海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は人気法医学サスペンス『BONES』シーズン3第14話から、日常会話から極限状態まで幅広く使われる超重要フレーズ「make it」をご紹介します。
心が揺さぶられる衝撃的なシーンから、ネイティブ感覚をしっかり掴んでいきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
Hodgins: Zack! Call 911!
(ザック!911に電話しろ!)Brennan: Booth, you’re going to be fine. I’m right here. God. You’re gonna do this. You’re gonna be fine. You’re going to make this.
(ブース、大丈夫よ。私がここにいる。神様。あなたはやり遂げる。大丈夫よ。あなたは助かるわ。)Brennan: Come on! Come on! Booth! You’re gonna make it! COME ON! COME ON! BOOTH COME ON!
(お願い!お願い!ブース!あなたは助かる!お願い!お願い!ブース、お願い!)
BONES Season 3 Episode 14 (The Wannabe in the Weeds)
シーン解説と心理考察
オープンマイクのステージで歌うブレナンを狙い、ストーカーのパムが銃を構えます。
とっさにブレナンをかばったブースが撃たれ、倒れ込む緊迫したクライマックスシーンです。
いつもは論理的で感情をあまり表に出さないブレナンが、血を流して倒れるブースを前に取り乱し、必死に呼びかけていますね。
普段の彼女なら医学的な生存確率を口にしそうですが、ここではただひたすらに「You’re gonna make it(あなたは助かる)」と繰り返しています。
このシンプルな言葉の裏には、かけがえのないパートナーを絶対に失いたくないという彼女の強烈な願いと祈りが込められており、理屈を超えた二人の深い絆が浮き彫りになる名場面です。
フレーズの意味とニュアンス
make it
意味:間に合う、成功する、助かる、都合がつく、出席する
直訳すると「それを作る」となりますが、ここでの「it」は具体的な物ではなく、「目標とする状況」や「到達すべき地点」という漠然としたゴールを指しています。
「make」にはゼロから何かを生み出す、状態を変化させるという強い力があります。
つまり「make it」は、自らの力で困難や障害を乗り越え、望ましい状況(it)を作り出した、という成り立ちを持っているんですね。
そこから派生して「(時間に)間に合う」「(困難な状況から)助かる」「成功する」といった多様な意味で使われるようになりました。
【ここがポイント!】
ネイティブが感じるコアイメージは「困難な状況から、望ましい状態へと到達する達成感」です。
ただ単に到着したのではなく、「渋滞していたけれど間に合った」「死線をさまよったけれど生き残った」というような感覚。
プロセスにおける苦労や勢いがニュアンスとして含まれているのが最大の特徴ですよ。
実際に使ってみよう!
I’m stuck in traffic. I don’t think I can make it to the 3 PM meeting.
(渋滞に巻き込まれちゃって。午後3時の会議には間に合いそうにないです。)
ビジネスや日常で一番よく使う「時間に間に合う・出席する」の用法です。行けない時の断り文句として非常にスマートに響きますね。
It was a tough project, but we finally made it!
(大変なプロジェクトだったけど、ついにやり遂げたね!)
困難を乗り越えて目標を達成した喜びを表すフレーズです。チームメイトと喜びを分かち合う時にぴったりです。
The doctor said it was a miracle she made it through the night.
(彼女がその夜を乗り切ったのは奇跡だと医者は言った。)
今回のドラマのシーンと同じく、命の危機など極限の状況から「助かる・生き延びる」という意味で使われています。「through」を伴うことも多いですよ。
BONES流・覚え方のコツ
理路整然としたブレナンが、理性を投げ打って「You’re gonna make it!」と叫ぶ姿をイメージしてみてください。
「make」の持つ「自らの力で状況を変える」という強いエネルギーが、絶望的な状況を打ち破り、生存というゴールへ向かっていく。
その力強いベクトルを映像と共に脳内に焼き付けることで、このフレーズの持つ真のニュアンスが自然と引き出せるようになりますよ。
似た表現・関連表現
pull through
(危険な状態を切り抜ける、回復する。)
make itの「助かる」という意味と非常に近く、特に病気や怪我からの回復に焦点を当てた表現です。make itよりもやや客観的な響きがあります。
work out
(うまくいく、解決する。)
物事が最終的に良い方向へ向かうという意味です。make itが「人」の行動や達成に焦点が当たるのに対し、work outは「状況そのもの」が自然と解決していくニュアンスを持ちます。
show up
(姿を現す、やって来る。)
make itの「出席する」に似ていますが、こちらは単に「その場に現れる」という事実のみを伝え、make itのような「やりくりの苦労」のニュアンスは含みません。
深掘り知識:「make it」と「do it」の決定的な違い
「やり遂げる」という意味で、学習者がよく迷うのが「do it」との違いです。実はこの2つ、ネイティブの頭の中では明確に区別されています。
「do it」は、行動そのもの(プロセス)に焦点が当たっています。例えば「Just do it(とにかくやれ)」のように、結果はどうあれ、まずは行動を起こすことを意味します。
一方の「make it」は、行動の結果(ゴール)に焦点が当たっています。「You can make it(あなたならできる・成功する)」は、行動した結果として望ましい状態に到達できる、という結果を強調しているのです。
「do(行動)」した結果、「make(状態の変化)」が起こる、と整理してみると、使い分けがグッと楽になりますよ。
まとめ|プロセスの苦労を包み込む万能フレーズ
今回は『BONES』S3E14から、極限状態から日常のスケジュール調整まで幅広く使える「make it」をご紹介しました。
文脈によって日本語の訳は大きく変わりますが、根底にある「困難を乗り越えてゴールに到達する」というコアイメージは常に同じです。
ただ「行く」「する」と言うよりも、ずっと感情豊かで人間味のある表現ですので、ぜひドラマのシーンを思い出しながら使ってみてくださいね。


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