ドラマで学ぶ英会話|『BONES』S04E10に学ぶ「on one’s own dime」の意味と使い方

on one's own dime

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は、日常会話やビジネスシーンでも頻繁に登場し、知っていると一気にネイティブらしさが増す生きたイディオムをご紹介します。

言葉の裏にある文化や心理も一緒に、楽しく英語のニュアンスを掴んでいきましょうね。

目次

実際にそのシーンを見てみよう!

今回は、飛行機内という密室で起きた殺人事件が見事解決し、給油とパイロット交代を待つ間のシーンです。

ブースがファーストクラスのブレナンの元へシャンパンを持って現れ、二人がグラスを合わせます。
ブレナンは、エコノミークラスの座席に手錠で繋がれている16歳の少年イーライを振り返って見やりながら、残された彼のご両親がこれからどうなるのかについて質問を投げかけます。

Brennan: We don’t even get to get off the plane?
(飛行機から降りることもできないの?)
Booth: Nope, they’re refueling, and finding us another pilot, and go back home.
(あぁ、給油して別のパイロットを見つけたら、そのまま帰還だ。)
Brennan: What about his parents?
(彼のご両親はどうなるの?)
Booth: They gotta fly back on their own dime. Eli is in federal custody now.
(自分たちの自腹で帰りの便に乗るしかないさ。イーライはもう連邦政府の拘置所行きだからな。)
BONES Season4 Episode10 (The Passenger in the Oven)

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シーン解説と心理考察

重い病気を患う母親と、被害者と不倫をしていた父親という、複雑で悲痛な事情を抱えた家族。
ブレナンはふと、殺人犯となってしまった息子と引き離される両親の帰路を心配して尋ねます。

それに対するブースの返答は、FBI捜査官としての冷徹さと現実主義がにじみ出たものでした。
ブースは「政府やFBIが彼らの世話をする義理は一切ない」という事実を、感情を交えずに淡々と述べています。

自業自得とも言える犯罪者の身内に対し、個人的な同情よりも「自分たちの問題は自分たちで解決すべきだ」という厳しい現実を突きつけるブースのプロフェッショナルなスタンスが垣間見えますね。

手錠をかけられた少年と、冷たく言い放つブースの対比が、法を犯すことの重さを物語っている名シーンです。

フレーズの意味とニュアンス

on one’s own dime
意味:自腹で、自己負担で、自分のお金で

「dime」はアメリカの10セント硬貨のことです。
「自分の10セント硬貨の上に」が直訳ですが、そこから派生して「誰かの援助や経費ではなく、自分自身の費用で」「自腹を切って」という意味のイディオムとして定着しました。

ビジネスシーンでの出張費用の話や、プライベートでの食事代など、日常のあらゆる場面で非常によく使われる表現です。

【ここがポイント!】

このフレーズをネイティブが使うとき、単に「お金を払う」という事実以上の、深い心理的ニュアンスが含まれることが多々あります。

最大のポイントは、「本来であれば会社や他人が払ってくれるかもしれない(あるいは払ってほしい)状況において、あえて、または仕方なく自分のポケットマネーから支払う」という響きを持っている点です。

例えば、出張で経費が落ちないことへの不満や、「自分の遊びなんだから自分で払いなさいよ」という相手を突き放すような冷たさ。
あるいは「誰の援助も受けずに自分の資金だけでやり遂げた」という独立心や誇りなど、文脈によってポジティブにもネガティブにも色合いを変えます。

今回のブースのセリフでは、「国が彼らの面倒を見るいわれはない、自分たちの責任(お金)で勝手に帰れ」という、まさに突き放した冷徹なニュアンスが「dime」という小さな硬貨の単語に凝縮されているのです。

実際に使ってみよう!

