海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は人気サスペンスから、上級者向けの生きたフレーズをピックアップ。
一緒に楽しく、英語の引き出しを増やしていきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
ブレナンが逃亡中の父親マックスと密かに再会し、彼を逃がすまいと対峙する緊迫のシーンです。
父親を引き留めるため、ブレナンは強硬手段に出ます。
Max: I gotta go, Tempe.
(もう行かないと、テンペ。)Brennan: No. I mean I can’t let you go. (she kicks him and he falls to the ground) I’m sorry.
(ダメよ。あなたを逃がすわけにはいかないの。(彼を蹴って倒す)ごめんなさい。)Max: Ooh. I must be getting old. I let you get the drop on me.
(あぁ。私も歳をとったな。お前に機先を制されるとは。)
BONES Season2 Episode11 (Judas on a Pole)
シーン解説と心理考察
長年行方不明だった父親との再会という感動的な場面でありながら、FBIに協力する立場として彼を逃がすまいとするブレナンの葛藤が描かれています。
父親を蹴り倒してまで引き留めようとする彼女の行動に驚きつつも、「get the drop on me(私を出し抜くとは)」と、どこか娘の成長を認めるようなマックスのセリフ。
親子の複雑な絆を感じさせる、非常に印象的な場面ですね。
フレーズの意味とニュアンス
get the drop on
意味:〜の機先を制する、〜を出し抜く、〜より優位に立つ
西部劇の時代に由来する、非常にドラマチックでかっこいいイディオムです。
「drop」には「落ちる」のほかに「急降下、不意打ち」といったニュアンスがあります。
相手が準備する前に先手を打って有利な状況を作り出す、という状況で使われます。
【ここがポイント!】
コアイメージは「相手より先に銃を抜いて狙いを定める」ことです。
相手が油断している隙を突いて主導権を握る、という緊迫感のある響きを持っています。
今回のシーンでは銃ではなくブレナンの「素早い蹴り」が不意打ちとなっていますが、まさに相手の機先を制して優位に立った完璧な使い方ですね。
現代では物理的な戦闘だけでなく、ビジネスの競争でライバル企業を出し抜いたりする際にも比喩的に使われる、上級者向けの表現です。
実際に使ってみよう!
The rival company got the drop on us by releasing their product a month early.
(ライバル企業は自社製品を1ヶ月早く発売することで、我々を出し抜いた。)
ビジネスの文脈で、競合他社に先を越されて不利な状況に立たされた時に使える表現です。戦略的な出し抜きを表すのにぴったりですね。
I tried to surprise him, but he got the drop on me and yelled “Boo!” first.
(彼を驚かそうとしたのに、先を越されて彼の方から「わっ!」と脅かされてしまった。)
日常のちょっとしたイタズラやサプライズなどで、相手に先手を打たれてしまったというカジュアルでユーモラスな場面でも活躍します。
The detective managed to get the drop on the suspect before he could draw his weapon.
(その刑事は、容疑者が武器を抜く前に機先を制することに成功した。)
刑事ドラマやアクション映画で頻出する、本来の「銃の構え合い」に近いスリリングな状況を表す使い方です。
BONES流・覚え方のコツ
娘のブレナンに蹴り倒され、地面に「ドスン(drop)」と倒れ込んだマックスの姿を思い浮かべてみてください。
「まさか自分の娘に不意打ちを食らうとは」と苦笑いしながらも、どこか誇らしげな彼の表情と一緒にインプットするのがおすすめです。
相手の隙を突いて有利に立つというこのフレーズの情景が、より鮮明に焼き付きますよ。
似た表現・関連表現
outsmart
(〜の裏をかく、〜を出し抜く)
get the drop onが「スピードやタイミングで先を越す」という物理的な先制攻撃のニュアンスを持つのに対し、こちらは「知恵や頭脳で相手を上回る」ことに焦点を当てた表現です。
beat someone to the punch
(〜の先を越す、〜より先に手を打つ)
ボクシングに由来し、相手がパンチを打ってくる前に自分が先にパンチを当てるというコアイメージがあります。日常会話で非常によく使われる表現です。
gain the upper hand
(優位に立つ、主導権を握る)
こちらは出し抜くというアクションそのものよりも、その結果として「有利な立場(upper hand)を手に入れた状態」にフォーカスした表現になります。
深掘り知識:銃社会アメリカから生まれた「フライング」な英語たち
「get the drop on」のように、アメリカの開拓時代や銃社会の歴史から生まれた英語表現は数多く存在します。
例えば、陸上競技などでフライングしてしまうことを「jump the gun(号砲の前に飛び出す=早まる)」と言ったり、よく考えずに行動することを「shoot from the hip(腰だめで撃つ=直感で動く)」と言ったりします。
これらはすべて、常に危険と隣り合わせだった開拓者たちの過酷な生活環境や、一瞬の判断が命取りになるという緊張感が言葉に反映された結果です。
歴史的な背景を知ることで、フレーズが持つ本来の緊迫感やエネルギーをより深く味わうことができますね。
まとめ|タイミングを見極めて先手を打とう
今回は『BONES』の緊迫した親子の対峙から、「get the drop on(機先を制する)」という上級者向けの表現をご紹介しました。
ビジネスや日常のちょっとした駆け引きなど、ここぞという時に使えると非常にかっこいいフレーズです。
関連表現と合わせて、ぜひ表現の幅を広げてみてくださいね。


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