海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ミステリーやサスペンスの醍醐味といえば、予想もつかない意外な犯人や、あっと驚くようなトリックですよね。
しかし、時には最も恐ろしい事実が、私たちの「すぐ目の前」に隠されていることもあります。
今回は、そんな衝撃的な真実を突くドラマチックなセリフから、日常のちょっとした探し物まで幅広く使える、ネイティブらしい気の利いたイディオムをご紹介します!
## 実際にそのシーンを見てみよう!
ジェファソニアン研究所の焼却炉で発見された、身元不明の焼死体。
犯人は証拠隠滅のために遺体を燃やしたわけですが、外部の人間が厳重なセキュリティを突破して焼却炉にアクセスするのは不可能です。
つまり、犯人はこの研究所の内部にいる。ブースとブレナンが、犯人の大胆不敵な行動に戦慄を覚える重要なシーンです。
> Booth: The killer was trying to cover his tracks by burning the body.
> (犯人は遺体を燃やすことで、証拠隠滅を図ろうとしていたんだ。)
>
> Brennan: He did it here? Inside the Jeffersonian?
> (ここでやったの?ジェファソニアンの中で?)
>
> Booth: Yeah. The killer did this <b>right under our noses</b>.
> (ああ。犯人は俺たちのすぐ目の前でこれをやったんだ。)
> <cite>*BONES Season3 Episode6 (The Intern in the Incinerator)*</cite>
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※配信状況は変更される場合があります(2026年2月時点)
### シーン解説と心理考察
「絶対安全な自分たちのテリトリー」であるはずの研究所内で、遺体が燃やされていたという衝撃の事実。
ブレナンの「ここでやったの?」という信じられないといった口調に対し、ブースが忌々しそうに吐き捨てる「right under our noses」という言葉が非常に重く響きます。
優秀な捜査官や科学者たちが大勢いる研究所内で、誰にも気づかれずに大胆な証拠隠滅を行った犯人の「図太さ」と、それに気づけなかった自分たちへの「悔しさ」が入り交じった、サスペンスのお手本のような緊迫したやり取りですね。
## フレーズの意味とニュアンス
<b>right under A’s nose</b>
意味:Aのすぐ目の前で、Aの鼻先で、灯台下暗しで
直訳すると「Aの鼻のすぐ下で」となりますが、これが転じて「誰かのすぐ目の前で(それなのに本人は全く気づいていない)」という状況を表すイディオムです。
「A」の部分には my, your, his, our といった所有格が入ります。
### 【ここがポイント!】
この表現の最大のポイントは、単に「場所が近い」という意味だけでなく、「人が見ている(気づくはずの)前で、あえて堂々とやってのける大胆さ・図太さ」というニュアンスが含まれている点です。
犯人が警察の目の前で証拠を隠したり、子供が親の目の前でこっそりお菓子をつまみ食いしたりするような、「見え透いた盲点」を突く行動に対して使われます。
「灯台下暗し」という日本語のニュアンスに非常に近い、ネイティブならではの視覚的な表現ですよ。
## 実際に使ってみよう!
<b>I spent an hour looking for my keys, and they were right under my nose the whole time.</b>
(1時間も鍵を探していたのに、ずっと私のすぐ目の前にあったよ。)
「灯台下暗し」を最も日常的に使うパターンです。探し物が実は机の上など、見え透いた場所にあった時の「うっかり」を表現する定番フレーズですね。
<b>He stole the document right under the boss’s nose.</b>
(彼は上司のすぐ目の前で、その書類を盗み出した。)
ドラマのシーンのように、「権力者や監視の目があるのに、あえて堂々と悪事を働く大胆さ」を表現する時に使います。Aの部分に the boss’s のように名詞の所有格を入れることも可能です。
<b>The answer was right under our noses, but we couldn’t see it.</b>
(答えは私たちのすぐ目の前にあったのに、気づけなかった。)
ミステリーの解決編や、ビジネスで問題の解決策が実は身近なところにあったと気づいた時に使える、少しドラマチックで知的な表現ですよ。
## 『BONES』流・覚え方のコツ
ジェファソニアンの優秀なスタッフたちが日々行き交うフロアの、そのすぐ「足元(地下の焼却炉)」で事件が起きていたという構図をイメージしてみてください。
まさに彼らの「鼻先(nose)」をかすめるように、犯人が大胆に証拠を隠滅していたのです。自分の鼻の頭や鼻の下は、近すぎて自分の目では直接見えませんよね。
この「近すぎるがゆえの盲点」という身体的な感覚と、犯人の図太い行動をセットにして覚えると、ニュアンスが完璧に掴めますよ。
## 似た表現・関連表現
<b>in front of A</b>
(Aの前に、Aの正面で)
単に物理的な位置関係として「目の前に」と言いたい時の一般的な表現です。right under A’s nose に含まれる「気づかない」「大胆にも」といった感情的なニュアンスはありません。
<b>blind spot</b>
(死角、盲点)
車のミラーで見えない部分や、思考の抜け落ちている部分を指す名詞です。「It was a blind spot for us.(それは私たちの盲点だった)」のように使います。
<b>catch A red-handed</b>
(Aを現行犯で捕まえる)
「血塗られた手(red-handed)」という言葉の通り、まさに悪事を働いている最中に現場を押さえるという意味です。目の前で犯罪が行われているという状況に関連して、よくミステリーで使われますよ。
## 深掘り知識:Aが複数の時は「noses」になる?
このフレーズを使う時、少しだけ気をつけたい文法的なルールがあります。それは「誰の鼻先か」によって、nose の形が変わるということです。
例えば「私の目の前」なら right under my nose(単数)ですが、「私たち(複数)の目の前」の場合は、鼻も複数あることになるため right under our noses と複数形になります。
ドラマのセリフでも、ブースは研究所のスタッフ全員(俺たち)を指して our noses と言っていますよね。
ちょっとした違いですが、こうした名詞の数を正確に合わせられるようになると、あなたの英語はグッと洗練されたネイティブらしい響きになりますよ。
## まとめ|近すぎる盲点「right under A’s nose」
今回は、すぐ目の前にあるのに気づかない状況を表す「right under A’s nose」をご紹介しました。
探し物が見つかった時のちょっとした笑い話から、ドラマの緊迫した犯人探しのシーンまで、知っていると色々な場面で使いこなせる表現です。
ぜひ皆さんも、自分の「鼻のすぐ下」にある新しい発見を見逃さないようにしてくださいね!


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