海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「うまくいっているなら、余計な手出しは無用」
そんな風に、完成されたものや危険なものに対して「いじくり回すな」と忠告したい時、あなたならどう表現しますか?
今回は、マフィアの古典的な犯行手口を前にしたブレナン博士の、ブラックユーモア溢れる一言から、日常で使える「触らぬ神に祟りなし」な英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
湾岸で発見された遺体には、足元をコンクリートで固められた痕跡がありました。
これを見たブースは、マフィアによる典型的な処刑スタイルだと指摘します。
Booth: Cement shoes. Classic mob hit.
(セメントの靴か。マフィアの典型的な殺しだな。)Brennan: Why mess with the classics?
(なぜ古典をいじくる必要があるの?(=定番を変える必要なんてないものね。))Booth: You know, usually people are disgusted.
(あのな、普通は(死体を見たら)気分が悪くなるもんだぞ。)
BONES Season1 Episode15 (Two Bodies in the Lab)
「足にセメントを固めて海に沈める」という、映画のようなベタで残忍な手口。
ブースが呆れる通り、普通なら嫌悪感を示す場面ですが、ブレナンは「犯人は分かってるわね。伝統的な手法を変える(mess with)必要なんてないもの」と、まるで芸術作品を評価するかのようにコメントします。
感情よりも「論理的な効率性」を優先する彼女にとって、マフィアの殺し方でさえも「理にかなった古典(Classics)」として映る…という、彼女のズレた感性が光るシーンです。
フレーズの意味とニュアンス
mess with
意味:〜をいじくる、〜に干渉する、〜にちょっかいを出す、関わる
mess は「散らかった状態、混乱」という意味。
mess with + [人/物] で、「(余計なことをして)秩序を乱す」「面倒なことになるのに関わる」というニュアンスになります。
【ここがポイント!】
単に「触る(touch)」のとは違います。
ここには、「平和な状態(秩序)をかき乱して、カオス(面倒な事態)を引き起こす」というネガティブな予測が含まれています。
機械に対して使えば「(壊れるから)いじるな」、人に対して使えば「(危険だから/怒らせるから)関わるな」という警告の意味合いが強くなります。
実際に使ってみよう!
日常会話では、「余計なことをしない」「危険を避ける」という文脈で頻出します。
My computer is working fine, so I don’t want to mess with the settings.
(パソコンは順調に動いてるから、設定をいじりたくない(余計なことはしたくない)んだ。)
「If it ain’t broke, don’t fix it(壊れてないなら直すな)」の精神です。下手に触って悪化させるのを恐れる時に使います。
You shouldn’t mess with him. He’s got a short fuse.
(彼にはちょっかいを出さない(関わらない)方がいいよ。すぐにキレるから。)
人に対して使う場合、「怒らせる」「喧嘩を売る」という意味になります。不良グループや気難しい上司への警告として使えます。
I’m warning you, don’t mess with me.
(警告しておくけど、私に指図しないで(なめないで)。)
ドラマの喧嘩シーンの定番です。自分の領域やプライドを侵害されそうな時に、相手を強く牽制する一言です。
『BONES』流・覚え方のコツ
「マフィアのセメント靴」で覚えましょう。
重たいコンクリートで固められた靴。そんな完成された「処刑スタイル」を、あとからハンマーでいじくろうとしても無駄ですし、何より危険です。
「完成された恐ろしいものには、手を触れないのが一番」というイメージで記憶してください。
似た表現・関連表現
meddle in
(〜に干渉する、お節介を焼く)
mess with よりも「頼まれていないのに首を突っ込む」というニュアンスが強いです。他人のプライベートや問題に口出しする時などに使われます。
tamper with
(〜を不正に改変する、いじる)
より硬い表現で、証拠品や機械、書類などを「悪意を持ってこっそり変更する」場合に使われます。法的な文脈でよく出ます。
screw with
(〜を台無しにする、〜をひどい目に合わせる)
mess with のさらに汚い言い方(スラング)です。相手を騙したり、精神的に追い詰めたりするような、より強い悪意を含みます。
深掘り知識:「Classics」への敬意
ブレナンが言った “Why mess with the classics?” は、実は英語圏でよく使われるイディオム的な言い回しです。
本来は、シェイクスピア劇やクラシック音楽、あるいは伝統的なレシピなどに対して、「昔から愛されている定番には、それなりの理由がある(だから現代風にアレンジなんてしなくていい)」という文脈で使われます。
それをあえて「マフィアの殺人手法」に使ってしまうのが、『BONES』らしいブラックジョークですね。
英語学習も同じで、奇をてらった方法より、結局は「Classic(王道)」な学習法が一番近道だったりするものです。Don’t mess with the classics!
まとめ|触らぬ神に祟りなし
「現状維持」は消極的に見えますが、時には最善の策でもあります。
うまくいっていることや、危険な相手に対しては、ブレナン博士の言葉を思い出してこう言いましょう。
“Don’t mess with it.”
(余計なことはしないで、そのままにしておこう。)


コメント