ll have to put a full court press on your studies.
(あの大学に入りたいなら、猛烈に勉強に打ち込まなければなりませんよ。)
[解説] 日常会話において、誰かに「全力で頑張れ」とアドバイスする時にも使える、とても便利なフレーズですね。
『BONES』流・覚え方のコツ
ホッジンズが目をキラキラさせながら「全力でやっていいんだな!?」とブースに念押しする姿を思い浮かべてみてください。
普段は抑え込んでいる自分の陰謀論という武器を、コート全体(FAAという国家機関)に向かって一気に解き放つイメージと結びつけると、このフレーズの持つ「全開のアグレッシブさ」がスッと頭に入ってきますよ。
似た表現・関連表現
all out
(意味:全力で、徹底的に)
go all out(全力を尽くす)という動詞句で使われたり、名詞の前に置いて an all-out effort(全力の取り組み)としたりする、非常に汎用性の高いカジュアルな表現です。
no holds barred
(意味:制限なしで、何でもありで)
ホッジンズのセリフにも続けて登場した表現です。レスリングで「禁止されたホールド(技)がない」ことに由来し、手段を選ばない激しさを表します。
leave no stone unturned
(意味:あらゆる手段を尽くす)
直訳の「すべての石をひっくり返す」から転じて、探し物や問題解決において可能な限りのことを全てやる、というニュアンスで使われる知的なイディオムです。
深掘り知識:アメリカ社会とスポーツ由来のイディオム
英語にはスポーツ由来のビジネス・日常用語が数多く存在します。
今回の「full court press(バスケットボール)」をはじめ、「touch base(野球:連絡を取る)」「drop the ball(アメフト等:ミスをする)」などは、ネイティブの会話で日常的に飛び交います。
多様なバックグラウンドを持つ人々が集まるアメリカにおいて、スポーツは誰もがルールを共有できる「共通言語」としての役割を果たしてきました。
そのため、複雑なビジネスの状況やチームワークをスポーツになぞらえることで、感覚的に素早く状況を共有しやすいという背景があります。
スポーツ由来のイディオムをいくつかストックしておくと、ワンランク上のこなれた英語を話すことができますよ。
まとめ|持てる力をすべて出し切ろう
いかがでしたか?
今回は『BONES』から、スポーツの熱気そのままに使える「full court press(総力戦、全力の取り組み)」をご紹介しました。
ここぞという大勝負の時や、絶対に叶えたい目標がある時は、ホッジンズのように「Full court press!」と心の中で宣言して、思い切りチャレンジしてみてくださいね。


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