「Right off the bat」に見る、ワイアットの心理分析の英語|『BONES』S02E17で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「Right off the bat」に見る、ワイアットの心理分析の英語|『BONES』S02E17で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、BONES シーズン2 第17話に登場する、精神科医ワイアットがブレナンとブースの関係を分析していく場面の英語表現です。尋問室を追い出されたブレナンが一人でワイアットを訪ね、その後ダイナーでの言い争いに割って入ったワイアットが、これまでのセッションを踏まえて二人を分析します。

回りくどい言葉選びの奥に見えてくる、ワイアットの見立ての進み方を、実際のセリフとともに見ていきます。

目次

「domain」と「acquiesce in the idea that」――一人きりのセッションでの見立て

尋問室から締め出されたブレナンが「追い出された」と口にすると、ワイアットはすかさずその言葉の選び方に着目します。

Wyatt: For you to say kicked out means that you’ve acquiesced in the idea that this is his domain.
(「追い出された」という言い方をするということは、ここが彼の領分だという考えを、暗に受け入れているということだよ。)

BONES Season2 Episode17 (The Priest in the Churchyard)

acquiesce in the idea that ~ は「〜という考えを、異論を唱えずに受け入れる」という表現です。acquiesceはagreeよりも控えめで、「反対しないことで暗に認めてしまう」というニュアンスを持ちます。ワイアットはブレナンのkicked outという言葉尻から、彼女がすでにdomain(領分)という枠組みを受け入れていることを読み取っています。

「right off the bat」に見る、二度目のセッションの畳みかけ

その後、ダイナーで言い争うブースとブレナンのもとにワイアットが割って入り、二人の様子をquarrelling(言い争い)と呼びます。たった三回のセッションで見抜いた手際に、ブレナンは驚きを見せます。

Wyatt: I knew what your problem was right off the bat, if you’ll forgive the cricketing metaphor. The meetings were for fun. Booth never knows where to stand when he’s in the lab, feels like teats on a bull whenever he’s there. Ditto Dr Brennan in the interrogation room. Simple geography, sense of belonging, et cetera.
(きみたちの問題が何かは、最初から分かっていたよ、クリケットの比喩を許してもらえるならね。あのセッションは楽しみのためのものだった。ブースはラボにいる時、どこに立てばいいのか分からず、まるで場違いな居心地の悪さを感じるらしい。ブレナン博士も尋問室で同じだ。単なる場所の問題、居場所の感覚、といったところだね。)

BONES Season2 Episode17 (The Priest in the Churchyard)

right off the bat は「最初から」「即座に」という意味の口語表現で、野球でバットにボールが当たった瞬間を指す言い回しに由来します。cricketing metaphor(クリケットの比喩)と自ら断っているのは、この表現がアメリカ野球由来であることを踏まえた軽い自己ツッコミです。

「irrational fear」に見る、言い切りの構造

ブレナンが元恋人サリーとの過去を持ち出すと、ワイアットはpsychosocial development(心理社会的な発達)という言葉で、彼女が目的のない生き方に耐えられない段階にあると言い切ります。ブースが「二人の間の緊張はブレナンのせいだとワイアットは言っているんだろう」とブレナンに突きつけると、ワイアットは次のように切り返します。

Wyatt: Mmm, on the contrary. If anything, your issues are more pronounced, given that your behaviour is being affected by what turns out to be a quite irrational fear of being responsible for someone else’s destiny.
(いや、むしろ逆だね。どちらかと言えば、きみの問題の方が深刻だ。きみの振る舞いは、他人の運命に責任を負うことへの、まったく不合理な恐れに左右されているようだからね。)

BONES Season2 Episode17 (The Priest in the Churchyard)

an irrational fear of being responsible for ~ は「〜に責任を負うことへの不合理な恐れ」という意味で、irrational(不合理な)を添えることで感情の妥当性まで評価しています。ブースにも同じ調子で切り返すことで、ワイアットが一方だけを診断しているわけではないことが分かります。

まとめ|回りくどい言葉が明かす、ワイアットの見立て

acquiesce in the idea that、quarrelling、right off the bat、psychosocial development、an irrational fear of being responsible forという5つの表現から、ワイアットの分析的な話し方が形づくられていることが見えてきます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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