海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、BONES シーズン3 第15話でホッジンズとザックが実験の準備中に交わす軽口です。道具を渡す順番ひとつで、いつの間にか立場が入れ替わっている状況を、とぼけた調子で確認し合う言い方に注目します。
実験そのものの内容には触れず、二人が誰の指示に従うかでちょっとした張り合いを見せる、その掛け合いの呼吸だけを追いかけていきましょう。
道具の受け渡しを巡る、小さな主導権争い
研究室でホッジンズとザックが実験の準備を進めています。型と薬剤、どちらを誰が扱うかという些細なところで、二人の呼吸がすれ違います。
Hodgins: Ready for the monomer?
(モノマーの準備はいいか?)Zack: Yes. I believe so. The mold is over there on the side table.
(はい。そう思います。型はあちらのサイドテーブルの上にあります。)Hodgins: Why don’t you get the mold and I’ll mix in the monomer?
(型はお前が取ってきて、モノマーを混ぜるのは俺がやるっていうのはどうだ?)Zack: No. I’ll mix it in. Please hand me the monomer, then the mold.
(いいえ。それは私が混ぜます。モノマーを、それから型を渡してください。)BONES Season3 Episode15 (The Pain in the Heart)
Why don’t you 〜?は提案の形を取っていますが、ここでは役割を割り振ろうとする一言として使われています。ザックのNo. I’ll mix it in.という即座の否定と、Please hand me A, then Bという淡々とした指示の返しに、感情を交えず筋を通そうとする様子が表れています。I believe so.のような控えめな相槌も、断定を避けて事実を確認するザックらしい言い回しです。物腰は柔らかいのに、いざ役割の話になると一歩も譲らないところが、このやり取りの面白さになっています。
「Since when did I become the assistant?」ととぼける言い方
型を渡す役目を巡るやり取りの末、ホッジンズがふと漏らした一言に、ザックが間髪入れずに切り返します。
Hodgins: Since when did I become the assistant?
(いつから俺はお前の助手になったんだ?)Zack: Since I became the uncontested “King of the Lab”.
(私が異論の余地なき『King of the Lab』になってからです。)BONES Season3 Episode15 (The Pain in the Heart)
Since when did I become 〜?は「いつから自分は〜になったんだ」と、状況の変化にわざと今さら気づいたふりをして問い返す言い方です。皮肉や不満を込めつつも、深刻にならずに済む便利な型と言えます。ザックの返しはSince I became 〜と同じ構文をそのまま使い、”King of the Lab”というホッジンズ本人の決め台詞を逆手に取って言い返しているのが見どころです。相手の言葉の型をそっくり借りて返す切り返し方は、皮肉を効かせつつも角を立てにくい便利なテクニックと言えます。uncontestedは「異論の余地がない、誰にも異議を唱えられない」という意味の形容詞で、ザックが自分の立場をきっぱり言い切るのに一役買っています。
まとめ|とぼけた聞き返しで立場の変化を伝える語彙
“Why don’t you 〜?”で始まる何気ない役割分担の提案から、”Since when did I become the assistant?”というとぼけた聞き返し、”uncontested”という言い切りの一語まで、力関係の変化をわざと確認し合う言い方が並んでいました。相手に主導権を握られた時、深刻にならずに茶化して返す表現として覚えておきたいところです。
次回も『BONES』の研究室での掛け合いから、英語表現を追いかけていきましょう。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


コメント