海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かが動くのを待つのではなく、自分から先に一歩踏み出して場を動かそうとした経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「take initiative」を、『BONES ―骨は語る―』シーズン11第19話の中盤、相棒オーブリーとの車中で、ブースが妻との”片づけ対決”をどう切り抜けようか話すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take initiative」の意味とニュアンス
take initiative
意味:率先して動く、自分から進んで行動を起こす
take initiative は、誰かに指示される前に、自分の判断で先んじて行動を起こすことを表します。受け身で待つのではなく、能動的に物事を始める積極性がこの表現の中心にあります。
initiative はラテン語の initium(始まり)に由来する語で、「最初の動き」というイメージを持っています。そこに take(取る)が組み合わさることで、「最初の動きを自分が取る=自分から口火を切る」という意味合いになります。
実際の使い方では the initiative と冠詞を伴う形が最も一般的ですが、take initiative と冠詞なしで使われることも口語ではよくあります。職場で指示を待たずに提案・行動する場面、人間関係で先に歩み寄る場面、問題解決に自発的に取り組む場面など、自発性を評価したいときに広く活躍する表現です。
【ここがポイント!】
- 「take initiative」の中心にあるのは「initial(最初の)」と同じ、自分が最初に動き出すイメージ
- 指示や合図を待たず、能動的に行動を起こす積極性を表す一言
- ビジネスでもカジュアルでも使え、人の自発的な働きを評価するときに便利
『BONES』S11E19のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
捜査の道中、ブースは妻ブレナンとの”断捨離バトル”の真っ最中。後部座席に大量の靴下を積んだまま、相棒オーブリーに事情をこぼします。にらみ合いを打開するため、ブースが切り出した一手にこの表現が登場します。
Aubrey: I know. Books versus socks.
(わかってる。本 vs 靴下だろ。)Booth: Right, okay, and I thought that I could take initiative and donate mine first.
(そう、で、まず俺が率先して自分のを寄付しようと思ったんだよ。)Aubrey: Being the bigger man, that’s great. I’m just saying, you should probably throw them away.
(大人な対応だ、いいことじゃないか。ただ、たぶん捨てちまった方がいいと思うけどな。)Bones Season11 Episode19(The Head in the Abutment)
シーン解説と心理考察
ブースとブレナンの「本を捨てるか、靴下を捨てるか」という譲り合いのなかで、ブースは「自分が先に動く」ことで歩み寄りを示そうとしています。take initiative がここで担っているのは、まさにこの「自分から先んじて折れてみせる」という自発的な一手です。
注目したいのは、ブースの”率先”が純粋な譲歩というより、先に動くことで相手にも譲歩を促そうという駆け引きを含んでいる点です。自分が initiative を取れば、相手も応じざるを得ないだろうという計算が透けて見えます。take initiative が持つ「主導権を握る」という側面が、夫婦の小さな攻防のなかで自然ににじみ出ていると言えます。
『BONES』流・覚え方のコツ
ブースが後部座席の靴下袋に手をかけ、「まず自分が先に手放す」と宣言する場面を思い浮かべてみてください。誰かが動くのを待つのではなく、自分が最初の一歩を踏み出す——その姿が take initiative の核そのものです。
initiative の頭にある「init-」は「最初」を表す部分。スタートラインで真っ先に飛び出すランナーのように、「最初の動きを自分が take する」と分解して覚えると、意味と形がきれいにつながります。
例文で覚える「take initiative」
自発的に動く姿勢を表す take initiative は、評価の言葉としても、決意の表明としても使えます。場面ごとの使い方を3つの例文で見ていきましょう。
She took the initiative to organize the whole event by herself.
(彼女は率先してイベント全体を一人で取り仕切った。)
職場で誰かの自発的な働きぶりを評価する場面です。the initiative と冠詞を付ける形が最もスタンダードな言い方になります。
Thanks for taking the initiative and cleaning up without being asked.
(言われる前に率先して片づけてくれてありがとう。)
家族やルームメイトの自発的な行動に感謝する場面です。劇中のブースの”先に手放す”姿勢にいちばん近い使い方と言えます。
A: Nobody wants to lead the project.
B: Fine, I’ll take the initiative and get us started.
(A:誰もこのプロジェクトを率いたがらないんだ。)
(B:わかった、私が率先して動き出すよ。)
誰も動かない状況で自分が口火を切る場面です。沈黙を破って先頭に立つ決意が、この一言にこもります。
あわせて覚えたい関連表現
step up
(一歩前に出る、責任を引き受ける)
期待や状況に応えて前に立つニュアンスです。take initiative が「自分から進んで」という自発性に重きを置くのに対し、step up は「必要な場面で立ち上がる」感覚が強くなります。
make the first move
(最初の一歩を踏み出す、先に働きかける)
特に人間関係や交渉で「先に動く」場面に使われます。take initiative よりも行動の対象が「相手への働きかけ」に絞られるのが特徴です。
be proactive
(先を見越して主体的に動く)
こちらは姿勢や性質を表す形容詞表現です。take initiative が具体的な一回の行動を指せるのに対し、be proactive は普段からの主体的なスタンスを描きます。
Note|initiative と initial に共通する「最初」のルーツ
take initiative の意味をつかむうえで、initiative という単語そのものの成り立ちに目を向けると、理解がぐっと深まります。
initiative は、ラテン語の initium(始まり・開始)を語源に持つ語です。同じルーツから生まれた仲間に、initial(最初の・頭文字)、initiate(始める・開始する)、そして「入会・加入」を意味する initiation などがあります。いずれも「最初」「入り口」という核を共有しているのが見えてきます。名前の頭文字を initial と呼ぶのも、それが言葉の”最初の一文字”だから。こうして並べてみると、initiative が「最初に動き出す力」を指すのは語源からの自然な流れだと分かります。
つまり take initiative は「最初(init-)の動きを自分が取る」という、語の成り立ちがそのまま意味になった表現です。語源を知っておくと、initial や initiate に出会ったときも「ああ、あの”最初”の仲間か」とつながり、記憶に定着しやすくなります。
ひとつの語源が、いくつもの単語の意味を静かに束ねているのです。
まとめ|ブースの”先に手放す”一手から学ぶこと
take initiative は、「誰かの指示を待たず、自分から最初の一歩を踏み出す」という積極性を一言で表す表現です。initiative の語源にある「最初」のイメージをつかめば、意味も形もすっと頭に入ってきます。
この表現が使えるようになると、自発的に動いた誰かを称えるときも、自分が口火を切る決意を伝えるときも、ぴったりの一言が見つかります。受け身ではなく、自分から場を動かす——そんなニュアンスを的確に届けられるようになります。
ブースが見せた”まず自分から動く”という一手を思い出しながら、take initiative をあなたの表現の引き出しに加えてみてください。


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