海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手の領域に足を踏み入れる時、警戒されないようにどう切り出しますか?
今回は、大人の余裕を感じさせるスマートな表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
アサティーグ島での海賊の財宝発掘現場にて。
不可解な殺人事件の初動捜査のため現場に到着したブースとブレナンに対し、被害者のビジネスパートナーであるハーデウィックが驚き、露骨に警戒心を抱きながらFBIの介入について尋ねる場面です。
Hardewicke: The F.B.I.’s involved now?
(FBIが関与するのか?)
Booth: Oh yeah, you know, murder on federal land. We like to, uh, poke around a little.
(ああ、連邦用地での殺人だからな。俺たちは、その、ちょっと嗅ぎ回るのが好きなんだよ。)
Hardewicke: Okay. Feel free.
(分かった。ご自由に。)
BONES Season1 Episode18 (The Man with the Bone)
ブースがあえて「捜査する(investigate)」というお堅い言葉を使わずに、「poke around(つつき回る)」という軽い表現を選んだのには明確な理由があります。
相手に「FBIだぞ!」と威圧感を与えて口を閉ざさせるのではなく、「いやあ、仕事なんでちょっと見させてもらうよ」と相手の警戒心をふわりと解いているのです。
それでいて、実は一切の逃げ道を与えないという、老練な捜査官ならではの高度な心理戦が隠されていますね。
フレーズの意味とニュニュアンス
poke around
意味:探し回る、ほじくり返す、あちこち調べる、干渉する
「poke」は「指や棒でつつく」こと。「around」は「あちこち」を意味します。
つまり、何か特定のものを一直線に探す(search)のではなく、「何かないかな?」とあちこちをつついて回るというイメージから成り立っている句動詞です。
【ここがポイント!】
単なる「探す」とは違い、「好奇心を持って色々な場所に首を突っ込む」というニュアンスが含まれます。
日常会話においては、「大ごとにしたくない」「ちょっと軽く様子を見させて」というクッション言葉のように使われるのがポイントです。
ブースのセリフからは、デスクワークではなく「自分の足で現場を歩き回るぞ」という、現場至上主義のポジティブな勢いも感じられますね。
実際に使ってみよう!
I’m just poking around the new software to see how it works.
(新しいソフトウェアがどう動くのか、ちょっといじり回しているところです。)
明確なマニュアルを読むのではなく、「ここを押したらどうなるかな?」と気軽にあちこち触って試しているニュアンスが伝わります。
I was poking around the antique shop and found this beautiful cup.
(アンティークショップをぶらぶら見て回っていたら、この綺麗なカップを見つけたの。)
特定の目的があって探していたわけではなく、好奇心の赴くままに店内を散策していた状況にぴったりの表現です。
Please don’t poke around my desk while I’m away.
(私がいない間に、デスクの周りを勝手に漁らないでくださいね。)
プライバシーを侵害されそうな時、「うろちょろ嗅ぎ回るな」という少しネガティブな牽制の意味でも日常的によく使われます。
『BONES』流・覚え方のコツ
ブースが長い棒を持って、事件現場の茂みや、容疑者の隠し事を「ツンツン、ツンツン(poke, poke)」とつつき回して、隠された真実をあぶり出す姿をイメージしてください。
彼特有の、少し人を食ったような余裕の笑顔と一緒に記憶すると、このフレーズの持つ絶妙な「軽さ」と「お節介さ」が定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
snoop around
(こそこそ嗅ぎ回る・詮索する)
「poke」よりも隠れて行う「盗み見」のニュアンスが圧倒的に強く、かなりネガティブな表現です。探偵やスパイのような響きがあります。
dig into
(〜を掘り下げる・徹底的に調べる)
「poke」が表面をあちこちつつくのに対し、こちらはシャベルを使って「一点集中で深く掘り下げる」イメージになります。研究や調査によく使われます。
nose around
(嗅ぎ回る・詮索する)
文字通り「匂いをかぐ」ように、秘密や噂話を探るニュアンスです。「poke」よりも物理的なアクション(物を動かすなど)が少なく、ゴシップ的な文脈でよく登場します。
深掘り知識:「Poke」が持つ「干渉」のイメージ
「Poke」という単語は、FacebookなどのSNS機能にもあるように「つつく=ちょっかいを出す」という意味が根底にあります。
Poke your nose into someone’s business(人のことに首を突っ込む)という有名なイディオムもありますね。
ブースが使ったこのフレーズには、単に「探す」だけでなく、「俺たちが介入するぞ(ちょっかいを出すぞ)」という、FBIとしての静かなる意思表示も含まれていたのかもしれません。
まとめ|好奇心を味方につけて
ブースが「ちょっと調べるよ(poke around)」と言った時、それは犯人にとって「逃げ場はないぞ」という宣戦布告でもありました。
英語学習も同じで、教科書だけでなく、ドラマの細かいセリフや背景を poke around してみると、思わぬ「お宝表現」が見つかるかもしれませんよ。


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