ドラマで学ぶ英会話|『BONES』S05E02に学ぶ「all over this」の意味と使い方

all over this

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は、物事に全力で取り組んだり、過剰に干渉したりする状況を表す表現を紹介しますね。様々な場面で活用できる便利なフレーズです。

目次

実際にそのシーンを見てみよう!

FBI本部にあるブースのオフィスでの一幕です。

被害者の身元が判明し、ブースが国務省のプレスコットを鋭く問いただしている場面に注目してください。

Booth: Yuri Antonov. He’s a courier for a Ukrainian diamond manufacturer. That’s it? Why are you State Department guys all over this?
(ユーリ・アントノフ。ウクライナのダイヤ製造業者の運び屋だ。それだけか?なぜお前ら国務省の人間がこれに首を突っ込んでるんだ?)

Prescott: Because that’s not..it.
(なぜなら、それだけじゃないからだ。)

Booth: Then what is it? What else do you have for me?
(だったら何なんだ?他に何を隠してる?)
Bones Season 5 Episode 2 (The Bond in the Boot)

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シーン解説と心理考察

ブースは被害者であるアントノフの顔写真が貼られたファイルを手に、国務省の役人であるプレスコットを問いただしています。

被害者が単なるウクライナのダイヤモンド製造業者の運び屋(クーリエ)であるという表面的な情報だけでは、畑違いの国務省がわざわざFBIの殺人事件捜査に干渉してくる理由として不自然だとブースは鋭く見抜いています。

「なぜお前たちがこの件にそこまでかかりきりになっているんだ?」と問い詰めるブースの言葉には、相手が何か重大な裏事情を隠しているに違いないという強い疑念と、自分の縄張りを荒らされたくないという捜査官としての縄張り意識が見え隠れしています。

対するプレスコットも情報を出し渋り、ブースの経歴や過去の行動を引き合いに出して牽制しようとします。

プロ同士の緊迫した腹の探り合いが展開される、非常に見応えのある場面ですね。

フレーズの意味とニュアンス

all over this
意味:〜に首を突っ込む、〜にかかりきりになる、〜に全力で取り組む、〜を完全に掌握している

「all over」は空間的に「〜の至る所に、〜の表面全体を覆って」という意味を持ちます。

そこに特定の事柄や問題を表す「this」や「it」が組み合わさることで、ある対象に対して隙間なくべったりと張り付いている状態、つまり「特定の事柄に対して並々ならぬ関心を寄せて首を突っ込んでいる」あるいは「全力で対応・処理している」という状況を表す非常に躍動感のあるイディオムとなります。

日常のカジュアルな会話から、ビジネスにおける問題解決の場面、さらには今回のような事件捜査のやり取りまで、幅広いコンテキストで登場する実用性の高い表現です。

【ここがポイント!】

ネイティブスピーカーがこのフレーズを使うとき、その根底には「対象を物理的・心理的に完全に覆い尽くしている」という強力なコアイメージが存在しています。

この表現の面白いところは、誰が主語になるかによってニュアンスが大きく二手に分かれる点です。

今回のブースのセリフのように、他人が自分の領域に踏み込んできたときに「Why are you all over this?」と使えば、「なぜそんなに過剰に干渉してくるんだ?」というネガティブな不信感や、パーソナルスペースを侵された不快感を表すことができます。

一方で、自分自身を主語にして「I’m all over this.」と宣言する場合は、「私に任せてください」「もう全力で対応しています」「完全に掌握しています」という、非常にポジティブで頼もしいニュアンスに変化します。

仕事で急なトラブルが発生したときに、有能な部下が上司に向かって「I’m all over it.(すぐに対処します/すでに手は打ってあります)」と答えるのは、ビジネスドラマでもおなじみのカッコいい定番の返し文句です。

状況を完璧にコントロール下に置いているという強い自信と責任感を示すことができる、大人の会話に欠かせないフレーズと言えますね。

実際に使ってみよう!

