海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、BONES シーズン4 第2話。焼け跡となった火災現場で、相棒を亡くしたばかりのプリチャード警部補が、動揺を表に出さず淡々とした受け答えを見せる場面に注目します。捜査を進めるブースとの短いやり取りに、感情の出し方の違いが表れています。
ブースの率直で飾らない物言いとの温度差から、気持ちを直接には言わず、それでも相手にしっかり伝える英語の型をたどってみましょう。
火災現場でのやり取り—”takes a knock”に映る抑制と直言の対比
火事で焼け残った現場を調べていたブースは、やかんに水が入っていないことに気づき、状況を淡々と指摘します。それに対しプリチャードは、遠回しな言い方で自分の胸の内をにじませます。
Booth: Water doesn’t evaporate if the stove wasn’t lit.
(コンロに火が入っていなかったなら、水は蒸発しない。)Pritchard: Oh, perhaps even British resolve takes a knock when one loses one’s partner.
(ああ、おそらく英国人の気丈さも、相棒を失えばこたえるものなのでしょうね。)BONES Season4 Episode02 (Yanks in the U.K. Part II)
ブースの一言は、状況を事実だけで切り返す直接的な言い方です。対してプリチャードはBritish resolve(英国人の気丈さ)という言葉を持ち出し、take a knock(一撃を受ける、こたえる)という言い回しで自分の動揺をやんわりと認めています。take a knockは文字通りには「一撃を受ける」ことですが、比喩表現としては「(自信や気力などが)こたえる、打撃を受ける」という意味で使われます。感情そのものを名指しせず、”resolveがknockを受ける”という一歩引いた言い方に、抑制的な物腰が表れています。
| 話し手 | 言い方 | ニュアンス |
|---|---|---|
| ブース | Water doesn’t evaporate if the stove wasn’t lit. | 事実を率直に指摘する言い方 |
| プリチャード | British resolve takes a knock when one loses one’s partner. | 婉曲に自分の動揺を認める言い方 |
“I’m British first”—優先順位で語る、もう一つの抑え方
捜査が進む中、プリチャードは私生活について踏み込んだ質問を受ける場面があります。動揺を見せる代わりに、彼女は自分の立場を淡々と並べ立てて答えます。
Pritchard: Oh, please. I’m British first, a cop second and a woman third. It’s a miracle it ever came to light.
(よしてちょうだい。私はまず英国人で、次に警官、女であるのはその次よ。よくもまあ、これが表沙汰になったものだわ。)BONES Season4 Episode02 (Yanks in the U.K. Part II)
I’m British first, a cop second and a woman third.は、自分を形容する属性を優先順位で並べる言い方です。感情的な反応の代わりに順位付けという枠組みに置き換えることで、動揺を見せずに答えるプリチャードらしい返し方と言えます。続くcome to lightは「明るみに出る、表沙汰になる」という意味の言い回しで、隠していた事情が知られてしまったことへの驚きを、あくまで淡々とした調子で表しています。
まとめ|”takes a knock”に見る、抑えて語る英語表現
take a knock、I’m British first, a cop second and a woman third、come to lightと、感情を直接には言わずに伝える言い回しをたどってきました。ブースの率直な物言いとの対比から、抑えて語ることそのものが一つの表現の型になっていることが見えてきます。
『BONES』が描くこうした温度差を、これからも味わっていきましょう。
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