海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン1第18話は、海岸保護区で見つかった300年前の指骨と、海賊の財宝伝説をめぐる事件を追うエピソードです。捜査が進むにつれ、その骨自体が仕組まれた偽物だったことが明らかになり、ブースはこの手口を salt the shaft という言い回しで説明します。
事件の種明かしの場面から、いかさまや不正を語るときの英語表現を見ていきます。
「salt the shaft」で読み解く、投資家をつなぎとめる仕掛け
盗まれたはずの300年前の骨が、実は仕込まれた偽物だったと判明する場面です。裕福な支援者を怒らせたくない上層部からの圧力を受け、ブースは自分なりの見立てをブレナンに説明します。
BOOTH: At this point, it appears as if the stolen 300-year-old bones are being used to, you know, salt the shaft.
(今のところ、盗まれた300年前の骨は、その、shaftに塩を撒くのに使われてるみたいなんだ。)BRENNAN: “Salt the shaft”?
(「shaftに塩を撒く」?)BOOTH: Yeah. You know, an investor spends a million bucks. He gets antsy when nothin’ happens, and then – voila – you know, pirate bones appear and, uh, the golden goose keeps, you know … … laying those eggs.
(ああ。つまり、投資家が百万ドルをつぎ込む。何も起きないと苛立ってくる。そこへ、ほら、海賊の骨が現れて、その、金の卵を産むガチョウが、その…卵を産み続けるってわけさ。)BRENNAN: Okay, that is a … convoluted metaphor, Booth.
(わかったわ、それは…回りくどい比喩ね、ブース。)BONES Season1 Episode18 (The Man with the Bone)
salt the shaftは、鉱山用語 salt the mine から派生した言い回しです。19世紀アメリカ西部の金・銀採掘ブームでは、価値のない鉱山を高く売りつけるため、他所から持ち込んだ鉱石をこっそり仕込んで投資家の目を欺く手口があったと言われています。そこから、「価値のないものに手を加えて価値があるように見せかける」という意味が定着しました。
ブースの「金の卵を産むガチョウが卵を産み続ける」という比喩は、投資家をつなぎとめ続ける仕掛けを説明しようとしたものです。事実やデータを好み、比喩表現を文字通りに受け取りがちなブレナンが「回りくどい比喩ね」と返す反応も、二人のやり取りらしい一場面です。
hoax・bogus・con job ─「いかさま」を語る仲間の語彙
同じ場面で、グッドマンは別の言い方でこの偽装を言い表します。
GOODMAN: It’s a hoax, Doctor Brennan. Like Piltdown man.
(これはhoaxですよ、ブレナン博士。ピルトダウン人のようにね。)BONES Season1 Episode18 (The Man with the Bone)
Piltdown manとは、20世紀初頭のイギリスで「進化の失われた鎖」として発表され、後に偽造と判明した化石のことです。学術的ないかさまの代名詞として、今も引き合いに出される事件です。
事件の終盤でも、カレンやデインがそれぞれbogus(偽物の)・con job(いかさまの企み)という語で事件を振り返る場面があります。salt the shaftを軸に、似た響きを持つ表現を整理すると以下のようになります。
| 英語表現 | ニュアンス |
|---|---|
| salt the shaft / salt the mine | 価値のないものに細工をして価値があるように見せかける |
| hoax | 人を欺くための偽装、でっち上げ |
| bogus | 偽物の、いんちきな(形容詞) |
| con job | 詐欺、いかさまの企み |
| convoluted | (説明などが)込み入った、回りくどい |
同じ「いかさま」でも、仕掛けそのものを指す語、行為を指す語、性質を表す形容詞と役割が分かれていることが分かります。場面に応じて使い分けると、英語表現の幅がぐっと広がります。
まとめ|偽装の手口が教えてくれる語彙の広がり
salt the shaftという鉱山由来の言い回しから、hoax・bogus・con jobといった「いかさま」を語る語彙まで、一つの偽装が明らかになる場面には多彩な表現が詰まっています。それぞれの語がどんな立場から使われているかを意識すると、表現の引き出しに加えやすくなります。
次回も『BONES』のセリフと一緒に、英語表現を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。
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