アメリカの里親制度(フォスターケア)をドラマに見る ― このエピソードの会話から|『BONES』S01E05で学ぶ英会話

『BONES』コラム: アメリカの里親制度(フォスターケア)をドラマに見る ― このエピソードの会話から|『BONES』S01E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

BONESのシーズン1第5話は、里子として育てられていた少年たちを中心に展開する回です。今回は、事件そのものではなく、登場人物たちの会話に繰り返し出てくる「里子」「里親制度」という言葉に焦点を当てます。

ドラマの中でこの言葉がどう使われているかを、実際のセリフとともに見ていきましょう。

目次

「里子」という呼び方 ― foster son・foster child

被害少年チャーリーの母マーガレットは、捜査官ブースの聞き込みに対し、家にいるもうふたりの少年についてこう答えます。

Margaret: Foster sons. Though I try not to make the distinction.
(里子たちよ。でも、区別はしないようにしているの。)

Bones Season1 Episode5 (A Boy in a Bush)

foster son / foster childは、血縁のない大人に引き取られて育てられる子どもを指す言葉です。マーガレットの「区別はしないようにしている」という一言には、実子と里子という括りそのものへの距離の取り方が滲んでいます。このエピソードでは、亡くなったチャーリー自身も含め、複数の登場人物が里子として育った、または育てている立場として描かれています。

「制度」として語られる里親システム ― the system・emergency care

少年たちの今後が話し合われる場面では、foster careは個人の事情としてだけでなく、行政の仕組みとしても語られます。ブースは、保護された兄弟が離れ離れにならないよう手を尽くしたことを、ブレナンにこう報告します。

Booth: Bones, I thought you’d like to know that Shawn and David are in emergency care. Pulled some strings, you know, to make sure they- they get to stay together.
(ボーンズ、ショーンとデイビッドは緊急保護に入ったって伝えたくてな。手を回して、あの子たちが離れ離れにならないようにしたんだ。)

Bones Season1 Episode5 (A Boy in a Bush)

emergency careは、里親家庭を離れた子どもが一時的に保護される仕組みを指す言葉として使われています。また別の場面では、ブレナンが制度そのものの厳しさを問いかけるような一言を口にしており、the systemという言葉に、この仕組みへの複雑な感情がにじむ場面もあります。ドラマの中の会話に限って言えば、foster careは個々の家庭の事情であると同時に、当事者の意思だけでは動かせない「システム」として描かれているのが見どころです。

ブレナン自身の「里子」としての経験

少し前の場面では、保護された少年のひとりが、普通の家の子はみんな自分が里子だと知っている、あなたに何が分かるのか、という趣旨の言葉をブレナンにぶつける場面がありました。ブースが自分の言葉足らずに気づいて謝る場面のあと、ブレナンは短い沈黙をはさんで、自身の過去を打ち明けます。

Brennan: I was a foster child until my grandfather got me out.
(私も、祖父が引き取ってくれるまでは里子だったの。)

Bones Season1 Episode5 (A Boy in a Bush)

普段は事実と論理を軸に話すブレナンが、自分の生い立ちという個人的な経験を口にする、数少ない場面のひとつです。制度の説明としてではなく、経験した者だけが語れる実感として描かれているのが印象的です。

このエピソードで描かれる里親制度の運用は、あくまで『BONES』という作品内の一例です。制度の実際の仕組みや運用は、国・州・時代によって大きく異なり、本作の放送当時(2005年)と現在とでも差があります。ここで紹介したのは、ドラマの会話に表れた言葉と場面の範囲内での観察です。

まとめ|「里子」という言葉が映す、距離と経験の違い

foster son、emergency care、the systemという言葉を通して、このエピソードは里子という立場を、行政上の仕組みとしても、個人の経験としても描いていました。同じ「里子」という言葉でも、語る人の立場によって透けて見えるものが違うことが分かります。

次回もBONESの会話から、作品ならではの視点を見ていきましょう。

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