海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン4、オフィスビルで起きた事件を追う回では、捜査で歩き回るブースとブレナンが、仕事の合間にたびたび蜂の巣にたとえた軽口を交わします。今回はその中から、「queen bee」を軸にした、組織の序列を茶化す比喩表現を取り上げます。
二人のやり取りは軽妙な言い合いに終始しますが、そこに使われている英語表現には、日常会話でも応用できるヒントが詰まっています。順番に見ていきましょう。
「drone」ー 組織にたとえる軽口の始まり
事件現場となったオフィスビルで、ブースとブレナンは被害者の上司ギャリーから話を聞きます。「彼女は本当に優秀なオフィスマネージャーだった」というギャリーの言葉を受けて、ブレナンはこんな軽口を口にします。
Brennan: See? Booth? Some people accept their position as a drone.
(ほらね、ブース?中には自分の立場をただの働き蜂として受け入れる人もいるのよ。)Booth: Are you calling me a drone?
(俺のことを働き蜂だって言ってるのか?)Brennan: It’s not a pejorative statement, without the drones, the hive would die.
(けなしてるわけじゃないわ。働き蜂がいなければ、巣は死んでしまうもの。)BONES Season4 Episode06 (The Crank in the Shaft)
droneは本来「(オスの)働き蜂」を指す単語で、転じて「組織の中で黙々と働かされる人」を茶化して呼ぶときにも使われます。hive(巣)は組織そのもののたとえです。ブレナンは自分の発言を「けなしているわけではない」と断っていますが、ブースが少しムッとする空気は、二人のいつものやり取りらしいところです。
「queen bee」宣言と、ゆずらないブースの巣論
少し経って、別の現場に向かう道すがら、ブースは「働き蜂呼ばわりされるのは正直こたえる」とこぼします。すると話はさらに転がり、ブレナンは自分を「女王蜂」だと言い出します。
Booth: Look, I do not work for some faceless bureaucracy, okay? I work for the United States Government, and so do you, which makes you a drone, too.
(いいか、俺は顔の見えない官僚組織のために働いてるわけじゃない。合衆国政府のために働いてるんだ。それはお前も同じだろ、つまりお前も働き蜂ってことだ。)Brennan: No. No, I’m a completely independent contractor operating out of the Jeffersonian. In the hive, I would be the queen bee.
(いいえ、違うわ。私はジェファーソニアンを拠点にした完全な独立契約者よ。巣の中で例えるなら、私は女王蜂ということになるわね。)Booth: Still in a hive.
(それでも巣の中には変わりないだろ。)Brennan: In which I am the queen.
(その巣で、私は女王なのよ。)BONES Season4 Episode06 (The Crank in the Shaft)
queen beeは文字どおり「女王蜂」ですが、日常会話では「集団の中心に君臨する人」を指す表現としても使われます。ブレナンは自分を組織のトップに立つ存在だと言い張り、ブースは「それでも巣(組織)の中にいることに変わりはない」と切り返します。かみ合わないようで案外筋が通っている、二人らしい言い合いです。
| 英語表現 | 意味 |
|---|---|
| drone | 働き蜂、転じて「使われる側」の人 |
| queen bee | 女王蜂、集団の頂点に立つ存在 |
| hive | 巣、組織全体のたとえ |
存在しない「king bee」と、椅子をめぐるオチ
納得がいかないブースは、コピー機のある部屋でもこの話題を引きずり、ついにこう宣言します。
Booth: I’ll tell you what, I’m going to be the king bee in my department.
(言っておくけど、俺は自分の部署で王蜂になってやるからな。)Brennan: There’s no such thing as a king bee.
(王蜂なんて存在しないわ。)Booth: Sure there is. And he is going to have the finest chair in the hive.
(いや、いるね。しかもそいつは、巣の中で一番いい椅子に座るんだ。)BONES Season4 Episode06 (The Crank in the Shaft)
生物学的には「王蜂」は存在せず、ブレナンの指摘はあくまで正確です。それでもブースは自分の理屈を曲げず、椅子への執着とこの比喩をこじつけて結びつけてしまいます。エピソードの終盤、椅子を手に入れたブースにブレナンが同じ比喩でオチをつける場面もあり、この軽口の生命力が伝わってきます。
なお、この一連のやり取りはあくまで劇中のブースとブレナンが交わすコメディの一場面であり、実際の組織における出世争いや職場政治を一般化して描いたものではありません。
まとめ|職場を蜂の巣にたとえる英語遊び
drone(働き蜂)・queen bee(女王蜂)・hive(巣)という3つの言葉を軸に、ブースとブレナンが交わす軽口を見てきました。組織のたとえとして使われるこれらの表現は、日常会話でも茶化しのニュアンスで使える便利な言い回しです。
同じエピソードには椅子をめぐる社内手続きの英語を扱ったコラムもあります。次回も『BONES』と一緒に、英語表現の面白さを見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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