海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
一生懸命動いたのに何も得られなかった……そんな「徒労感」を感じた日はありませんか?
今回は、あてのない捜索を意味する、少しウィットに富んだ表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ドーズ保安官は、行方不明の妹ダニーが写った写真の場所へブースとブレナンを案内しようとします。
しかし、情報源である容疑者のジョセフを疑っているブースは、それが罠やデタラメではないかと警告します。
Sheriff Dawes: This formation here, I’m not familiar with it.
(この地形には見覚えがないな。)Brennan: There’s nothing like this anywhere near where we found Kirk’s remains, or the camera.
(カークの遺骨やカメラを見つけた場所の近くには、こんな場所はないわ。)Sheriff Dawes: It’s easier I take you than explain.
(説明するより連れて行った方が早い。)Booth: Whoa, whoa. If Joseph is a murderer, he’s just sending you on a wild goose chase.
(おいおい。もしジョセフが殺人犯なら、あんたをあてのない捜索に向かわせてるだけだぞ。)
BONES Season1 Episode17 (The Skull in the Desert)
元アーミー・レンジャーであるブースは、殺人犯かもしれない容疑者の言葉を鵜呑みにし、無防備に砂漠の奥地へ向かうことのリスクを冷静に指摘しています。
対するドーズ保安官は、たとえそれが無駄足に終わったとしても、行方不明の妹を見つけるためならどんな僅かな可能性にもすがりたいという切実な思いを抱えています。
二人のプロフェッショナルとしての視点と、家族を想う感情が交差する緊迫したシーンですね。
フレーズの意味とニュアンス
wild goose chase
意味:無駄骨、あてのない捜索、実現不可能なことの追求
直訳すると「野生のガチョウ追い」です。
家畜のガチョウと違い、野生のガチョウを捕まえるのは至難の業。
あっちへこっちへと逃げ回るガチョウを追いかけて、結局捕まえられずに終わる……そんなイメージから生まれたイディオムです。
【ここがポイント!】
単に「時間の無駄(waste of time)」と言うよりも、「あちこち振り回された」「プロセス自体が混乱していた」という、ドタバタした徒労感が強くにじみ出る表現です。
ブースが懸念したように「誰かの嘘やデタラメに翻弄される」状況にぴったり当てはまります。
実際に使ってみよう!
日常やビジネスでの「振り回され感」を表現してみましょう。
I went to five different stores looking for that specific spice, but it was a wild goose chase.
(そのスパイスを探して5軒も回ったけど、結局無駄骨だったわ。)
あちこちのお店を回ったけれど、成果がゼロだった時の「がっかり感」と「振り回され感」が伝わります。お買い物の失敗談として使いやすい表現ですね。
My boss sent me on a wild goose chase to find a file that he had already deleted.
(上司にファイルを捜させられたけど、彼が自分で消去済みだったの。完全に無駄足だったわ。)
ビジネスシーンでも、誤った情報や理不尽な指示に基づいて行動させられた時によく使われます。同僚との愚痴大会で飛び出しそうなフレーズです。
Following the old map turned out to be a wild goose chase. The restaurant was gone.
(古い地図を頼りに行ったけど、無駄足だったよ。レストランはもう無かったんだ。)
旅行中、古い情報を信じてあちこち歩き回ったのに目的の場所がなかった……という徒労感を表すのに最適です。
『BONES』流・覚え方のコツ
「砂漠のドライブ」で覚えましょう。
広大な砂漠で、殺人犯かもしれない男の言葉だけを頼りに、あるかどうかも分からない証拠を求めて車を走らせるブースたち。
この「どこに連れて行かれるか分からない不安」と「無駄足になるかもしれないリスク」のイメージをフレーズと結びつけてみてください。
似た表現・関連表現
fool’s errand
(無駄足、徒労)
「愚か者の使い」という意味。最初から達成不可能な用事を頼まれたりした時に使います。wild goose chase が「捜索の混乱」に焦点が当たるのに対し、こちらは「行かされたこと自体の馬鹿らしさ」を強調します。
waste of time
(時間の無駄)
最も直接的で一般的な表現です。「追いかける過程」のニュアンスはなく、単に結果として時間が無駄になった事実をシンプルに伝えます。
going around in circles
(堂々巡りをする、同じことの繰り返し)
解決策が見つからず、同じところをぐるぐる回っている状態。無駄な労力を使っている点では似ていますが、こちらは「進展がないもどかしさ」を表します。
深掘り知識:「ガチョウ」はなぜ捕まらない?
この言葉の起源は16世紀、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』まで遡ると言われています。
当時は「ガチョウ追い」という、先頭の馬(ガチョウ役)の複雑な動きを後続が真似て追いかける競馬のような遊びがありました。
つまり、元々は「前の人の予測不能な動きに翻弄される」という意味合いが強かったのです。
それが転じて、現在では「あてのない捜索」そのものを指すようになりました。
ブースが「ジョセフに翻弄されている(罠にはめられている)のでは」と疑った状況に、まさに本来の語源通りの意味が当てはまっているのが面白いところですね。
まとめ|徒労感さえも表現に変える
結果が出ない努力やあてのない捜索は辛いものですが、そんな時は “It was a wild goose chase!” と吐き出して、気持ちを切り替えるのも一つの手です。
ネイティブとの会話でも、「昨日は振り回されて大変だったんだよ」というエピソードトークとして盛り上がれる表現ですよ。
ぜひ声に出して練習してみてくださいね。


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