Don’t worry about the sudden schedule change, I’m all over this.
(突然のスケジュール変更については心配しないでください、私が全力で対応していますから。)
ビジネスシーンにおいて、同僚やクライアントを安心させるために非常に効果的なフレーズです。問題が発生してもパニックにならず、すでに状況の全体像を把握して必要な手続きを隙間なく進めているという、プロフェッショナルとしての頼もしさと機動力をアピールすることができます。

As soon as the rumor started spreading, the press was all over this scandal.
(その噂が広がり始めるや否や、マスコミはこのスキャンダルに一斉に群がった。)
ニュースや社会的な出来事について語る文脈でよく使われます。「all over」の持つ「表面を覆い尽くす」というイメージが、多数の記者がターゲットに群がり、あらゆる角度から徹底的に取材をして情報を嗅ぎ回っているような執拗な様子を見事に表現しています。

My cat is all over this new toy; she hasn’t stopped playing with it for hours.
(うちの猫はこの新しいおもちゃに夢中で、もう何時間も遊び続けているの。)
日常の微笑ましい場面でも活躍します。特定の物事に過剰なほどの関心を寄せて、文字通りべったりと張り付いて離れようとしない状態を表しています。趣味や新しいガジェットなど、人が何かにすっかり熱中してかかりきりになっている様子を描写するのにもぴったりです。

BONES流・覚え方のコツ

ブースが不信感をあらわにして国務省のプレスコットを問い詰めるシーンを思い浮かべてみてください。

本来なら自分たちFBIが扱うべきダイヤモンドの運び屋の殺人事件という「キャンバス」の上に、畑違いの国務省の人間が覆い被さるようにして、べったりと絵の具を塗りたくるように干渉してきている状態を視覚的にイメージしましょう。

「this(この事件)」の全体を「all over(覆い尽くす)」ほど異常な執着を見せている相手に対して、「なぜそんなに首を突っ込むんだ?」と訝しむブースの感情とリンクさせることで、このフレーズが持つ張り付くような執拗さや干渉のニュアンスが自然と記憶に定着しますよ。

似た表現・関連表現

stick one’s nose into
(〜に首を突っ込む、余計な干渉をする)
日本語の「首を突っ込む」に最も近い物理的なイメージを持つ表現です。他人の個人的な事情や、自分には関係のない問題に対して、文字通り「鼻(nose)を突っ込んで」嗅ぎ回るような、かなりネガティブで迷惑なニュアンスが含まれます。相手の過干渉を非難する際によく使われます。

on top of
(〜を完全に把握している、〜をうまく処理している)
「I’m all over it.」と同じように、物事をコントロール下におさめている頼もしい状態を表すビジネスの定番表現です。問題の「上に(on top of)」乗って見下ろしているイメージから、状況を俯瞰して適切に管理できているという自信に満ちたニュアンスを持ちます。

obsessed with
(〜に取り憑かれている、〜に異常な執着を持っている)
何かにかかりきりになっている状態の中でも、特に精神的な執着や依存に焦点が当たった表現です。「all over this」が行動や対応の迅速さを伴うことが多いのに対し、こちらは頭の中がそのことでいっぱいで、他のことが考えられないという心理的な重さや病的なニュアンスを含みます。

深掘り知識:アメリカの捜査機関と「縄張り争い」

今回のシーンでブースが国務省の介入に腹を立てていた背景には、アメリカの警察・捜査機関特有の複雑な「管轄権(jurisdiction)」の問題と、そこから生じる「ターフ・ウォー(縄張り争い)」という文化があります。

アメリカには、ブースが所属するFBI(連邦捜査局)をはじめ、CIA(中央情報局)、国務省(State Department)、さらに州警察や地元警察など、無数の機関が存在します。

それぞれに担当する事件や領域が厳密に決められているため、ひとつの事件に複数の機関が絡むと「ここは俺たちの縄張りだ」「いや、国家安全保障に関わるから我々が引き継ぐ」といった主導権争いが必ずと言っていいほど発生します。ドラマの中でも、プレスコットがFBIの捜査官に情報を開示することを渋り、ブースの経歴を審査しようとするなど、機関同士の対立構造が明確に描かれていましたね。

英語圏の刑事ドラマやスパイ映画を見る際、この「ターフ(自分の芝生=縄張り)」を守ろうとするキャラクターたちの心理を理解しておくと、作品の解像度がぐっと上がります。

「all over this」というフレーズが、単なる「取り組んでいる」という意味を超えて、「他人の芝生に土足で踏み込んで、全体を覆い尽くそうとしている」という侵略的なニュアンスを持つ理由も、こうした背景を知ることでより腑に落ちるのではないでしょうか。

言葉の裏にある社会の仕組みを知ることも、語学の大きな醍醐味ですね。

まとめ|前置詞のイメージを使いこなそう

今回は『BONES』のワンシーンから、物事に全力で取り組んだり、過剰に首を突っ込んだりする状況を表す表現を紹介しました。

自分自身を主語にして頼もしさをアピールしたり、相手の過干渉を指摘したりと、主語によってガラリと色合いが変わる非常に便利なイディオムです。

状況を思い浮かべながら、ぜひ日常の会話に取り入れてみてくださいね。

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