海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
組織で働いていると、正規のルートを通すと間に合わない、あるいは角が立つ……そんな場面に遭遇することはありませんか?
今回は、FBI捜査官ブースが相棒ブレナンに見せた「大人の仕事術」から、秘密裏に物事を進める際のキラーフレーズをご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
死刑執行まであと32時間。
新たな証拠が見つかったものの、FBIとして公式に再捜査を行う許可は下りていません。
ブースは週末、ブレナンの自宅を訪れ、個人的な協力を仰ぎます。
Booth: It’s a weekend deal. Off the books. But if you have plans…
(週末の仕事だ。非公式のな。 でも予定があるなら…)Brennan: Wait. This is a personal favour you’re asking?
(待って。個人的な頼み事ってこと?)Booth: Yeah.
(ああ。)Brennan: I don’t have plans.
(予定はないわ。)BONES Season1 Episode7 (A Man on Death Row)
シーン解説と心理考察
ブースにとって、FBIの規則は絶対ですが、それ以上に「正義」や「人の命」が重要です。
ここで彼が “Off the books” と切り出したのは、単に「内緒にしてほしい」からではありません。
「公式な命令ではないから、君に断る権利はある。だが、俺はキャリアを賭けてでもやりたい」という、相棒への信頼と覚悟を伝えたかったのです。
ブレナンもその真意を瞬時に汲み取り、即座に「予定はない(協力する)」と答えた、二人の絆が深まる名シーンです。
「off the books」の意味とニュアンス
off the books
意味:帳簿外で、非公式に、裏で、未計上で
直訳すると「帳簿(Books)から外れて」。
元々は経理用語で、現金のやり取りを帳簿に記載せず、税務署や監査から隠すことを指していました。そこから転じて、日常会話ではもっと広い意味で使われます。
【ここがポイント!】
単なる「秘密(Secret)」ではありません。
「本来なら記録されるべき公的なルールやプロセスを、あえて無視する」という、一種の共犯めいたニュアンスが含まれています。
「表」の世界(On the books)から、あえて「裏」の世界へ足を踏み入れる……そんなスリリングで、少し危険な香りのする表現です。
実際に使ってみよう!
ビジネスシーンや友人間での「オフレコ」なやり取りで使ってみましょう。
He hired a freelancer off the books to finish the project on time.
(彼はプロジェクトを間に合わせるため、正規の手続きを経ずにフリーランサーを雇った。)
解説:
緊急時に稟議(りんぎ)をスキップするような、現場判断のスピード感を表現できます。
We can give you a special discount, but it has to be off the books.
(特別割引をすることは可能ですが、ここだけの話(内密)にしてください。)
解説:
接客や営業で、マニュアル外の特別対応をする際の常套句です。
Most of her income comes from working off the books as a consultant.
(彼女の収入の大半は、申告なし(闇営業)のコンサルタント業によるものだ。)
解説:
副業禁止の会社でこっそり稼いでいる、といった「公には言えない」状況です。
『BONES』流・覚え方のコツ
「ブースの閉じたファイル」で覚えましょう。
FBI捜査官としてバッジをつけて堂々と行うのが「On the books」。
対して、バッジをポケットにしまい、週末に私服でコソコソ動くのが「Off the books」。
ブースが上司に見つからないように、事件ファイル(Books)をパタンと閉じて、「さて、ここからは俺たちの時間だ」とウインクする姿をイメージしてください。
似た表現・関連表現
- under the table
(袖の下で、不正に)
解説:賄賂や違法取引など、より「汚いお金」や「悪意」のニュアンスが強くなります。”off the books” の方がまだ中立的です。 - off the record
(オフレコで、記録なしで)
解説:こちらは主に「発言」に対して使われます。ジャーナリストに「書かないでくれ」と頼む時など、情報の扱いに関する表現です。 - behind closed doors
(密室で、非公開で)
解説:ドアを閉めた部屋の中で行われる、という意味。「一般の目には触れない場所で」という物理的な隠密性を強調します。
深掘り知識:「Off the record」とは何が違う?
「ここだけの話」と言いたい時、どちらを使うべきでしょうか?
実はこの2つには、「対象となるものの違い」があります。
- Off the record: 言葉・情報。「メモを取らないで」「記事にしないで」という言論の扱い。
- Off the books: 行動・取引。「帳簿につけないで」「手続きを経ないで」という実務の扱い。
ブースの場合は、情報だけでなく「捜査活動そのもの」をFBIの記録に残さず行うため、off the books が選ばれているわけです。
「記録に残さない」のか、「存在そのものをなかったことにする」のか。
この使い分けができると、英語の解像度がグッと上がりますよ。
まとめ|リスクを共有する合言葉
組織に属していると、どうしても「表向き」と「内実」を使い分けなければならない場面が出てきます。
そんな時、“It’s off the books.” とさらっと言えれば、相手に「ああ、そういう事情ね」と瞬時に察してもらえます。
ブースのように正義のための「非公式」ならかっこいいですが、悪いことでの使用はほどほどにしましょうね!


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