海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「もう少し残っていかない?」と引き留めたい時、どう伝えますか?
今回は殺人容疑をかけられたブレナンのシーンから、日常会話でも頻出の表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ニューオーリンズで殺人事件の容疑者となってしまったブレナン。
潔白を証明するために自ら捜査を行いたい彼女ですが、地元のハーディング刑事から厳しい行動制限を言い渡されてしまいます。
Det. Harding: I’m releasing you on your own recognizance. Don’t leave town.
(誓約書への署名による保釈を認めるわ。町を出ないで。)
Brennan: I have to get back to the Jeffersonian.
(私はジェファソニアンに戻らなければなりません。)
Det. Harding: You’re a suspect in a murder investigation, Dr. Brennan. You stick around.
(あなたは殺人捜査の容疑者なのよ、ブレナン博士。この辺にいなさい。)
Brennan: But I have work to do.
(でも仕事があるんです。)
BONES Season1 Episode19 (The Man in the Morgue)
ハーディング刑事の言葉には、警察官としての「命令」と、同じ女性としての「忠告」が混じっています。
ブレナンは論理的に「仕事があるから帰る」と主張しますが、刑事にとって彼女はまだ記憶を失った怪しい人物です。
You stick around.(ここに留まるのよ)というセリフには、「私の目の届く範囲にいなさい=逃げたら絶対に許さない」という、警察としての強い拘束力と威圧感が込められていますね。
フレーズの意味とニュアンス
stick around
意味:その場に留まる、居残る、帰らずに待つ
stick(くっつく)とaround(辺りに)が組み合わさった熟語です。
直訳すると「辺りにくっついている」となりますが、そこから転じて「どこかへ行かずに、その場所に居続ける」という意味で日常的に使われます。
【ここがポイント!】
単なるwait(待つ)やstay(滞在する)との決定的な違いは、「意図的にそこにへばりついている」という粘り強いニュアンスです。
今回のように警察が「動くな」と命じる緊迫した場面でも使われますが、日常ではパーティで「まだ帰らないで楽しもうよ」と友人を誘う時など、非常に幅広く活躍する大人の必須表現です。
実際に使ってみよう!
日常のちょっとしたお誘いや、ビジネスでの引き留めなど、様々なシチュエーションでの使い方を見ていきましょう。
Are you leaving already? You should stick around for a drink!
(もう帰っちゃうの? 一杯飲んでいきなよ!)
飲み会や食事会で、先に帰ろうとする友人を引き留める時に最もよく使う定番のフレーズです。ポジティブでフレンドリーな響きがあります。
I think I’ll stick around to ask the speaker a few questions.
(スピーカーにいくつか質問したいので、もう少し残っていようと思います。)
セミナーや会議の後に「帰ろうと思えば帰れるけれど、あえて目的があってその場に留まる」という状況を伝えるのにぴったりの表現です。
Please stick around after the meeting. We need to discuss the budget.
(会議の後、少し残ってください。予算について話し合う必要があります。)
上司が部下に対して使う定番の表現です。威圧感を与えすぎずに「その場を離れないでほしい」という意思を的確に伝えることができます。
BONES流・覚え方のコツ
「ハーディング刑事の強力な接着剤」で覚えましょう!
stickはシールやガムが「ぴたっとくっつく」イメージです。ワシントンへ帰ろうとするブレナンを、容疑者としてニューオーリンズの地に強力な接着剤で「ぴたっ(stick)」と貼り付けて逃がさない刑事の執念。
あの威圧的な視線こそが、stick aroundの持つ「そこに留まる」という強い拘束力のイメージそのものですよ。
似た表現・関連表現
stay put
(その場から動かない、じっとしている)
put(置かれた)状態のままでいる、という意味です。動くと危険な場合や、子供に「じっとしてなさい」と注意する時など、今回のフレーズよりも「静止」に焦点が当たった表現です。
hang around
(ぶらぶらする、たむろする)
stick aroundよりも目的がなく、ただ時間を潰してその辺にいるイメージです。「若者がコンビニの前でたむろする」といった少しネガティブな文脈でもよく使われます。
linger
(長居する、名残惜しそうに残る)
去りがたい気持ちがあって、その場に留まること。感情的なニュアンスが含まれる、少し文学的で大人っぽい表現です。ビジネスシーンよりも人間関係の機微を表す時に適しています。
深掘り知識:「Stick」が持つ精神的な粘り強さ
stickという単語には、物理的に「くっつく」だけでなく、精神的に「困難に耐えてやり抜く」という意味も含まれています。
例えば、諦めずにやり続けることを stick to it と言い、最後まで耐え抜くことを stick it out と表現します。
今回のシーンで刑事が使ったのは物理的な意味での「居残り」でしたが、ブレナンが逆境の中でも諦めずに真実を追求し続ける(sticking to the truth)姿勢そのものを象徴しているようにも感じられますね。
まとめ|「まだ帰りたくない」そんな夜に
stick around は、強制的な命令にも使えますが、親しい友人に対して「もっと一緒にいようよ」と素直に伝える素敵なフレーズにもなります。
楽しい集まりの終わり際、名残惜しい時はぜひ I’ll stick around a bit longer. と言ってみてくださいね。


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