「case」は一語で七変化 ― 捜査ドラマで学ぶ多義語のニュアンス|『BONES』S01E05で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「case」は一語で七変化 ― 捜査ドラマで学ぶ多義語のニュアンス|『BONES』S01E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

BONESのシーズン1第5話には、caseという単語が何度も登場します。事件・案件という基本の意味だけでなく、慣用句の一部としても、話をつなぐ言葉としても使われており、同じ単語がシーンごとに違う顔を見せています。

捜査ドラマならではのこの多義語を、実際のセリフを手がかりに見ていきましょう。会話の流れの中でcaseがどう姿を変えるかを追うと、単語帳だけでは見えてこない使い分けが見えてきます。

目次

決まり文句としての case ― I rest my case

研究所でザックが「動物好きの何がいいのか分からない」と漏らすと、ブースはすかさずこう言い返します。

Booth: I rest my case. She’s more sensitive.
(ほら、これで証明終わりだ。彼女の方がよっぽど繊細なんだよ。)

Bones Season1 Episode5 (A Boy in a Bush)

I rest my caseは、裁判で弁護側・検察側が「これ以上主張することはない」と述べる決まり文句に由来する言い回しです。日常会話では、自分の主張を裏づける例をひとつ挙げたあとに、「ほら、これで証明完了」と締めくくる場面で使われます。ここでは、ザックの反応そのものが、ブースの言いたいことを裏づける材料として扱われているのが面白いところです。

状況をつなぐ case ― in this case・the case at hand

同じ case でも、文の中で「この場合は」「今扱っている件は」という文脈をつなぐ働きをする使い方もあります。行方不明の少年を防犯カメラの映像から探す場面で、アンジェラは自作の照合プログラムについて説明し、in this case(この場合は)という言葉で、これから探す対象を具体的に絞り込みます。

一方、事件とは無関係な話題が続いたときには、ブレナンが会話を本題に戻すためにこう言います。

Brennan: Which has nothing to do with the case at hand.
(それは今扱っている事件とは何の関係もないわ。)

Bones Season1 Episode5 (A Boy in a Bush)

the case at handは「今、目の前で扱っている案件」を指す定型句です。in this caseが個別の状況を絞り込む働きをするのに対し、the case at handは脱線した話を本筋に引き戻す働きをしています。似た形でも、会話の中での役割は少し違います。

文字通りの「事件」を指す case ― focus on the case・case file

残る2つは、caseが最も基本的な意味である「事件・案件」を指して使われる場面です。ザックが住まいの間取りを延々と説明し始めると、ブースは呆れながらfocus on the case(事件に集中してくれ)と話を戻します。物語の終盤でも、FBIから預かった証拠の分析を頼まれた研究所の責任者が、case file(事件ファイル)という言葉でその中身を確認しようとする場面があります。

表で5つの使い方を整理すると、次のようになります。

表現 ニュアンス このエピソードでの使われ方
I rest my case 主張の証明を締めくくる決まり文句 自分の意見を裏づけて話を終える
in this case 個別の状況を指す文脈用法 探す対象を具体的に絞り込む
the case at hand 今扱っている案件を指す定型句 脱線した話を本筋に引き戻す
focus on the case 事件そのものへの集中を促す 間取りの説明から事件に話を戻す
case file 事件ファイル・書類を指す複合語 証拠の分析依頼の中身を確認する

同じ単語がここまで幅を持つのは、caseという語が「主張の中身」「状況の枠組み」「事件そのもの」「書類の束」と、指し示す対象を変えながら使われているためです。

まとめ|せまいようで意外と広がるcase

このエピソードだけでも、caseはI rest my case・in this case・the case at hand・focus on the case・case fileと、5つの異なる顔を見せていました。ひとつの単語が決まり文句にも、文脈をつなぐ言葉にも、事件そのものを指す言葉にもなる幅広さは、捜査ドラマならではの発見です。

次回もBONESの会話から、単語の意外な広がりを見ていきましょう。

同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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