ドラマで学ぶ英会話|『BONES』S10E14に学ぶ「have it in for」の意味と使い方

have it in for

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『BONES』シーズン10第14話から、特定の相手への執拗な敵意を表す「have it in for」をご紹介します。ミステリー作品の犯人探しでも頻出するこの表現を、ドラマのシーンと一緒に学んでいきましょう。

目次

実際にそのシーンを見てみよう!

ミニゴルフ場での殺人事件の捜査中、ブースが被害者トロイの人間関係について聞き込みをしている場面です。トロイに資金援助をしてきたサミーとロリが、トロイに強い恨みを持つ人物の存在を明かします。被害者の周囲にいた人物像が浮かび上がる、ミステリーの醍醐味が詰まったシーンです。

Lori: Troy kind of kept to himself. I mean, all my golfers knew him, but he really wasn’t close with any of them.
(トロイはどちらかというと一匹狼でした。みんな顔は知ってたけど、誰とも親しくなかったわ。)

Sammy: There is one guy who really seemed to have it in for Troy.
(でも、トロイを目の敵にしてるような奴が一人いましたね。)

Booth: Who?
(誰だ?)

Sammy: Last year’s Mini Masters champion, Winston Scruggs.
(去年のミニ・マスターズ優勝者、ウィンストン・スクラッグスですよ。)

BONES Season10 Episode14 (The Putter in the Rough)

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シーン解説と心理考察

ピエロや風車の障害物が並ぶ平和でコミカルなミニゴルフ場が舞台ですが、その裏には大人たちの真剣すぎる勝負への執着が渦巻いていました。被害者のトロイは周囲と距離を置くタイプでしたが、前年のチャンピオン、スクラッグスだけは別でした。決勝でトロイに敗れて以来、個人的な恨みを抱き続けていたのです。

「have it in for」という言葉をサミーが使ったのは、単なる「ライバル関係」ではなく、もっとドロドロとした個人的な敵意がそこにあることを示唆しているからです。一時的な怒りではなく、ずっと相手を目の敵にし続けている継続的な悪意——そのニュアンスが「容疑者発見」へとつながる重要な手がかりとなっています。コミカルな舞台設定と人間のドロドロした感情の対比が、このシーンの緊張感をより際立たせています。

「have it in for」の意味とニュアンス

have it in for
意味:〜を目の敵にする、〜に恨みを持っている、〜に悪意を抱く

直訳すると「〜のために、それ(it)を中に持っている」となります。この「it」は明確に定義されていませんが、文脈上「悪意」「恨み」「怒り」といったネガティブな感情を指しています。つまり「特定の相手に対して、心の中にずっと黒い感情をため込んでいる」状態を表すイディオムです。

一時的にカッとなって怒っているというよりも、継続的にターゲットを定めた執拗な敵意を表す際によく使われます。ミステリー作品では、この「継続する悪意」が殺人の動機として描かれることが多く、聞き込みシーンで容疑者の的を絞る際に頻繁に登場する表現です。

【ここがポイント!】

このフレーズの核心的な感覚は、「特定のターゲットへの継続的なロックオン」です。「hate(嫌い)」が感情の状態を指すのに対し、「have it in for」には「その感情を胸に抱え続けている」という時間の長さと執着の強さが込められています。「あの人は私のことを嫌いみたい」ではなく、「あの人はずっと私を目の敵にしている」というニュアンスを出したい時に使うのがこの表現です。

実際に使ってみよう!

My math teacher definitely has it in for me. He always gives me the hardest questions.
(数学の先生は絶対に私を目の敵にしてる。いつも私に一番難しい質問をしてくるの。)
学校や職場で「特定の人から不当に厳しくされている」と感じた時の定番表現です。誰もが一度は口にしたくなる状況ではないでしょうか。

I think my cat has it in for me. She always knocks my coffee over.
(うちの猫、私のことを目の敵にしてると思う。いつも私のコーヒーをなぎ倒すのよ。)
動物や機械に対して冗談っぽく使うこともできます。「絶対わざとでしょ!」と言いたい時にぴったりのユーモラスな使い方です。

Ever since I got promoted, I feel like my colleagues have it in for me.
(昇進して以来、同僚たちから目の敵にされているような気がする。)
嫉妬や妬みが原因の人間関係を表現するのにも適しています。職場あるあるとして共感を呼ぶ使い方です。

『BONES』流・覚え方のコツ

ミニゴルフのコースを想像してみてください。スクラッグスが全力でボールを打ち込む先に、いつもトロイのゴール(it)があります。打っても打っても「負かしたい相手(it)」に向けたショットを打ち続けている——「have it in for」の「it」を、そうした「いつまでも向け続けている恨みのボール」だと思い浮かべると、このイディオムが持つ執拗さと継続性がイメージとしてつかみやすくなります。ミニゴルフの風景とセットで覚えると、このフレーズが使われたシーンが鮮明によみがえります。

似た表現・関連表現

hold a grudge against
(〜に恨みを抱く、根に持つ)
「have it in for」と非常に近い意味ですが、こちらは過去の特定の出来事(喧嘩や裏切りなど)が原因でずっと怒りを引きずっている状態をより明確に表します。「grudge(怨恨)」という重みのある単語が使われているため、ニュアンスも少し重厚です。

pick on
(〜をいじめる、〜にガミガミ言う)
ターゲットを定めて嫌がらせをするという点では同じですが、こちらはより直接的な行動(からかう・文句を言う・いじめる)を指します。「have it in for」が心の中の悪意に焦点を当てるのに対し、「pick on」は実際の言動に焦点を当てた表現です。

bear ill will toward
(〜に悪意を抱く)
非常にフォーマルで硬い表現です。ニュースや法的な文書、文学作品などで使われることが多く、意味の核は「have it in for」と同じですが、日常会話ではほとんど登場しません。

深掘り知識:英語イディオムに潜む「it」の謎めいた力

「have it in for」のように、具体的な名詞ではなく「it」を使ったイディオムは英語に数多く存在します。「make it(成功する、間に合う)」「lose it(冷静さを失う、キレる)」「get it(理解する)」などはその代表例です。

あえて「it」とぼかすことで、ネイティブスピーカーは共通のニュアンスを暗黙の了解として共有しています。言葉にしなくても「アレを持っているよね」と通じ合う、一種の言語的なショートカットです。今回の「it」は「悪意や恨み」を指しますが、その正体を明示しないことで、かえって「どす黒い何か」という感覚がリアルに伝わる面白い表現です。

ミステリー作品において、この「it」はしばしば殺人の動機に直結します。誰かの心の中に潜む正体不明の「it(悪意)」を解き明かすことが、まさにブースとブレナンの仕事。代名詞ひとつに注目するだけでも、英語の感情表現の奥深さが伝わってきます。

まとめ|人間のドロドロも英語で表現できるようになろう

今回は『BONES』シーズン10第14話の聞き込みシーンから、特定の相手への執拗な敵意を表す「have it in for」をご紹介しました。一時的な怒りではなく、時間をかけて積み上がった継続的な恨みを表現できるのが、このフレーズの特徴です。ミステリーの犯人探しでも日常の人間関係でも登場するシーンは多く、覚えておくと聞き取りの解像度がぐっと上がります。冗談っぽく動物や機械に使ってみるのも、表現を定着させる楽しい練習になりますよ。

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