日常やビジネスで使える例文を3つご紹介します。文脈によるニュアンスの違いを感じてみてくださいね。

My company didn’t cover the travel expenses, so I had to go to the conference on my own dime.
(会社が交通費を出してくれなかったので、自腹でその会議に行かなければなりませんでした。)
[解説] こちらはネガティブなニュアンスの代表例です。「本来は経費で落ちるべきなのに」という不満や愚痴を少し含ませたい時にぴったりです。

She is incredibly independent; she traveled around the world entirely on her own dime.
(彼女は信じられないほど自立していて、完全に自分のお金だけで世界中を旅しました。)
[解説] こちらはポジティブなニュアンスです。親のすねをかじることなく、誰の援助も受けずに自分自身の力で成し遂げたという称賛の響きが含まれます。

If you want to upgrade your flight to first class, you have to do it on your own dime.
(もしフライトをファーストクラスにアップグレードしたいなら、自腹でやってくださいね。)
[解説] 相手に対して「ここから先はあなたの自己責任(自己負担)ですよ」と明確に線を引く、少しピシャリと言い放つ表現です。

BONES流・覚え方のコツ

エコノミークラスの座席に手錠で繋がれた少年の姿を見ながら、ブースが手の中の小さな硬貨(dime)をチャリンと弾き、「FBIの経費じゃ落ちないよ、自分のお財布から(on their own dime)払いな」と冷ややかに言い放つ姿をイメージしてみてください。

小さな10セント硬貨が、誰にも頼れない厳しい現実の象徴として見えてくると、このフレーズが持つ「自己責任」のニュアンスがスッと記憶に定着しやすくなりますよ。

似た表現・関連表現

at one’s own expense
(意味:自己負担で、自腹で)
[解説] 今回のフレーズと意味は同じですが、よりフォーマルな言い換えとなります。契約書やビジネスメールなどの公的な場面では、カジュアルなdimeを使わずこちらを選択しましょう。

foot the bill
(意味:勘定をもつ、費用を負担する、ツケを払う)
[解説] 「bill(請求書)」の「foot(足元、一番下)」に合計金額が書かれていることから、その代金を引き受けるという意味になりました。誰かが代わりに支払う行為そのものに焦点を当てた表現です。

pay out of pocket
(意味:自己負担で支払う)
[解説] 医療保険や会社の経費などでカバーされず、文字通り「自分のポケットから直接支払う」お金を指す際によく使われます。特に医療費の文脈で頻出します。

深掘り知識:アメリカの個人主義と「お金」のイディオム

英語のイディオムにはお金に関するものが非常に多く存在しますが、その根底にはアメリカ特有の「個人主義(Individualism)」と「自己責任」の精神が深く根付いています。

今回の「on one’s own dime」も、単なる「自己負担」という意味を超えて、「自分の面倒は自分で見る」というアメリカ社会の厳しい一面を映し出しています。
アメリカでは18歳を過ぎれば経済的に親から自立するのが当然という文化があり、大学の学費すらも「on one’s own dime」でローンを組んで払う学生が珍しくありません。

また、10セントという少額の硬貨である「dime」を使った表現には、他にも面白いものがたくさんあります。
例えば、「a dime a dozen」は直訳すると「1ダースで10セント」ですが、そこから「安っぽくてありふれたもの、どこにでもある価値のないもの」という意味になります。

さらに、「stop on a dime」や「turn on a dime」という表現は、「10セント硬貨という小さなスペースの上でピタリと止まる(または方向転換する)」ことから、「(車などが)小回りが利く、急転換する、状況が突然変わる」という意味で使われます。

チップ文化が根付くアメリカでは、硬貨のやり取りが日常に密着しているため、こうした少額硬貨を比喩に使った表現が自然と発達してきたのですね。

言葉の裏にある「お金に対するシビアな感覚」を知ると、ドラマのセリフの解像度がぐっと上がりますよ。

まとめ|自腹を切る覚悟と独立心のフレーズ

今回は、自己負担を意味する「on one’s own dime」をご紹介しました。

単なる支払い方法の違いだけでなく、その裏に隠された「誰にも頼らない」「ここは自分で責任を持つ」というニュアンスまで理解できると、英語での表現力もリスニングの深みも一段とアップしますね。

ドラマの緊迫したシーンでも、日常のちょっとした愚痴でも使える便利なフレーズです。
ぜひ例文を声に出して、自然に口から出るように練習してみてください。

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