海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
人生には自分の力ではどうにもならない、理不尽な出来事が起こるものですよね。
そんな時、ネイティブはどのような言葉で状況を受け入れるのでしょうか。
今回は、大人の日常会話やビジネスシーンでも自然に使える、「運」にまつわる知的な表現をご紹介しますね。一緒に楽しく学んでいきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
エレベーターの扉が開くと、そこは爆発によって無残に破壊されたホテルのスイートルーム。
瓦礫が散乱する凄惨な現場に足を踏み入れたブースとブレナンに、国務省のラズウェルが歩み寄ります。
要人たちが狙われたこの大惨事で、奇跡的に軽傷で済んだ人物について彼が報告する緊迫の場面です。
Radswell: The keynote speaker was Colombian judicial attaché Dolores Ramos.
(基調講演者はコロンビアの司法駐在官、ドロレス・ラモスでした。)Brennan: Did she survive?
(彼女は助かったの?)Radswell: Minor burns, smoke inhalation. She’ll be fine. Luck of the draw.
(軽いやけどと煙を吸い込んだだけです。無事でしょう。運のめぐり合わせですね。)
BONES Season2 Episode6 (The Girl in Suite 2103)
シーン解説と心理考察
爆発という大惨事の現場で、標的となった可能性のあるラモス判事が軽傷で済んだことについて、ラズウェルが状況を説明しています。
ここで注目したいのは、生死を分けた凄惨な結果を「くじ運」という言葉で淡々と片付けている点です。
国務省の人間として国際的な修羅場や理不尽な事態に慣れきっており、個人の感情を挟まずに「世の中そういうものだ」と達観している彼の少し冷めた心理が、この短いフレーズに凝縮されていますね。
フレーズの意味とニュアンス
luck of the draw
意味:運次第、めぐり合わせ、くじ運
直訳すると「くじ引きの運」となります。
「draw」には「くじを引く」「トランプのカードを引く」という意味があり、そこから派生して、自分がコントロールできない状況下で結果が決まることを表すイディオムとして定着しました。
【ここがポイント!】
ただの「運が良い・悪い」ではなく、根底に「自分ではどうしようもない」「引いたカード(与えられた状況)を受け入れるしかない」という少しの諦観や、受動的なニュアンスが含まれるのが最大のポイントです。
良い結果に対して「実力ではなくたまたまだよ」と謙遜するときや、悪い結果に対して「仕方ないよね、そういう巡り合わせだから」と自分や相手を慰めるときなど、非常に幅広い場面で大人が使いやすい表現ですよ。
実際に使ってみよう!
I didn’t choose to be on this stressful project. It’s just the luck of the draw.
(このストレスの多いプロジェクトを自分で選んだわけじゃないよ。ただのめぐり合わせさ。)
[解説] 会社での配属やチーム分けなど、自分に決定権がなく、割り当てられた環境を受け入れるしかないビジネスシーンでの使い方です。
Some people are born with a fast metabolism, and others aren’t. It’s the luck of the draw.
(生まれつき代謝が良い人もいれば、そうでない人もいる。それは運次第だからね。)
[解説] 遺伝や才能など、努力ではどうにもならない先天的な事象について「そういうものだ」と客観的に語る際にもよく使われます。
We had fantastic weather for our wedding, but honestly, that was just the luck of the draw.
(結婚式は素晴らしい天気に恵まれたけど、正直なところ、それは運が良かっただけだよ。)
[解説] 屋外イベントの天候など、準備万端にしていても最後は運に任せるしかない状況で、結果的にうまくいったときの表現です。
BONES流・覚え方のコツ
爆発現場という深刻な状況で、肩をすくめながら「くじ運のたまものだよ(Luck of the draw)」と淡々と語るラズウェルの姿をイメージしてみましょう。
自分ではコントロールできない大きな力や運命に対して、「引いたくじを受け入れるしかない」という少しドライで達観した空気感を紐づけると、このフレーズの持つ深いニュアンスが記憶に定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
a roll of the dice
(意味:運任せ、イチかバチか)
サイコロを振るアクションから生まれた表現です。今回のフレーズが与えられた結果を静かに受け入れるニュアンスなのに対し、こちらは自らリスクを承知で運に任せて能動的に行動を起こす、という勢いの違いがあります。
a toss-up
(意味:五分五分、どちらに転ぶかわからないこと)
コイン投げに由来します。結果がどうなるか事前に予測がつかない状況そのものを指す場合によく使われます。
draw the short straw
(意味:貧乏くじを引く、嫌な役目を押し付けられる)
短い藁を引いた人が負け、というくじ引きのルールに由来します。今回のフレーズは良し悪し両方に使えますが、こちらは完全にネガティブな結果を引いてしまった場合に限定されますよ。
深掘り知識:英語に根付く「運命=ゲーム」という価値観
今回の「draw」や関連表現の「dice」「toss-up」など、英語にはカードゲームやくじ引き、ギャンブルから日常会話に定着した表現が数多く存在します。
例えば「play the hand you’re dealt(配られた手札で勝負する=与えられた状況でベストを尽くす)」という言葉があるように、英語圏の文化には、人生における選択や巡り合わせを「ゲームの手札やルール」に例え、それをどう乗りこなすかという価値観が深く根付いています。
単語を暗記するだけでなく、その背後にある「運命をどう捉えているか」という文化的な視点を知ることで、ドラマのセリフもより一層味わい深いものになっていきますね。
まとめ|コントロールできない出来事を受け入れる魔法の言葉
いかがでしたか?
今回は、自分ではどうにもならない運命や偶然を表す「luck of the draw(運次第、めぐり合わせ)」について解説しました。
人生や仕事において、努力だけではどうにもならないことに出会ったとき、このフレーズをつぶやいてみることで、少し肩の力を抜いて客観的に状況を受け入れられるかもしれません。
大人の英会話として非常に響く表現ですので、ぜひ日常でも意識して使ってみてくださいね。


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