海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、絶望的な密室から脱出を試みる知恵と工夫のシーンから、少しマニアックで知的好奇心をくすぐる英語フレーズをご紹介しますね。
一緒に楽しく学んでいきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
連続誘拐犯「墓掘り人」によって、車ごと土中に生き埋めにされてしまったブレナンとホッジンズ。
酸素が尽きかける中、外部へ助けを求めるメッセージを送るため、車のバッテリーと携帯電話を繋ごうと試行錯誤する緊迫の場面です。
Brennan: Hotwiring the phone to the horn so we can send a message.
(メッセージを送るために、携帯をクラクションに直結させるの。)Hodgins: Direct current 12 volt will burn out the circuits in a 4.2 volt cell phone in a microsecond. Better jury-rig a resistor.
(直流12ボルトじゃ、4.2ボルトの携帯の回路なんて一瞬で焼き切れる。抵抗器を急造した方がいい。)Brennan: Smart.
(賢いわね。)
BONES Season2 Episode9 (Aliens in a Spaceship)
シーン解説と心理考察
密閉された車内で酸素が刻一刻と減っていく極限状態の中、パニックに陥ることなく科学者としての知識をフル稼働させて生き残る道を模索する二人。
ブレナンの大胆な直結アイデアに対し、ホッジンズが論理的かつ実践的な視点で「急造の抵抗器」を提案します。
死の恐怖に直面しながらも、お互いの専門知識を尊重し合い、決して諦めないジェファソニアン・チームの頭脳の高さと精神的なタフさが際立つ、非常にスリリングでかっこいいシーンですね。
フレーズの意味とニュアンス
jury-rig
意味:間に合わせに作る、応急処置をする、あり合わせのもので組み立てる
juryと聞くと裁判の「陪審員」を思い浮かべるかもしれませんが、ここでは全く別の語源(一説には古フランス語で「助ける」を意味する ajurie など)から来ているとされ、「応急の、仮の」という意味を持ちます。
rigは船の「帆や装備を取り付ける」こと。嵐などでマストが折れた時に、あり合わせの木材やロープで急ごしらえの帆(jury-mast)を作ったという大航海時代の海事用語が、現代では日常的な「応急処置」として使われるようになりました。
【ここがポイント!】
ネイティブがこの言葉を使う時、頭の中には「ガムテープや針金、手元にあるガラクタを駆使して、なんとか動くように魔改造する」というような、ちょっとサバイバル感のあるコアイメージがあります。
単なる修理ではなく、本来の部品がない絶望的な状況下で「機転を利かせて一時的にしのぐ」という、知恵と工夫のニュアンスが強く込められた、理系心をくすぐる表現ですよ。
実際に使ってみよう!
We had to jury-rig a tent using some branches and a tarp.
(枝とブルーシートを使って、間に合わせのテントを作るしかなかった。)
[解説] キャンプやアウトドアで、道具が足りない時に自然のものを工夫して乗り切るサバイバルな場面にぴったりの使い方です。
My laptop charger broke, but I managed to jury-rig a temporary one.
(ノートパソコンの充電器が壊れたんだけど、なんとか応急処置で作ってみたよ。)
[解説] 壊れた電子機器を、手持ちのケーブルなどで一時的に使えるようにした時などにも使えます。ちょっとした賢さが伝わる表現ですね。
The engine started making a weird noise, so the mechanic jury-rigged it to get us home.
(エンジンから変な音がし始めたので、家まで帰れるように整備士が応急処置をしてくれた。)
[解説] 本来の修理パーツがない出先などで、プロがとりあえず動くようにしてくれた、という状況を表しています。
『BONES』流・覚え方のコツ
ホッジンズの「急造の抵抗器」というとかっこいいですが、日常のちょっとしたDIY体験に置き換えてみましょう。
「ちぎれたカバンの紐を安全ピンで留める」「ゼムクリップを曲げてスマホスタンドにする」といった、身の回りのもので何とかピンチをしのいだ時の「してやったり感」を思い出してみてください。
あの小さな達成感と、ホッジンズが暗闇の中で必死に配線を繋ぐ映像をリンクさせると、このマニアックな単語も自分の実体験として記憶に定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
make do with
(意味:〜で間に合わせる、〜でどうにか済ます)
こちらはモノを作るというより、「今あるもので我慢する、なんとかやりくりする」という状況や妥協に焦点を当てた、日常会話で非常に頻出の表現です。
patch up
(意味:応急処置をする、一時的に修復する)
穴の空いた服にパッチ(当て布)をするように、壊れたものや怪我、さらには人間関係のトラブルなどを「とりあえず修復する」というニュアンスで使われます。
improvise
(意味:即興で作る、あり合わせのもので間に合わせる)
音楽の「アドリブ(即興演奏)」でおなじみの単語ですが、台本や準備がない中で「その場にあるもので機転を利かせて対処する」という、より知的な響きを持つ表現ですよ。
深掘り知識:ピンチを救う「MacGyver(マクガイバー)」的発想
今回の jury-rig と非常によく似たニュアンスを持つ、海外ドラマファンなら絶対に知っておきたい面白い英語表現があります。
それは「MacGyver(マクガイバーする)」です。
これは、1980年代の大ヒットドラマ『冒険野郎マクガイバー』の主人公に由来します。
彼は銃を使わず、ダクトテープやスイスアーミーナイフ、そして豊富な科学の知識だけであり合わせの物を組み合わせて絶体絶命のピンチを脱出する天才でした。
そこから転じて、現代のネイティブは「あり合わせの物で何とか問題を解決する」ことを「I MacGyvered it.」と動詞として使うことがあるんです。
今回のホッジンズの活躍は、まさに「MacGyver」的な素晴らしい jury-rig でしたね。
まとめ|知恵と工夫でピンチを乗り切ろう
いかがでしたか?
今回は、マニアックながらも知的な響きを持つフレーズ「jury-rig(間に合わせに作る、応急処置をする)」を深掘りしました。
限られた道具や環境の中でも、知識と工夫さえあれば道は切り開けるという、力強いメッセージを感じる言葉でしたね。
英語学習も、完璧な環境や時間が揃っていなくても、今ある教材を自分なりに「jury-rig」しながら、楽しく工夫して進めていきましょう。
次回のエピソードも楽しみにしていてくださいね。


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