海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ドラマを見ていると、文化の違いから「今のセリフ、どういう意味?」と立ち止まる瞬間がありませんか?
今回は、アメリカの車社会と夜のライフスタイルに深く根付いた、知らなければ絶対に訳せない名詞フレーズをピックアップします。
直訳では見えてこない、リアルな海外文化のワンシーンを一緒に覗いてみましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
夜の高速道路を走る車内のシーンです。
若者3人が乗っており、運転席の青年が難しい言葉を使って得意げに話すのを、後部座席の友人たちがからかっています。この後、彼らの車のフロントガラスに頭蓋骨が降ってくるという衝撃的なオープニングに繋がる直前の、ありふれた日常のやり取りです。
Driver: You have zero vocab skills!
(お前ら、語彙力がゼロだな!)Backseat Girl: You’re bitter, because you’re the designated driver and we’re not.
(あなたが不機嫌なのは、自分がハンドルキーパーで私たちがそうじゃないからでしょ。)Backseat Guy: Whoa, dude. What does that even mean, “designated”?
(おいおい。そもそも「デジグネイテッド」ってどういう意味だよ?)
BONES Season3 Episode1 (Widow’s Son in the Windshield)
シーン解説と心理考察
運転手の青年が少しイライラしているのに対し、後部座席の友人たちはお酒も入っているのか、すっかりリラックスして楽しんでいます。
自分たちはシラフでいなければならない不満をいじられ、さらに自分が使った難しい単語ではなく「designated(指名された)」という言葉に後部座席の友人が反応しているという、なんとも若者らしいシーンですね。
少し滑稽でリアルな空気感が、ありありと描かれています。
フレーズの意味とニュアンス
designated driver
意味:ハンドルキーパー、お酒を飲まない運転手
designateは「指名する」「指定する」という動詞で、直訳すると「指名された運転手」となります。
グループで車で飲みに出かける際に、お酒を飲まずに皆を安全に家まで送り届ける役割を担う人のことを指す、アメリカの日常に不可欠な言葉です。
【ここがポイント!】
アメリカをはじめとする車社会の地域では、飲み会やパーティーの前に「今日は誰がDD(Designated Driverの略)になるか」を話し合って決めるのが一般的です。
飲酒運転撲滅のためのキャンペーンから広まった言葉ですが、現在では若者から大人まで、週末の予定を立てる際に必ず登場する超頻出フレーズとなっていますよ。
実際に使ってみよう!
I can’t drink tonight. I’m the designated driver for my friends.
(今夜は飲めないんだ。友達のハンドルキーパーだからさ。)
バーやパーティーで、お酒を勧められた際に角を立てずに断るための最もスマートで一般的なフレーズです。
Who wants to be the designated driver this weekend? I’ll buy your dinner!
(今週末、誰かハンドルキーパーやってくれない?夕食はおごるから!)
友人グループのチャットなどで、運転手を引き受けてもらう代わりに食事をご馳走する条件を提示するカジュアルな表現です。
Make sure you have a designated driver before you head out to the club.
(クラブに出かける前に、必ず誰が運転するか決めておきなさいよ。)
親が夜遊びに出かける子供に対して、安全を気遣って釘を刺すようなシチュエーションで使われます。
BONES流・覚え方のコツ
後部座席で陽気に騒ぐ友人たちをよそに、「指名された(designated)」から仕方なく一人だけシラフで「運転(driver)」をし、少し不機嫌(bitter)になっている青年の表情を思い浮かべてみましょう。
役割への不満と諦めが混じった顔をイメージすると、このフレーズの背景がスッと理解しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
DD
(ハンドルキーパー/Designated Driverの略)
日常会話やテキストメッセージでは、長いため頭文字をとってDD(ディーディー)と省略されることが非常に多いです。
sober driver
(シラフの運転手)
soberは「シラフの」「酔っていない」という意味です。役割として事前に指名されたかどうかにかかわらず、結果的にお酒を飲んでいない運転手を指します。
designated walker
(酔っ払いを安全に家まで歩いて送り届ける人)
車ではなく徒歩で帰る場合に、フラフラの友人の安全を確保する役割の人を指す、ユーモアを交えた派生表現です。
深掘り知識:ハリウッドが社会を変えた歴史的キャンペーン
誰もが楽しめる、さらに一歩踏み込んだ知見としてご紹介したいのが、この言葉の歴史です。
「designated driver」という概念は、もともと北欧で生まれたものでした。それを1980年代後半、ハーバード大学の公衆衛生大学院がアメリカのテレビ業界とタッグを組み、大々的な社会運動(The Harvard Alcohol Project)として展開したのです。
人気ドラマの脚本家たちに協力を仰ぎ、劇中の自然な会話の中にこの言葉を組み込んでもらうことで、瞬く間に大衆の意識を変え、飲酒運転の死亡事故を激減させました。
『BONES』のこのシーンも、ハリウッドが作り上げ、社会に深く定着した文化の証と言えますね。
まとめ|文化を映し出す言葉で、ドラマ視聴をもっと楽しく!
いかがでしたでしょうか。今回は「designated driver」の意味と使い方を解説しました。
単なる英語表現にとどまらず、その背後にある社会運動や人々のライフスタイルまで見えてくるのが、ドラマを使った英語学習の最高の醍醐味ですね。週末にお酒を楽しむ際にも、ぜひこのフレーズを思い出してみてください。


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