海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は大人気法医学サスペンス『BONES』シーズン8第3話から、相手の素質や才能を認める際に使われる「have the goods」をピックアップして解説します。
普段は憎まれ口ばかりのブースが、こっそり本音を漏らすシーンは必見です。
実際にそのシーンを見てみよう!
キャロラインから「昇進はない」と告げられた後、ブースとブレナンが二人で話しているシーンです。
普段は若手として扱っているスイーツに対する、ブースの率直な本音がこぼれます。
Booth: Oh. You said there was a casualty; who was it?
(あぁ。負傷者が出たと言っていたな。誰だったんだ?)Brennan: Sweets. He’ll be fine.
(スイーツよ。彼は大丈夫。)Booth: Sweets. That boy’s got the goods. But you better not tell him I said that.
(スイーツか。あいつは素質があるな。でも、俺がそう言っていたとは言うなよ。)Brennan: No problem. As far as the world’s concerned, you’re a horrible person, cherie.
(問題ないわ。世間から見れば、あなたはひどい人よ、あなた。)Booth: I knew I could count on you, cherie.
(君なら頼りになると思っていたよ、お前さん。)BONES Season8 Episode3(The Gunk in the Garage)
シーン解説と心理考察
ブースはベテラン捜査官として、若い心理学者のスイーツをからかったり現場での未熟さを指摘したりすることがよくあります。
しかし厳しい状況でのスイーツの対応を目の当たりにし、心の中ではその能力と根性をしっかり認めていることがわかります。
「本人には言うなよ」と釘を刺すあたりが不器用で愛らしいのですが、ブレナンの返し「世間から見れば、あなたはひどい人よ」もこのシーンの見どころです。
ブースの”株”を守るために、あえて正反対のことを言ってあげるというブレナンなりの気遣いであり、それを「君なら頼りになる」と受け取るブースとの間に、言葉の裏にある深い信頼関係が透けて見えます。
「have the goods」の意味とニュアンス
have the goods
意味:才能がある、素質がある、必要なものを持っている
「goods」は通常「商品・品物」という意味を持つ名詞ですが、口語やスラングでは物理的なモノの枠を超えて、「(何かを成し遂げるための)能力・技術・魅力・証拠」といった抽象的な意味でも使われます。
「have the goods」と表現することで、「必要な品物をしっかり持っている」状態から転じて、「期待に応えるだけの才能や素質を備えている」「本物だ」と人物を高く評価する意味になります。
今回のブースのように「got the goods(have got the goods の略)」というより口語的な形で使われることが非常に多いです。
【ここがポイント!】
この表現は、単に「スキルが高い」という客観的な事実を述べるだけでなく、「あいつは本物だ」「大したものだ」という話し手の強い感心やリスペクトが込められているのが最大の特徴です。
スポーツ選手やアーティスト、職場で頭角を現してきた若手などを称賛するときによく使われます。
フォーマルなビジネス文書よりも、プロフェッショナル同士が互いの実力を認め合うような少し砕けた場面に映える、粋な褒め言葉です。
実際に使ってみよう!
The new graphic designer definitely has the goods. Her portfolio is amazing.
(あの新しいグラフィックデザイナーは間違いなく才能がある。彼女のポートフォリオは素晴らしいよ。)
新しく入社した同僚の実力を高く評価しているビジネスシーンです。「ただの新人」ではなく、プロとして期待値を大きく超えてきた驚きと確信が込められています。
He practiced every day, and now he has the goods to become a professional piano player.
(彼は毎日練習して、今ではプロのピアノ奏者になるだけの素質を持っている。)
努力の末に確かな実力を身につけた人を称える文です。「〜になるための素質」と具体的に言いたいときは、後ろに「to不定詞」を続けると綺麗に表現できます。
I wasn’t sure about him at first, but he proved he’s got the goods in the final game.
(最初は彼のことを疑っていたけど、決勝戦で本物だということを証明した。)
スポーツの大一番で結果を出した選手を称える際によく使われる表現です。「he has got」を短縮した「he’s got」を使うことで、よりネイティブらしい自然な口調になります。
『BONES』流・覚え方のコツ
ブースが少し照れくさそうに「あいつ、なかなかやるな」とスイーツを認める場面を思い浮かべてみてください。
普段は厳しく接している上司や先輩が、陰でこっそり「He has the goods.」と評価してくれている状況を想像すると、このフレーズが持つ粋な温かさが記憶に残りやすくなります。
誰かの隠れた才能や目覚ましい成長にハッとさせられた瞬間に、ブースのように少し斜に構えながら心の中でつぶやいてみてください。
似た表現・関連表現
have what it takes
(必要な条件を備えている、素質がある)
「have the goods」とほぼ同じ意味で使われる定番表現です。「成功するために必要なもの(what it takes)を持っている」という意味合いで、生まれ持った才能だけでなく、苦境を乗り越える根性や精神力を含めた総合的な素質を指す際によく好まれます。
promising
(前途有望な、見込みのある)
未来への期待感が強い形容詞です。「He is a promising young actor.(彼は有望な若手俳優だ)」のように名詞の前に置いて使い、現在はまだ発展途上でも将来間違いなく大成するポテンシャルを持つ人を表すのに適しています。
cut out for
(〜に向いている、〜の適性がある)
「be cut out for 〜」の形で使われ、その人の性格や才能が特定の仕事や役割にぴったり合っていることを表します。布地が型紙に合わせて切り出されている(cut out)様子から生まれた、視覚的で面白い表現です。
深掘り知識:「goods」が持つコアイメージと関連表現
「goods」というシンプルな単語には、「その場で最も価値があり、信頼に足る本物」というコアイメージがあります。
このイメージを軸にすると、関連表現の意味が自然に理解できます。
「deliver the goods」は直訳の「品物を配達する」から転じて「約束を果たす・期待通りの結果を出す」という意味で使われます。
また「We have the goods on him.」と言えば「彼が犯人だという決定的な証拠(goods)を握っている」という意味になり、刑事ドラマでもよく耳にします。
「才能・結果・証拠」とどんな文脈でも「本物の価値あるもの」として機能するのが「goods」の面白さです。
こうしたコアイメージを押さえると、初めて出会う表現でも意味を類推しやすくなります。
まとめ|言葉の背景にある文化を味わいながら覚える
英単語には、辞書の一番目の意味だけでなく、その国の文化や価値観が反映された使い方が数多くあります。
「have the goods」は、「あいつは本物だ」という称賛をさりげなく、かつ力強く伝えられる表現です。
ブースがスイーツへの本音をこっそり漏らしたあのシーンのように、誰かへのリスペクトをさらりと伝えたいときにぜひ使ってみてください。
シンプルな単語の組み合わせの中に、こんなに豊かな感情が乗るのが英語の醍醐味です。


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